アナーキストの銀行家

トランクから出てきた贈り物
『不安の書』で有名なフェルナンド・ペソア の短編集。 『不安の書』が孤独でペシミスティックな思…

本が好き! 1級
書評数:161 件
得票数:1136 票
猫と本が好き。海外文学と人文系の書物を読みます。星はつけていません。

トランクから出てきた贈り物
『不安の書』で有名なフェルナンド・ペソア の短編集。 『不安の書』が孤独でペシミスティックな思…

ひとつひとつの作品を元に描かれた設計図が見たい
36の都市の構造、歴史、住民などを描いた掌編集。というとカルヴィーノの『見えない都市』を思い起こすが…

700ページほどの「簡潔な」大作
1976年のボブ・マーリー暗殺事件を軸に、その時代のジャマイカを登場人物たちが語りに語る! 当…

ベルリンの街こそが主人公
イギリス人のウィリアムはベルリンへ向かう列車の中でアーサー・ノリスという自称貿易商の人物と知り合い親…

日常に潜む空恐ろしさ
不条理から怖いまで。どちらかといえば「観光バスに乗られますか?」「うさぎの墓」あたりの不条理が好みだ…

まずは自らの内面が多様であることから
社会を「均一」「純粋」「根源的」などで狭く定義して異質なものを作り出し、一方で異質なものを個人として…

people have the power (Patti Smith)
チェコ大統領にもなった劇作家ハヴェルが1970年代から着手したものだそうだが、その冷静で深い分析は現…

もし自分だったら...
大伯母が「レヒニッツの虐殺」と言われる事件に関わっているのではないかということから始まるが、帯や裏表…

ウエルベック流『失われた時を求めて』
読んでる時、読んだ直後に持った率直な感想はウエルベックって思ったよりずっとフランス文学の正統な系譜に…

「赤い髪の女」が語る女の声
急速な近代化に伴い、イスタンブルの街が急拡大する1980年代から現代を背景に、オイディプス(父殺し)…

韓国映画を彷彿とさせるノンストップ・スリラー
ある高校生の殺人事件と失踪事件。警察の捜査ではなく、殺された高校生の父親と失踪した妹を探す姉とが少し…

アイロニカルな人間悲劇
密偵と聞いてル・カレのようなスパイものを想像すると肩透かしに合う。アイロニカルな人間悲劇である。 …

ベンヤミンとともに歩く
ファシズムの時代に生きて死んだヴァルター・ペンヤミンの評伝。 ベンヤミンの人生に絡めて思考を辿…

ユーモアとは耐え難い現実と付き合う手段(解説より)
イスラエルの作家エトガル・ケレットの短編集、とてもよかった。 ちょっと形容しがたいが、いろんな…

おもしろうてやがて悲しき..
19世紀といえば知のパラダイムの転換の時期、近代への序章の時代だ。この本を読み始めた時にはそういった…

バラエティに富んだアンソロジー
幻想、怪奇、SF...と幻想小説といってもなかなかにバラエティに富んだアンソロジー。 気に入っ…

アガンベンの「書斎」
異なる時間と空間が混在し、常に変化し続ける「書斎」。それを軸に人々や書籍との出会いについて綴るアガン…

ややこしくめんどくさい家族という「靴ひも」
これもまた凄まじいとしか言いようがない小説だ。 3部構成で、まず40年前、家を出た夫に書き送ら…

「折りたたみ北京」『1984年に生まれて』の著者によるAIをテーマとした短編集
とても面白く読んだ。 まず冒頭に2編のAIについてのエッセーが配されている。一つ目は現時点での…

ひたむきな一人の人間の生き様が胸を打つ
1930年代にアルジェに伝説的な書店<真の富>を開業し、多様な作家と交流し、出版人としても多くの本を…