コンビニ人間
主人公古倉恵子の特異性はさほど驚くべきものではないが、主人公目線での「普通」「普遍性」の歪さの描写で俄然面白さが増した。また「普通」に対する過剰適応の成れの果て、その奇怪さもまた芥川賞らしさを醸し出す
主人公古倉恵子の特異性描写は、2016年単行本刊行を考えると特記するほどではない(00年なら、驚愕…
本が好き! 1級
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主人公古倉恵子の特異性はさほど驚くべきものではないが、主人公目線での「普通」「普遍性」の歪さの描写で俄然面白さが増した。また「普通」に対する過剰適応の成れの果て、その奇怪さもまた芥川賞らしさを醸し出す
主人公古倉恵子の特異性描写は、2016年単行本刊行を考えると特記するほどではない(00年なら、驚愕…
フクシマ発生後の5日間の現場・官邸・東電の模様を開陳。激越な文体は、発生事故の巨大さを表す反面、「台詞」が多く含まれ、創作性の罠、信に欠ける恨みも。歴代経営陣のシステム構築責任の問題には切り込めず
2018年(加筆前底本2015年)刊。 編著者高橋は共同通信社編集委員・原子力報道室担当部長。 …
維新期以降の表現(報道・取材、集会・結社包含)の自由の規制立法の変遷を、治安維持法成立・改悪の前史として踏まえ解説し、戦前の治維法違反事件を詳述。この経験が戦後憲法・刑法・刑訴法に与えた影響を感得可
1979年刊。 戦後直後、労働組合機関紙運動に従事した著者による、戦前の治安維持法違反事…
ここで反哲学とは、哲学否定・蔑視ではなく、哲学(西洋)という思考フレームの絶対視の否定、その価値の相対化を企図する思考営為を指すという。20世紀の哲学者が進展させてきた思索を平明な語り口で追体験できる
1995年刊。 著者は中央大学文学部教授(哲学)。 ここで「反哲学」につき、著者は哲学…
国権優先思想・過ぎた愛国を強要する傾向性が強くなっている現代の風潮に対して、棹を差すことのできる思想家、個々の人間の尊厳を守ることに価値を置いてきた思想家らの在り様を、様々なテーマに即して紹介
2002年刊。 著者は早稲田大学名誉教授(日本近現代史・思想史)。 著者は1931年生…
危機一髪。すり抜けるための努力。努力を生み出す仲間・友情の力。そしてそれを支える先人の思い。実に少年マンガ・ジャンプマンガしている。百夜さん、その生き様はお見事です、という他はない。
相変わらず、高いレベルで笑いのツボを突く。凄い。
白銀・早坂コンビの幼稚園先生ばなしがなかなか楽しい。かような展開は本編でもさもありなんという気がしているし…。◇四条眞妃シンデレラ譚も、定番のオチだけれども、クスクス笑える。
画力が少し上がってきたのか?。 白銀・早坂コンビの幼稚園先生ばなしがなかなか楽しい。この二…
微エロなのは同人版らしいかも。ただ、キャラ間でのギリギリした言葉のやり取りは薄めなので、「かぐや」の面白さが出ているかは微妙かも。
本書は、欧州の国際歴史教科書対話、つまり歴史研究者らが、相互に歴史教科書を検討、意見開陳を経て、未来の歴史認識の共通基盤を作らんとする試みを解読。独仏間ではWWⅠ後から継続する百年の営みだと感嘆
1998年刊。 著者は名古屋大学教育学部助教授(比較教育学・カリキュラム論)。 ここで…
20世紀前半期の中国、つまり準植民地化が進んだ時代における、感染症に対抗する公衆衛生システムの成立・発展と、土着文化・慣習との矛盾・相克を解説。公衆衛生の確立が自治剥奪と表裏という救いようのない現実も
2009年刊行。 著者は青山学院大学教授。 「中国史」とあるが、近代(さらにいうと20…
満州事変直前のモンゴル周辺の調査探訪日記を纏めた本書。内容の稚拙さよりも、調査行の時期と場所、そしてスポンサー=陸軍から立ち上がるキナ臭さの方が印象に残る
1997年(元本1937年)刊行。 編者池内紀はドイツ文学者。 満州事変直前、モンゴル…
本書は、馬の利用方法・騎乗のための道具の内容とその発展。戦車・馬車といった車両の用途の発展過程など技術史・道具史を中心とする。特に、車輪の発明と発展、鐙と蹄鉄の発展は興味深い叙述
1994年刊行。 著者は国士舘大学教養部教授(アジア古代史)。 個人的な関心事としては…
昭和天皇の側近の日記、先行研究を再整理し、激動の戦前戦後を生きた彼の心性・真意を解読せんとする。退位論に関する彼の思考を読みとれるものの、退位しなかったことによるマイナス面も想起すべきであろう
2011年刊。 著者は日本大学文理学部教授。 昭和天皇の側近の日記、先行研究を再整理し…
因果関係とは科学的思考の基礎、また法的有責性における違法行為と結果の間を規定。が、様々な事象が錯綜する社会ではその判断は困難。本書は数理やデータを利用した推論という手法を解説。明瞭な叙述には罠もあり
2017年刊行。 著者はシカゴ大学公共政策大学院ハリススクール助教授(環境エネルギー経済学・産業組…
つばめ先輩、罪作りなお人よ……
まあまあ面白い。◇ただ、つばめ先輩の振る舞いは、マジメ男の自尊心を相当凹ませることも確か。
千空らは、一足飛びに大航海時代へ突入。
大航海時代の千空らは、一路宝島へ。というか、宝島とは何ぞや?。何が、そして誰が待っているのか?。◇出…
19世紀半ば産業革命期~WWⅠ終了までの、欧州列強の外交を中心に、列強による植民地形成過程を叙述。ただし、欧州外交の基礎となった思想(実証主義。誤用というべき社会進化論)や文学にも言及
1973年刊。 著者は椙山女学園大学教授(近現代国際関係史・史学理論)。 19世紀半ば(産…
大陸中国の中世が、後漢末の動乱から400年ほどを経、隋唐統一王朝に進む中で始まる。この時代に生まれ律令制度は、後代・周辺国家に波及し、科挙制は統治システムの画期。かかる重要な時代の分析書なのだ
1977年刊。 著者は京都大学文学部教授(中国中世史)。 大陸中国における中世の幕開け…
伝染病撲滅の重要性は、輸送・移動の高速化やその量的拡大が著しい現代では一層妥当する。70年代半ば、当時、制圧には程遠かった天然痘の撲滅に力を尽くした著者。その印バでの活動を叙述。古い書だが、今も有益
1982年刊。 著者は国立予防衛生研究所外来性ウイルス室長。 1970年代半ば、当時、…