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吉田あや

吉田あや さん

本が好き! 1級
書評数:604 件
得票数:10215 票

ジャンル問わず、読みたい本を
雑多に読んでいます。

共通の、また新しい世界を
一緒に楽しめたら幸せです。

よろしくお願いします。

書評 4ページ目(604件中 61~80件目)

子供は怖い夢を見る

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子供は怖い夢を見る

新興宗教の教団内部でネグレクト児として育った少年と、半永久の命という呪われた孤独の運命を背負う少年が出会い「未来」が生まれる。苦しみの果てでそれぞれが導き出す想いが結ぶ光は、震える程切なく眩しかった。

8歳の航とお腹にもうすぐ生まれる命を抱えて、母は父に捨てられた。途方に暮れ、行く当てもなく呆然と子供…

投票(20コメント(0)2021-11-24

テスカトリポカ

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テスカトリポカ

メキシコ北東部、麻薬二大勢力の戦争を発端に臓器売買の背後にある世界を容赦なく描く。悍ましい世界の理を描きながらも、ラストまで一気に惹き込み牽引していく佐藤さんの文学への熱量と誠実さにも心打たれた。

メキシコ北東部で始まった麻薬二大勢力の戦争。20年来続く「ロス・カサソラス」と新興勢力「ドゴ・カルテ…

投票(22コメント(0)2021-11-14

パッセンジャー

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パッセンジャー

階段の下で夫が死んでいた。殺してもいない旦那の死体発見現場から逃亡するのはなぜなのか。疑って、疑って、転がされて、迷走する。「無実」とは何か。人間は無実のまま生涯を終えるには欲望が勝りすぎる。

ある日、階段の下で夫が死んでいた。人工呼吸を試みるも完全に死んでいる事が分かり「お別れにはいいタイミ…

投票(21コメント(0)2021-10-21

私のおばあちゃんへ

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私のおばあちゃんへ

人気女性作家6人によるアンソロジー。牧歌的なあばあちゃんは誰一人存在せず、甘くない現実を生きる姿に自らの祖母の姿を重ね、不安だらけの未来ではあれどしっかり生きようと背中に温かい強さを灯してもらった。

ユン・ソンヒ、ペク・スリン、カン・ファギル、ソン・ボミ、チェ・ウンミ、ソン・ウォンピョン、人気女性作…

投票(20コメント(0)2021-10-05

ギリシャ語の時間 (韓国文学のオクリモノ)

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ギリシャ語の時間 (韓国文学のオクリモノ)

視力を失いゆく男性と、言葉を失った女性が古典ギリシャ語を通し、言語を越えた場所で出会う「生きる」という事の絶望に射す光を描いた物語。温かな静寂は生まれ直すような柔らかさに満ちていた。

「我々の間に剣があったね」。 ボルヘスを象るように少しずつ視力を失いゆく世界に生きる男性と、飽…

投票(18コメント(0)2021-10-04

ペローの青ひげ (講談社の翻訳絵本)

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ペローの青ひげ (講談社の翻訳絵本)

幾度の婚姻歴はあるが奥方たちは一人としてその後の行方が分からない青髭公の館。人を試すことは愚かであり、人の真実は時として不幸を招く。愛の難しさが短い物語の中に濃密に内包され、読む程に心惹かれてやまない

世界絵本原画展グランプリ受賞作。とてもお金持ちであるが不幸なことに青いヒゲを蓄えているが故に、娘たち…

投票(17コメント(0)2021-09-28

古典の森へ―田辺聖子の誘う

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古典の森へ―田辺聖子の誘う

お聖さんが古典の周辺を日常に取り込み、楽しくおしゃべりするようにその入り口へと導いてくれる幸せな古典の手引書。流麗で情緒豊かな言の葉の響きとリズムが深い感慨を呼び、心情を表す美しい表現に感動を覚える

お聖さんが古典の周辺を日常次元の中に取り込み、楽しくおしゃべりするようにその入り口へと導いてくれる幸…

投票(16コメント(0)2021-09-11

ひきこもり図書館 部屋から出られない人のための12の物語

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ひきこもり図書館 部屋から出られない人のための12の物語

作家陣は勿論、収められた話のチョイスや並びの全てから編者の愛情が伝わる最高のアンソロジー。引き籠りと言ってもそれぞれに理由も表現もあり、広がりゆく閉じられた色とりどりの小宇宙事情が愉しい。

ひきこもりを肯定するのでも否定するのでもなく、ひきこもることで起きる変化や気付きを描いた文学を集めた…

投票(23コメント(0)2021-09-08

貝に続く場所にて

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貝に続く場所にて

歴史の痕が色濃く残り、時間の縫い目が目立たないドイツにある学術都市ゲッティンゲン。沢山のモチーフが折り重なりながらも破綻することなくやがてひとつの消失点へと集約されていく光景が切なく美しい。

ドイツにある学術都市ゲッティンゲン。歴史の痕が色濃く残り、時間の縫い目が目立たない街に、震災で行方不…

投票(20コメント(0)2021-09-05

オトラント城綺譚 (1975年)

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オトラント城綺譚 (1975年)

シェイクスピアの悲劇のように舞台は色鮮やかに浮かび上がり、大鳥毛付きの大兜で圧死した王子の赤い鮮血が恐ろしくも物悲しい終焉までを導くレッドカーペットのようにも見えてくる。古色蒼然としたゴシック文学。

遠い昔に宣下されたお告げにより、静かにも禍々しく幕を開けるオトラント城での古色蒼然としたゴシック文学…

投票(20コメント(0)2021-09-01
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