蟹塚縁起



名主の馬鹿息子から救ってもらった蟹の恩返しが空回りしすぎである。鶴嫁は大切にされたが、蟹嫁は返品されてしまった。前世からの格差が解消されないどころか、ますます拡大している点が不満である。

本が好き! 1級
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名主の馬鹿息子から救ってもらった蟹の恩返しが空回りしすぎである。鶴嫁は大切にされたが、蟹嫁は返品されてしまった。前世からの格差が解消されないどころか、ますます拡大している点が不満である。




猟奇的で幻想的で美しくて気持ち悪い話が多かった。『新耳袋』に入りそうな怪談から、オカルト方向に走る旧日本軍の話や、中世の黒魔術で美しい人形にされてしまう話まで、色々と入っている。



美女過ぎて逆に不幸になる人の悲劇を描いている。近づいた男がいきなり狂い出すから、絶対にサキュバス系の変なフェロモンが出ているはず。ちなみに美女ではなく凡庸な顔の美術学生が主人公である。全10巻完結。




ドールハウスみたいな家がたくさん出て来るけど、全て本物の家である。リゾート施設もあるが、現地の人が住んでいる家もたくさん紹介されている。日本でパステルカラーや原色の街並みにするのは難しそうだ。



前作で破壊した空間アンカーが甦り、またしても多次元地球がごちゃ混ぜになってしまった。このままでは世界が消滅してしまうのだが、主人公が中和装置の警護担当だから盛り上がりに欠ける。



時空混在現象で、本来交わるはずのない平行世界が融合してしまった。教師が鰤だったり同級生が百足だったりするおかしな世界を、ヘタレな少年が救う事になってしまう。第8回角川学園小説大賞奨励賞受賞作。





一読しただけだと、ただの恋愛物に見えるが、メタ視点が取り入れられている。語られる物語の時系列とは別に、実際に描かれる順番で、未来が過去を改変したりしている。



イケメンや上級貴族の手厚いサポートを受けながら貴族となり、王族相手にフラグを立ててしまう。おっさんが異世界に飛ばされた場合は、何度も死にそうな目に遭うのに、美女だとイージーモードすぎるではないか。



異世界に飛ばされるというのに、特に能力も付与されず、持ち込み品もトマトの苗だけというのが微妙である。しかし、美女が飛ばされる場合は異世界イケメンの手厚いサポートが得られるので、特に問題はなかった。



吉田修一のデビュー作。そして安定のホモ出現率。なんで吉田修一の小説にはホモがたくさん出るのか。第84回文學界新人賞受賞作。第117回芥川賞候補作「最後の息子」、第118回芥川賞候補作「破片」収録。




映画『学校の怪談』の小説版なので、お子様向けな内容になっている。ホラーよりもエンタメ方向に傾いているので怖くはない。買った時よりも表紙が良くなっている点は不満である。


ライトノベルでホラーという点と表紙に釣られてしまったのだが、学校の行事でおかしな村に連れて来られて、超常現象に巻き込まれて死んでいくというのが微妙すぎる。表紙とイラストだけは良かったのだが。




主人公が自分語りを始めるのだが、読者まで自分語りを始めたくなる作品である。ミステリーやSFで自分語りを始める人はあまりいないのに、なんで村上春樹だと自分語りを始める人がたくさんいるのだろうか。



中身は女なのに、男の身体で産まれて来た椿姫彩菜の自伝的エッセイになっている。男子校出身で女子大生(当時)という部分に興味を持ったのだが、予想以上に重い性同一性障害の話になっていた。

3冊も使って、本編の大阪編に毛が生えた程度にしか増量されていない。しかも、無駄に高い。これを定価で買ってしまった人は、絶望先生以上に絶望したはずである。全3巻完結。



ネガティブ主人公が平行世界に行ってしまうのだが、その世界では何もかもが上手く行っているように思えてくる。自分の存在こそがボトルネックであると思い込むのだが、あえてイヤミスにする必要はあったのだろうか。



男の娘主人公が、何故か虐め対策で女装するが、当然効果は無くて虐められる。謎のデバイスで戦闘美少女になってしまい、銃姫同士の戦いに巻き込まれるのだが、未回収の伏線だらけで終わってしまった。



ちょっと『To Heart2』っぽい赤セーラー服の表紙に釣られてしまったのだが、物凄くおバカな話で何とも言えない。




イヤミスだけど、何の落ち度も無い人間が、偶々、人生の立ち位置が悪かっただけで酷い目に遭う話ではなくて、復讐劇となっているので、それほどイヤな話ではなかった。




影木栄貴だけど、非BL作品になっている。主人公の大関新が一人暮らしする事になった雑草館に住む人々には秘密があった。開かずの間を覗いてしまった大関新は、みんなの秘密を知ってしまった事で……。