ゴッホのあしあと




 
  

パリ、アルル、プロヴァンス、オーヴェルと4年間のゴッホの足あとを巡る「たゆたえども沈まず」副読本。兄弟のお墓を包むガシェ医師の木蔦。花言葉は「分かちがたい魂」。温かい繋がりに胸が熱くなった。
ゴッホの人生を辿りながら、パリ、アルル、プロヴァンス、オーヴェルと作品を生み出した4年間の足あとを巡…

					本が好き! 1級
					書評数:604 件
					得票数:10215 票
					
ジャンル問わず、読みたい本を
雑多に読んでいます。
共通の、また新しい世界を
一緒に楽しめたら幸せです。
よろしくお願いします。




 
  

パリ、アルル、プロヴァンス、オーヴェルと4年間のゴッホの足あとを巡る「たゆたえども沈まず」副読本。兄弟のお墓を包むガシェ医師の木蔦。花言葉は「分かちがたい魂」。温かい繋がりに胸が熱くなった。
ゴッホの人生を辿りながら、パリ、アルル、プロヴァンス、オーヴェルと作品を生み出した4年間の足あとを巡…



 
  

魂の双子のように人生を歩んだフィンセントとテオ。愛情故にもがき苦しんだ兄弟の史実に、実在の人物と架空の人物を絶妙な匙加減で混ぜ合わせながらテオの視点で描いていく物語。不器用な生き方が切なく愛おしい。
魂の双子のように人生を歩んだフィンセントとテオ。その愛情故にもがき苦しんだファン・ゴッホ兄弟の史実に…




 
  
![本の雑誌風雲録[新装改訂版]](https://m.media-amazon.com/images/I/51m+cMIpTXL._SL160_.jpg)
「本の雑誌」立ち上げから10年間の怒涛の日々が綴られた、愛おしい風雲録。
「毎日会社に行くと本が読めなくなるから」という理由で入社した会社を3日で辞めるを繰り返していた日々が…



 
  

ナーサリーライムには似合わない歌も多いけれど、なぞなぞや定番の童謡など巻末には原詩も収録されているので、マザーグースそのものの語感や押韻も楽しめる。「森は暗く 草は緑」マザーグースは大人にこそよく効く
リジー・ボーデンの歌を探していて辿り着いた本書。 ナーサリーライムには似合わない暗く恐ろしい歌…




 
  

「リジー・ボーデンは斧で母を40回、父を41回打った」マザーグースでひと際仄暗い色を放つ歌が葬送曲のように包み込むタラニス屋敷の怪異譚。死の祝福から逃げ出し竈で焼かれたメリッサが死者の間からやって来る
「リジー・ボーデンは斧で母を40回、父を41回打った」マザーグースの中でもひと際仄暗い色を放つ、リジ…




 
  

不機嫌な少女を最高にチャーミングに描く宇野さんと、淡く甘く細部にわたって施された江國さんの演出に導かれる世界は不穏さと軽やかさのバランスが抜群。一枚の絵から想像させる連続性のある視点の奥行も圧巻
この物語の出版物の中で一番お気に入りの本書。不機嫌な少女を最高にチャーミングに描く宇野さんと、端正で…




 
  

主人公は殺人未遂のお姫様。真実の愛で魔法が解けるなんてグリムは1812年にして許さない。「少女」という正体をグリムはなぜ正確に理解していたのか。ファンタジー文脈、文学的文脈どちらも良い二度美味しい物語
子供の頃に読んだ記憶は魔法で蛙にされている王子様がラストでお姫様にキスをされて元の姿に戻ってめでたし…



 
  

人種、性別、あらゆる物事への差別偏見のメタファーとして今こそ沢山の人の胸を打つ物語
何よりも財産を眺めることが大好きな王様と、何よりも綺麗なドレスが大好きなお妃様は満たされた生活をしな…




 
  

生にも死にも固執することなくつるりと全てを消すようなスワの最期は、哀しい物語でありながら瑞々しい筆致が死を輝かせる。ねこ助さんの耽美で陰影礼賛な世界が蠱惑的に彼岸の境界線を揺らす傑作。
本州北端にある寒村に住む少女スワとその父親。山の裏には十丈近くの滝があり、紅葉の季節には町から遊びに…




