「違うこと」をしないこと




「違うこと」から逃げる自分を許す。そして、去ってゆく相手を許す。
吉本ばななさんのエッセイは、自分を見つめ直したいときや自分を見失いそうなとき、心に効く。 表題『「…

本が好き! 1級
書評数:147 件
得票数:3570 票
週1〜2冊、通勤時間や昼休みを利用して本を読んでいます。
ジャンルは小説・エッセイ・ビジネス書・自己啓発本など。
読後感、気付き、活かしたい点などを自分なりに書き、
また、皆さんからも学びたいと考え参加しました。
よろしくお願いします。




「違うこと」から逃げる自分を許す。そして、去ってゆく相手を許す。
吉本ばななさんのエッセイは、自分を見つめ直したいときや自分を見失いそうなとき、心に効く。 表題『「…



猫文学というものがあるのならーーそれを証明しようとして本書を書いているわけだがーー(本文より)。「本のなかの猫」との楽しい出会いが詰まった、猫好き&本好きのための本。
『わたしと白猫パンガーバン われらはどちらも仕事が好き 彼は喜び勇んでネズミを狩り わたしは夜…




チューバ奏者の視点から捉えた音楽の世界。迷いの中にいた主人公に訪れるラストシーンが圧巻。
2008年の刊行当初に読んだ作品ですが、Jun Shinoさんの書評をきっかけに再読しました。ありが…





遠い国の昔の話…ではない。これは、いつかの自分かもしれない。
「起きて半畳寝て一畳」という諺がある。 先日書評を書いた齋藤孝著『あいさつ・しきたり・四季・ことわ…





古くから日本人の心を支えてきた言葉……昔の人たちの経験を知ることが、ヒントになり、救いになり、軸となる。
表題には「きほんの日本語」とあるが、本書は言葉の使い方にとどまらず、心がけ・慣習・生き方などを幅広く…


空を飛ぶ人間が語る、失ったものと手に入れたもの。そして、その視点から捉えた「幸せ」について……
ことの始まりは今から半世紀以上前、1953年生まれの高岡泰成が高校生のときである。 当時通っていた…



非日常感に想像力を掻き立てられる『ブロードウェイの天使』をはじめ、「瞳」の持つ力が胸を打つ三つの作品。
この百年文庫「瞳」には、以下の三作品が収録されている。 ・ラニアン『ブロードウェイの天使』 ・チ…



主人公「わたし」の職業は、文字の羅列に意味を与えること。
この作品はのちに『文字移植』という表題へと改題されている。 主人公の「わたし」は翻訳家で、南国のカ…



ひとつの図書館の再生を通して、公共図書館が直面している現状について考える。
2021年に「ライブラリー・オブ・ザ・イヤー」を受賞した指宿図書館は、流行の複合施設タイプでもなく、…





昭和32年、15歳の少年が経験した七泊八日のひとり旅。その密度と輝きは、数十年のときを経ても読者を魅了する。
本書は昭和32年、浮谷東次郎という15歳の少年が中学最後の夏休みに、千葉県の自宅から祖父の滞在する大…




読んでは忘れ、忘れてはまた読む……それで良いのだ。比較文学者である著者が、含蓄に富んだ言葉で読書のよろこびを語る。
表題「本は読めないものだから心配するな」の意味は、本を読まなくても良い、ということではない。 …



「使いみちのない風景」を記憶の中に持っていることの意味とは
1984〜94年に書かれた3作品を、58点のカラー写真とともに収録するエッセイ。すぐに読み終えてしま…



序盤から気になる、アジア・クロクマの存在…。この物語のテーマは、想像していたよりずっと普遍的なものかもしれない。
(上下巻合わせての書評です。) この作品はジョン・アーヴィングのデビュー作であり、村上春樹氏が…




「アグア」とは、「なくてはならないもの」。 主人公の成長・スペインの臨場感・フラメンコの奥深さなど、たくさんの魅力が詰まった物語。
「アグア」とはフラメンコの掛け声の一つでもあり、「水」という本来の意味から派生して「なくてはならない…




「ここじゃないどこか ではなく ここじゃないここへ」
本書は、コロナ禍の2020年11月に発表された銀色夏生さんの写真詩集。 収録作品には、世の中がこれ…




なぜ「光のところ」ではなく「光のとこ」なのか
団地で暮らす母子家庭の果遠と、裕福な家庭に生まれて私立の小学校に通う結珠。異なる境遇の2人だが、ある…



こんなふうに、自然に変わってゆけたら…
「どくだみちゃんとふしばな」というシリーズは、吉本ばななさんが日常で不思議に思ったことや心が動いたこ…



岡本かの子の大ファンであったという有吉佐和子。年代・作風の異なる両者の読み比べを楽しむことができる随筆集。
『鮨』『生々流転』など強い個性が光る作品で知られる岡本かの子(1889-1939)と、『非色』『閉店…




九十歳の記念に祖母が計画した豪華絢爛な晩餐会。「よき時」とは、感謝の気持ちと共に迎える未来のこと。
『九十歳の記念に祖母が計画した、 一流のフレンチシェフと 一流の食材が織りなす、 家族のための…



渋谷スクランブル交差点で起きた通り魔事件。標的にされた明香里を庇って亡くなった見知らぬ男性には、犯罪歴があった…
作者の薬丸岳は、これまで『友罪』『Aではない君と』など、少年犯罪について深く掘り下げた作品を世に出し…