ギリシャ語の時間 (韓国文学のオクリモノ)

言葉に自覚的な作家が描く哀しい物語
哀しい物語なのだが、美しい小説だった。言葉、文字への自覚的なところが多和田葉子を思い出させた。 …

本が好き! 1級
書評数:161 件
得票数:1136 票
猫と本が好き。海外文学と人文系の書物を読みます。星はつけていません。

言葉に自覚的な作家が描く哀しい物語
哀しい物語なのだが、美しい小説だった。言葉、文字への自覚的なところが多和田葉子を思い出させた。 …

ある結婚をめぐる重層的な物語
運命的に出会ったロットとマチルド。その結婚生活が一部は夫であるロットの視点で、二部は妻マチルドの視点…

まぎれもない香港と香港人の物語
クワン警視が携わった事件が2013年から1967年に遡る形で語られる。 ミステリーとしては少し…

生と死の境界が曖昧な世界
亡命イラク人作家による短編集。 死と暴力に彩られ、生と死の境界が曖昧な世界をシニカルに暗いユー…

イギリス人らしさじゃなくて、イングランド人らしさ
人類学者である著者がフィールドワークによってイングリッシュネス(イングランドらしさ)を解き明かそうと…

良い作家の影に良い書店あり。

どこまでが本当でどこからがそうじゃないのか
アルツハイマーの連続殺人者が語る物語。どこまでが本当でどこまでが本当じゃないのか。 究極の「信…

最後の一語まで読み逃せない
作家のデルフィーヌは前作の影響でスランプに陥っている。そんな時パーティでLという女性と知り合い親しく…

みずみずしく、余韻を残す老人小説
フランは70歳を過ぎても、老人施設の調査をする仕事で車で走り回り、別れた夫には手料理を届けるなど忙し…

素朴な寓話と見せかけて死と暴力の方向に着地する不穏な掌編集。じわじわくる。

ジョルジュ・ペレック 未完の小説
ジョルジュ・ペレック の未完の小説で未邦訳の"53 Jours"の英訳版。読んだのは下の画像のものだ…

第四回日本翻訳大賞(2018年)受賞作
ヴォクルスキのイザベラ嬢に対する恋情を軸に、ポーランドの社会状況、20世紀への萌芽を描く。 予…

内容vs形式、解釈するな
「反解釈」と「様式(スタイル)について」で、「形式」と「内容」について、長いこと「内容」の解釈が批評…

右ハンドルを通して見るエモーショナルなロシア沿海州
90年代から2000年代にかけてウラジオストクを始めとするロシア沿海州では日本の中古車が多くの人に愛…

支配する側とされる側が入れ替わったら...
女性が手から強力な電流を発する力を得た社会を描く、支配する側とされる側が入れ替わったディストピア小説…

発表以来一度も書籍化されることのなかった「政治少年死す」を収録
この第3集は60年代の作品を集めたもの。どうしても冒頭の2作が話題になってしまうだろうけれど、他の作…

静謐で端正な白の数々
詩のような、祈りのような、美しい作品。造本も美しい。 「白く笑う」という表現が印象的だった。

知り、関心を寄せることの大切さ
アラブ文学者によるパレスチナめぐるエッセー。 とにかく読むのが辛いエッセーだ。しかし、私たちが…

まさしく「凍」としか言いようのない孤独の極北
自己と世界に対する幻滅、絶望とわずかな親愛の情がないまぜになった、まさしく「凍」としか言いようのない…

濃密で執拗なモノローグ
メロドラマにしかならないようなプロットをシェイクスピア、バルザック、デュマ、果ては辞書までも参照しな…