よみがえる古代の港: 古地形を復元する
古地形の復元で古代の港がよみがえる。外の世界への窓である港から、どこへ向けて人々は旅立ったのか。ロマンをかきたてられる歴史書です。
海から遠く離れた場所や、およそ港とは関係のなさそうな地にも、港を意味する「津」の字がついた地名が存…
本が好き! 1級
書評数:280 件
得票数:3479 票
高校の国語教員。現代文専門。教科書や問題集の編集にも関わっている関係で、大学入試に出そうな本、問題化できるような文章を意識して読むこと多し。個人的な好みで、トルコやロシアについての本も多く読みます。
古地形の復元で古代の港がよみがえる。外の世界への窓である港から、どこへ向けて人々は旅立ったのか。ロマンをかきたてられる歴史書です。
海から遠く離れた場所や、およそ港とは関係のなさそうな地にも、港を意味する「津」の字がついた地名が存…
科学と科学、科学と人々の間の風通しを良くした生命科学者の軌跡
生命科学者でありJT生命誌研究館館長である中村桂子が、1990年代末以降に新聞等に発表した文章を集…
ギャンブルは他者が介在してこそ人間臭く奥深い。
ギャンブルで損をしない唯一の方法は参加しないこと、という至言がありますが、それでもついついはまって…
信長さえ誑かす秀吉の、熱くたぎる青春
半年ほど前、同著者の『完本信長私記』を絶賛した。織田信長という策略に長けた「悪いヤツ」は花村萬月と…
初めてだけど懐かしい横丁の、魅力と魔力と吸引力。
「スナック酔花」「焼き鳥 戎」「ホルモン焼肉 味楽来」「カラオケ ララ」--表紙から口絵に至る写真…
ゴッホとその弟テオ、彼らとつながる日本人画商を巡る物語。時代と街に、そして世界に挑む人。
主な登場人物は、フィンセント・ヴァン・ゴッホとその弟でパリの老舗画廊に勤めるテオ、そして、同じくパ…
歴史「を」学ぶか、歴史「に」学ぶか。どちらでもいいけれど、結局、ボロ儲けしたり大損こいたりした国や企業の話。
本書の目的は、歴史的事例の紹介そのものではない。だから、本書はローマ史でもなく、大航海史でもなく…
「温室育ち」はイヤだ!「雑草」と言われたい!
哲学者、和辻哲郎はヨーロッパ留学中に、「ヨーロッパには雑草がない」と驚いた。しかし、一方で明治時…
イクラとキャビアとチョウザメの歴史と今。特に、ロシア人とキャビアの深い関係。
ボルガ川がカスピ海に注ぐ三角州に位置するロシアのアストラハンは、いつか訪れてみたい街の1つです。ア…
人と自然と鉄道と。地図上の線路は、自然へ向けた人の営み。
「オタク」や「鉄ちゃん」は自称しませんが、地図が好きです、鉄道も好きです、今尾恵介氏の著作に惹かれ…
60歳からの、ゼロからの、スペイン語修行。言葉の「赤ん坊」として赴いたメキシコ滞在記は、自虐ネタが心地よい。
アメリカ文学の翻訳者である筆者が、近頃のアメリカ文学の中にスペイン語が多く混じることに気づき、一念…
安易な死刑反対論の誤謬と死刑肯定論の矛盾を衝き、国家権力の行為としてみることで死刑制度の本質をつかむ。
「死刑の賛否とその根拠」を問うと、だいたい以下のどれかに収まります。 死刑賛成--A 凶悪…
アイデンティティがないのがアイデンティティ。つかみどころのないベラルーシのつかみどころは「美人の国」か。
明石書店の「エリアスタディーズ」は、もう158冊になるのですね。こんな所までと思う国や地域の個性が…
私たちが好きな豚肉、牛肉。食肉を巡る日本とアメリカ・中国の不都合な事実をえぐる。怒りがにじむ筆致は陰謀論に近い。
TPPに関する議論が喧しかった頃、ペリーの来航を想起した。日本の開国と市場開放を迫ったペリー以来、…
ゴーストが登場する短編7本。怖ろしいのはゴーストではなく、ゴーストを生んだ日本の過去・現在・未来。畏るべきは中島京子の筆力。
1本目「原宿の家」 原宿の路地奥の家で男が出会った少女、愛を交わしたその家に住む女、彼女たちを幽…
文化遺産は人類共有の宝--というのは建前で、その所有と保存には様々な思惑が絡みます。特に複雑な事情を持つトルコの遺跡出土品の行方を検証し、文化遺産という概念を問い直します。
「文化遺産は誰のもの?」と問われたら、どう答えるでしょう。「世界中の人びとが過去から引継ぎ、未来へ…
北方アニキ! ぶれない遊び心が半端なくすごいっす。
北方謙三はアニキである。これほどキャラが立つ作家は少ない。時おりその濃い世界にはまりたくなるが、ち…
真面目に遊んだ進化発生学者による怪獣の博物誌。徹底的に役に立たない奇想の書である点が素晴らしい。
進化形態学と比較発生学の専門家で、理化学研究所主任研究員である筆者が、ゴジラをはじめとする怪獣たち…
「それってフランスの話だろ?」--「そりゃそうですけど、日本もどうにかするべきじゃありませんか?」
フランスでも「シャッター通り」の危機がありましたが、息の長い対策により街の賑わいを取り戻しました。…
オスマン帝国にも塩野七生がほしい!
ヨーロッパから見れば「遅れた」アラブ地域が、これもヨーロッパ的には「旧態依然」たるオスマン帝国の領…