ギリシャ語の時間 (韓国文学のオクリモノ)




著者はノーベル文学賞作家。少人数クラスで古代ギリシャ語を教える男性と、習い手の女性が、ともに辛苦に満ちた人生を背負いつつ、静謐なふれあいに導かれていく様子を綴ります。
なるほど、ノーベル賞を受賞するのは、こういう世界を描く作家なんですねえ。 受賞理由は 「歴…

本が好き! 1級
書評数:666 件
得票数:8869 票
主に小説、そして、クラシック音楽関連本を濫読している女性です。
ときどき新書、近現代史関連本にも食指を伸ばしております。(2017年8月に登録)




著者はノーベル文学賞作家。少人数クラスで古代ギリシャ語を教える男性と、習い手の女性が、ともに辛苦に満ちた人生を背負いつつ、静謐なふれあいに導かれていく様子を綴ります。
なるほど、ノーベル賞を受賞するのは、こういう世界を描く作家なんですねえ。 受賞理由は 「歴…




箱根駅伝で優勝した青山学院の選手たちの明るさが印象に残っていたのと、上がり症の克服にはスポーツ心理学が役にたつという話を耳にしたことから、興味をひかれて手に取りました。
印象に残った点を挙げます。 「明るい=雰囲気のいい」チームに見られる7つの特徴 ・個々の…

2024年10月~12月にEテレで放送された番組のテキスト。61歳ビジネスマンの石丸氏と、63歳アナウンサーの寺田理恵子さんが、12週目には本当に街ピアノ・デビューを果たす姿は感動的でした。
放送開始直後は、どの書店でも売り切れになるほどの人気テキストだったとのこと。 我が家では、なぜか夫…




犯人を追う警官にも多様な専門職があり、タッグを組む仲間との人間関係、さらには家庭との両立に苦慮しながら生きているんだなあ…としみじみ。
久々に読んだ乃南アサ、それも警察本。 なかなか楽しめました。 中心となる人物は、女性警官二人…




「アーモンド」は、脳の偏桃体の象徴。ここの委縮により、感情が欠落したと診断された少年の独白で、ストーリーは進みます。
全体を読み終えての正直な感想は、 ああ、韓国ドラマの手法を詰め込んだみたいな小説だったな……でした…





スケール感に圧倒されました。30年の月日を経て、ダブル誘拐の真実を暴く……というより、1990年ごろの画壇の闇を暴きつつ、犯罪とは何かを問いかける小説です。
インフルエンザ罹患中に、読みました。 図書館の返却期限ギリギリでもあったので。 最初の「ダブ…




南部鉄器職人の工房が主な舞台。テーマは芸術追求? 技術継承?……と思いきや、補導委託という制度を通して、家族のありようを考えさせる小説でした。
工房で働く人々が、いいです。 それぞれキャラが立っていて、全体としてハーモニーを醸し出していながら…





事情があり、最先端の医療機関から町の小さな医院へと移った凄腕の医者……典型的な設定ですが、主人公を取り巻く人々や状況に真実味があって、読ませます。温かいムードがうれしい作品。
タイトルの「スピノザ」とは、あの有名な哲学者のこと。 その診療室とは? と思って読み始めましたが…





そば屋の求人票には「鳥の世話」少しとの記載も。その「鳥」が、水車でそば粉を挽く際の重要任務を担う「ネネ」。ネネを見守ることになった二姉妹をめぐる、心温まる人生ストーリー。
485ページに及ぶ大作です。 でも、わくわくと、あっという間に読み切ってしまいました。 この「惹…




京王線沿線の戸建住宅に住む高梨家の一人娘、真奈の婚約相手は、裕福な家庭出身のイケメン渡辺優吾。あるべき金銭感覚とは?人生設計とは?先が気になって、どんどん読めますが、ちょっと違和感も。
裕福なるぼんぼん、優吾の両親の呼び名が 母は、マルコ 父は、カンカン 優吾自身が、こう呼んでい…




いわゆる「酒鬼薔薇事件」の犯人の手記です。9年も前の本ですが、ピアニストの藤田真央君が、印象深かった本として挙げていたことから、興味を惹かれて読んでみました。
9年前の出版で、21歳なのか。。。というのが最初に思ったこと。 猟奇的な内容だったりしたら、 …





80代にして左手のピアニストとして活躍を続ける舘野泉のルーツ、若き日々、そして現在までを丁寧に描く本。フィンランド語で出版されたものの翻訳です。
つい最近、舘野氏の奥様が亡くなられたというニュースに接した気がしたのですが、 やはり「監修を終えて…


太り気味の黒いラブラトル・レトリバーのランドルフが、失踪した女主人イモージェンを、その恋人ハリーとともに追うシリーズの3冊目。
前作で、「次回で活躍するのでは」と考えた、ハリーの姪っ子は影も形もありません。 イモージェンが…



黒いラブラドールレトリバーのランドルフ。彼の元々の飼い主で失踪中のイモージェンに、なんと殺人罪の嫌疑が。イモージェンの恋人・ハリーの手元から別の男に貸し出されたランドルフの活躍開始です。
何やら、突然に話のスケールが大きくなりました。 ランドルフが貸し出された相手は、ニア・アッパー・ビ…




メタボな大型犬ランドルフのご主人・若き画家のハリーは、恋人が失踪して以来、すっかり意気消沈。そんな二人(一人と一匹)は、有名作家が降霊会会場のトイレで頓死する事件現場に居合わせて……。
わたくし、現実の日常生活でストレスまみれになってしまったので(委細省略)、 気楽なものが妙に読みた…





登場する女性政治家、支える女性秘書、女性記者たちが魅力的。わくわくしながらページをめくっていけます。ああ、現実の世にも彼女たちを!
冒頭から、びっくり。 女に生まれてごめんなさい。 お父さん、お母さん、迷わくをかけました。 …




え?死んだクラスメイト・山田の声が教室のスピーカーから……。クラスメイトが卒業したら、山田の声はどうなる?
物語の性格というか、意図するところが最初は読めなくて、あたふたしました。 「え?山田の声って、…




防衛大学校の学生の日常を、面白おかしく暴露する本。読みやすいです。
防衛大学校とは、ちょっとした関わりがあるので、わくわくと手に取りました。 学生たちは全員が、学…



殺された美しい修道女と、行方不明の彼女の甥。プロットはよくできていると思いますが、読み手側にかなりの体力と意欲が求められます。
うーん、マロリーの個性(高級ファッションで身を固めた、めっちゃ頭脳明晰な完全美女で、コミュ障)が、前…

直木賞受賞作。なるほど、世相を反映した意欲作です。
一穂ミチの作品は、 『スモールワールド 』 そして、 『光のとこににいてね』 と読みましたが、や…