孤独な青年
「わたしは義務を果たしただけだ」/「正常な人間」となるために、時代の狂気に身を投じる青年哲学者の運命。巨匠ベルトルッチの名作『暗殺の森』の原作として名高い、ノーベル賞作家A・モラヴィアの代表作
(以下は某書評サイトに投稿したレビューを転載したものである。執筆は2012年12月) 東京は日…
本が好き! 1級
書評数:236 件
得票数:4489 票
好事家のサラリーマン、独学で政治思想史、社会思想史を学ぶ一書生です。某サイトの閉鎖に伴い、こちらの仲間に入れていただこうと引っ越ししてきました。よろしくお願いいたします。
「わたしは義務を果たしただけだ」/「正常な人間」となるために、時代の狂気に身を投じる青年哲学者の運命。巨匠ベルトルッチの名作『暗殺の森』の原作として名高い、ノーベル賞作家A・モラヴィアの代表作
(以下は某書評サイトに投稿したレビューを転載したものである。執筆は2012年12月) 東京は日…
恐怖小説アンソロジーの名品/選者である阿刀田高のセンスが光る恐怖短編選集。掉尾を飾るのは山田風太郎のリリカルな名編「さようなら」
(以下は某書評サイトに投稿したレビューを転載したものである。執筆は2011年11月) 恐怖小説…
話術で魅せる〝現代の武道小説〟/〝テニプリ〟旋風を巻き起こした超人気作品。美形キャラが縦横に活躍するスタイリッシュなスポーツ漫画だが、その底流には日本大衆文学の伝統たる武道小説に通じるものがある
(以下は某書評サイトに投稿したレビューを転載したものである。執筆は2012年12月) 若い世代…
知らぬ存ぜぬは許しません/「ヤマザキ、天皇を撃て!」時に暴力も辞さず、大日本帝国と昭和天皇の戦争責任を糾問しつづけた〝神軍平等兵〟こと奥崎謙三。傑作映画『ゆきゆきて、神軍』に名を残す一代の奇人の怪著
先年、家内の運転で神戸市内を走っていたとき、ぼんやり眺めていた車窓の風景に、どこか見覚えがあるような…
人間、この脆弱なるもの/大正時代、北海道の開拓村を襲った巨大な人喰い熊に挑む、村人たちの絶望的な闘い。吉村昭が日本史上最大の獣害「三毛別羆事件」をモデルに描く、迫真のノンフィクション・ノベル
貧弱な住環境のせいでペットは飼えないが、もともと動植物は好きだから、常識的な範囲での動物愛護には大い…
「適齢期のウソ」というウソ/がんばって「婚活」しているのに、なぜかいい相手にめぐり会わない。高望みなんてしていないし、ごく普通の男性で良いのに・・・いやいやお嬢さん、それって十分「高望み」なんですよ
皆さんに顔を見せる機会がないのが幸いだが、私は自他共に認める醜男で、幼い頃から容姿のことで周囲の人間…
平明だが本格派の入門書/80年代、にわかに沸き起こった現代思想ブームの一翼を担った思想家、小阪修平による哲学入門書。刊行後はや長い年月を経たが、著者の人柄を偲ばせる懇切な叙述は現在でも通用するはずだ
(以下は某書評サイトに投稿したレビューを転載したものである。執筆は2011年8月) 近年の出…
世界文学の〝隠れた小径〟/『逝きし世の面影』の思想史家、渡辺京二が語る世界文学の魅力。世界文学史に残る名作群を手がかりに、人類史の普遍的課題を読み解く、文学入門と思想入門を二つながら兼ねる好著
(以下は某書評サイトに投稿したレビューを転載したものである。執筆は2012年2月) 日本近代史…
不動産投資を考える前に/将来不安から不動産投資を検討する人が多い昨今だが、シェアハウス投資をめぐる消費者被害からわかるように注意すべき点は多い。まずはこの種の本を数冊読み相場観を形成するようお勧めする
本書は不動産投資、それも中古のアパート、マンションなど住居用不動産を対象とする投資の入門書である。所…
