お笑い芸人の言語学: テレビから読み解く「ことば」の空間
テレビの中で「生活のことば」を語るという革命
昭和末期のテレビ番組表が掲載されています。報道の基本としてのニュース以外に、当時はドラマが隆盛で歌…
本が好き! 1級
書評数:280 件
得票数:3479 票
高校の国語教員。現代文専門。教科書や問題集の編集にも関わっている関係で、大学入試に出そうな本、問題化できるような文章を意識して読むこと多し。個人的な好みで、トルコやロシアについての本も多く読みます。
テレビの中で「生活のことば」を語るという革命
昭和末期のテレビ番組表が掲載されています。報道の基本としてのニュース以外に、当時はドラマが隆盛で歌…
作家の名人芸と筆者の工夫。文学の練られた文章を深く読むための文章読本。
序章の一節で、筆者はいきなりハードルを上げる。 どんなにすばらしい理論であろうと、それを展開する…
「このワインは、カシューナッツとカカオの芳香。それに分厚い黒い果物、うーんトリュフもあるな」って、そういうことじゃなくて、ただ味覚を言葉にしたいだけなんです。
タイトルに惹かれました。「豊かな人生」でなく「美味しいの言い換え方」の方です。 人間が視覚…
こんなにも多様で楽しい世界の文字。その知識で遊ぶ「非生産性」が素晴らしい。
中学2年のときに自分で文字を作ったという筆者、その文字で書いたノートが自分でも読めなくなったとぼや…
西洋近代哲学の根っこから日本語文法までを再検討。西欧が求めた「客観」や「論理」を突き崩すのは、日本語が示す「情緒」。
まずは、デカルトを否定する 「われ思う、ゆえにわれあり」のデカルトは、全てを疑いつつ思考する…
新語は社会を掬いとる。新語によって世界の見え方が変わる。「社会記号」研究には、マーケティング分野にとどまらない広がりがあります。
「社会記号」とは、その時々の社会や人々の動向を的確に切り取り、マスコミを通じて広く知られるようにな…
黒田龍之助の新刊1-ロシア語学校の歴史と、見返りのない語学学習のよろこび
黒田龍之助の言語エッセイが2冊続けて刊行された。スラブ系諸語を専門に、言語学や外国語学習を楽しく語…
黒田龍之助の新刊2-外国語学習に会話よりも物語を
黒田龍之助の新刊語学エッセイの2冊目。こちらは既にタイトルに彼の思いが詰まっている。本書の「はじめ…
理不尽さに逆上せず、スラヴ語文法を解説する試み。
スラブ語学者の黒田龍之助だったか、こんなことを書いていた。「外語大の大部分の学科では1年間で文法を…
60歳からの、ゼロからの、スペイン語修行。言葉の「赤ん坊」として赴いたメキシコ滞在記は、自虐ネタが心地よい。
アメリカ文学の翻訳者である筆者が、近頃のアメリカ文学の中にスペイン語が多く混じることに気づき、一念…
メニューの言葉遣いから見えるレストランの高級度。レビューの評価に表れる言語の特性。食品のつながりは世界のつながり。--食べ物にまつわる言語学というユニークな視点。
前半は、ネット上にあるレストランの感想やメニューを詳細に分析する。味ではなく、あくまで言語としての…
「懐かしすぎる温泉」は、誉め言葉? けなし言葉? 「〇〇すぎる」の変な使い方が多すぎて気になりすぎる。
若い人たちのInstagramやfacebook上のコメントには、肯定的評価を強調する「〇〇すぎる…
地名の「ゆるキャラ化」を批判したと思いきや、話題は明治へ、江戸へ。さらに縄文・弥生へ。日本人と地名のつながりを探る。
お住まいの方には申し訳ありませんが「江別市豊幌はみんぐ町」「長崎市エミネント葉山町」「米沢市アルカ…
辞書編纂を職業とする筆者が語る国語辞典のこれから。
筆者は『三省堂国語辞典』の編集委員で『辞書を編む』の著作もある。そういう人物だから紙の辞書への思い…
「すくすく育つ」と「くすくす笑う」--「ク」と「ス」が入れ替わっただけで、なぜ意味が異なるのか。他の語種とは異なるオノマトペ(擬音語・擬態語)のユニークさ。
序のあと8編の研究報告があり、どれも興味深い。以下、私の関心→本書の内容→感想の順でまとめる…
豊かに広がる東アジアの少数言語の世界
新しい言語を学ぶときは、いつも白水社のエクスプレス・シリーズを使ってきた。当面、外国語を増やす予定…
ЯやЖはどのように作られたのか
ЯやЖなど独特の字体を持つロシアのキリル文字は、9世紀にある兄弟によって作られた。東西に別れたローマ…