 
  

嫌悪する内容を沢山含みながらも読むことを止めさせない美しく硬質で圧倒的な文章の魅力と、ここまで赤裸々に魂の独白を書ける凄み。人の業を余すことなく書き出し人生の深い苦しみに寄り添う西村文学に魅せられる。
明治時代の作家・藤澤清造の歿後弟子を名乗り、深い尊敬を寄せた西村賢太。ガラスケースに入れた清造の墓標…


 
  

「僕の全財産は、僕を殺した犯人に譲る」と遺し元カレが亡くなった。共通の友人から警察に捕まらず遺産を手にしたいと相談を受け「あなたを犯人にしてあげる」と請け負う麗子の前代未聞遺産バトルミステリー。
大手弁護士事務所に勤務する剣持麗子。「何が何でも欲しいものは欲しい」と云って憚らず、世間一般の平均的…




 
  

年に一度くらいの間隔で畳に人の型が炙り出される事故物件で繰り広げられる人生の哀しみと可笑しみを一枚の絵にねじ伏せるような一穂さんの見事な人生礼賛。「ひとり」という孤独ではない一人称単数に光が満ちていた
偶然の出会いから芸人さんたちと事故物件で共同生活をすることになった受付嬢の美雨。受付の仕事は全員契約…




 
  

警察×怪異の新シリーズ!警察内部でも極秘の部署であり、任務も勿論速やかに、極秘裏に。警視庁の地下に眠る怪異の根源には何が隠され、守られているのか。「闇を進むには光が必要」射した光の先に期待が膨らむ。
「時が来る…その時が来るぞ…」 警察×怪異の新シリーズ、それは現時点での最早集大成的な作品!?…




 
  

<To be, or not to be>純粋さを手放すことで生き延びる逞しい人間にシェイクスピアは優しすぎる。
【でもどうか忘れないでいただきたいのは(中略)わたしたちは嘘を理解するようには作られていないのです……




 
  

本への抗えない想いを持つ人の性癖を確実に突いてくる魅惑のアンソロジー。
【書痴】読書ばかりしていて、他を顧みない人。書物の収集に熱中している人。 あまり好意的な意味合…




 
  
絶望と優しさを両手に抱え短い生涯の中生まれた言葉たちはカステーラのように明るい夜となり心を灯す。『太陽には魚のようにまぶたがない』決して閉じることのない世界に希望と絶望どちらを重ね合わせたのだろうか。
ぽつりぽつりと零れる言葉たちからあっという間に情景が立ち昇り、余白に宿る静かな想いは、時に傷つき、時…




 
  

人の心の歪さにさえ光を注ぎ続ける、これ程までに美しく一途な温もりを私は知らない。
病弱な少女ジョジーと優れた人工知能を搭載した<AF>であるクララが出会うことから始まる物語。オールタ…




 
  

優しさも苦さも過不足なく描かれる物語はカポーティのクリスマス・ストーリーのようなほろ苦さが味わい深く、甘さと感傷を上乗せしない何気ない日常の中でほんの少し交差する人生の一端が愛おしい。
クリスマスを題材に短篇を書くことになったオースター。自分はクリスマスの一体何を知り、何が書けるという…




 
  

緩やかに環を作る六つの連作短篇。世界の全てが鮮やかだった幼少期を思い起こす時に感じる普遍の祝祭性が全ての短篇に宿り、国も時代も違っていても懐かしい心象風景がそこここに点在していた。
中庭を有するアパートに住まう子供たちの話が緩やかに環を作る六つの連作短篇。 孤児となった姉妹が…




 
  

パン屋のレジから男の人の手に渡るところから始まる旅する十円玉のお話。人の営みの幸せな循環を力強く伸びやかに描く牧野さんの線の全てが心地よく、ささやかな日常に滲む日溜まりのような優しさに心安らいだ。
パン屋のレジからおつりとして男の人の手に渡るところから始まる旅する十円玉のお話。 鞄の中で揺ら…