遠く離れて 地球にひとり/昭和の男の子の胸を熱くした孤高のヒーロー〝ウルトラマン〟。ただひとり地球を守った異星人の「正義」の根拠とは一体何だったのか?サブカル評論の名手が描く「ウルトラマンの思想史」
(以下は某書評サイトに投稿したレビューを転載したものである。執筆は2011年9月) 日本に「…
消費社会の幕開け/商品を買ってほしければ、まず客を娯しませよ!小売のビジネスモデルを転換させた世界最初の百貨店「ボン・マルシェ」の創業者ブシコー夫妻の〝夫婦繁盛記〟を名エッセイスト鹿島茂が活写する
(以下は某書評サイトに投稿したレビューを転載したものである。執筆は2011年1月) 百貨店業界…
錯覚が生む恐怖/保険会社の平凡なセールスマンを襲う筆舌に尽くしがたい恐怖。人気作家貴志祐介の出世作にして、今や日常的な用語となった感のある「ある概念」を、エンターテイメントに持ち込んだ画期的作品である
(以下は某書評サイトに投稿したレビューを転載したものである。執筆は2011年7月) 稲川淳二と…
天は自ら助くる者を助く/中世ヨーロッパで行われていた紛争解決法「決闘裁判」。究極の当事者主義ともいうべきその法思想からは、彼我の文化の大きな違いが浮かび上がってくる。西洋法制史の大家山内進による好著
(以下は某書評サイトに投稿したレビューを転載したものである。執筆は2011年1月) ハリウッド…
されど井戸の深さを知る/「業界紙」って何?誰が読んでるの?「業界」に密着しその動向を詳報する業界紙というマイナーなメディアの実像が、実は滅法面白い。ノンフィクションの名手佐野眞一による、知られざる傑作
(以下は某書評サイトに投稿したレビューを転載したものである。執筆は2011年5月) 「井蛙の見…
〝故郷〟としての江戸文明/近年再評価の機運著しい「江戸時代」。ある意味で我々にもっとも近しい歴史的時代でありながら、毀誉褒貶常ならぬこのユニークな文明のために、近世思想史の大家尾藤正英が大いに弁ずる
(以下は某書評サイトに投稿したレビューを転載したものである。執筆は2012年6月) 江戸時代は…
伝説の雑誌『新青年』から/乱歩、正史、久作・・・日本を代表する探偵小説作家を輩出した伝説の雑誌『新青年』所載作品から、渡辺兄弟、甲賀三郎、木々高太郎、海野十三らの佳編を集成したアンソロジー
(以下は某書評サイトに投稿したレビューを転載したものである。執筆は2011年6月) 私は「新青…
無智を作り出すもの/情報化社会の進展が、かえって「情報弱者」を作り出すという逆説。社会へのマスメディアの悪影響を剔抉する視点は鋭いが、技術文明を全否定するかのごとき、その性急な批判には賛同しかねる
(以下は某書評サイトに投稿したレビューを転載したものである。執筆は2012年12月) かつては…
自衛隊は違憲である/最もポピュラーな憲法教科書たる本書でも、自衛隊違憲論が明確に主張されている。改憲阻止のため口先だけの合憲論を唱える無節操な左翼護憲派は、まず本書の憲法解釈を明確に否定すべきだろう
(以下は某書評サイトに投稿したレビューを転載したものである。執筆は2016年5月) 現代を代表…
麻雀入門記/この歳になっていまさら麻雀ですか?とは思うものの、たしかにこのゲームは面白い!ただ、一緒に打ってくれる仲間がいないし、雀荘に行く勇気もないけれど・・・
(以下は某書評サイトに投稿したレビューを転載したものである。執筆は2012年1月) 本書を手に…
これが岩波の出版物だとは・・・/日本近世史の泰斗、尾藤正英による日本文化史の入門書。講座派マルクス主義史観に曇らされぬ透徹した史眼による好著だが、かかる「反動的」書物を刊行する岩波の懐の深さにも感心
(以下は某書評サイトに投稿したレビューを転載したものである。執筆は2012年1月) 岩波書店の…