何故詩人は死ぬことになったのか。何故詩を書くのか。詩と死は関連するのか。何故に満たされた物語の中で、僕は何故死を追うのか。ミステリらしくない物語は、ミステリでしか書き得ない物語でした。

SNSのコミュニティ「現代詩人卵の会」のオフ会に集まった９人。１０年後の再会を約束し集まった時に、そ…

雑木林の中のボロ家で出会ったローシと訳ありの子どもたち。カズキはそこで過ごすことで、本当の自分を見付けることになる。

夏休みに引っ越し先の近くの雑木林でセミ取りの少年と出会ったカズキは、少年に誘われるままに林の奥のボロ…

「高校生ボランティア・アワード」で紹介された、高校生たちの活動をまとめた本。自分たちが興味のある活動や技術が、社会と繋がることで誰かの助けにもなる。それこそがボランティアの形でしょう。

「高校生ボランティア・アワード」で紹介された、高校生たちの活動をまとめた本。 ボランティアとい…

願かけに行った帰りに事故で死んだコースケは、その願いをかなえるために現世に戻ってくる。残された時間は127時間44分！？　がんばる中学生へのエールを感じる物語。

願かけに行った帰りに事故で死んだコースケは、その願いをかなえるために現世に戻ってくる。残された時間は…

少年時代を過ごした町に戻ってきたクラウス。親友との思い出の時計台。そこで起こった不思議。静かな語り口で紡がれるため、不思議な出来事が自然と心に沁み込む。感情を高めずに感情豊かに書かれる親友への想い。

聴き屋という設定がまず面白い。つい語りかけたくなる人。話を聴いてもらえる人。１話ではそれが解決への糸口となる。面白いと思ったら２話以降全く違う趣向となる驚き。しかもどれもミステリとして面白い。すごい。

現代アメリカに甦るギリシャ神話。神の子だと告げられたパーシーは、神託を受け仲間と冒険の旅に出る。面白い要素を面白く読ませる、さすがは人気作と思わせる作品。

アメリカの寄宿学校に通うパーシーは、校外授業で訪れた美術館で怪物に襲われる。自分がギリシャ神話の神々…

風景を愛する高校生の咲丘が入部したのは「丘研」。その代表は世界征服を唱え、日々活動しているのだった。人物も設定も何もかもが思い切りよく振り切られ、インパクトで納得させられる物語。

神楽咲高校に入学した咲丘は、「丘研」の入部案内を見てこれこそ風景をこよなく愛する自分のための部活だと…

海で溺死した１６歳のセスは幼少期に過ごした家で目覚める。しかし人は誰もおらず、世界は荒廃していた。ここがどこなのか何が起こっているかもわからない。明かされたと思った謎と闇の向こうにまだなにかある。

冷たい海で溺死したセスは、気付けば幼少時に住んでいた家で目が覚める。しかし他には人は誰もおらず、家の…

探偵養成学校、学園裁判、連続密室爆破事件。ハッタリとケレンミで展開され、推理と理屈で相手と対決する。少年まんが、バトルまんがのような熱さを持つミステリ作品。

ミステリの骨格に少年まんがの肉付けをしたような作品。それもバトルまんがと呼ばれるもののノリがあります…

高校のうた部に強引に勧誘された桃子。しかし幼なじみで不登校となった綾子と、高校では友達を作らないと約束していたのだった。短歌の魅力と女子高生の友情が融合された物語。

桃子は高校のうた部に強引に勧誘される。短歌で気持ちや情景をうたうことや、先輩たちに心惹かれる。しかし…

３秒だけ未来に跳ぶ幼なじみ。彼女と過ごした最後の夏。SFと青春ものは親和性が高い。そのことを改めて思い知らされる。

SFと青春ものの親和性は高い。そのことを改めて思い知らされました。 ３秒だけ未来に跳ぶ幼なじみ…

愛のない母と義父。自分を捨てたという父。アイリスは火を燃やすことで心の安寧をはかる。財産目当てに母に連れられた父の元で、アイリスは父の本当の姿を知る。しかし父の余命はわずかだった。

見た目の美しさばかりで愛のない母と義父の元で過ごすアイリス。アイリスにとって心を許せるのは偶然出逢っ…

曾祖父が木挽町で鮨屋を開いていた。そこからはじまる自分のルーツを辿るエッセイ。思考と現実と思い出と空想がないまぜになる、面白い読書体験でした。

吉田篤弘がつむぎ出す物語は、どこかにありそうでどこにもない雰囲気を携えている。そんな吉田篤弘による自…

バラバラに分断され、様々な方向から語られる物語。事件の真相はどこにあるのか。果たして何が起こっているのか。そしてブギーポップとは何者なのか。

今更ながらのブギーポップです。いや実は遥か昔に一度読んでいるのです。しかしその時は面白さがよくわから…

クールに生きていく、友だちはつくらない。そう決めた中学生の私。ある夜出会った不思議な女性に、何故か私は「タスケテ」と口にしていた。バランス良く生きられない人たちが踏み出す一歩。

ふとした切っ掛けで小学生の頃いじめられていた私は、中学に入った時に「クールに生きていく」、「友だちは…

廃工場に立てこもり、ここを解放区として大人たちに叛乱した中学生。実に80年代的な大人と子どもの対立構造の物語。それが時代を超え形を変え読み継がれているのは何故だろう。

何故か今の今まで読んでなかったのです。映画も見ていません。 1985年に刊行されたこの作品。様々な…

様々な要素が詰め込まれた豪華絢爛な本格ミステリ。クローズドサークルで起こった突飛な死は事故か？殺人か？　探偵とは何か、その問いの向こうにある絶望。

なんとまあ詰め込むだけ詰め込みましたというような、様々な要素てんこ盛りの本格ミステリでした。 …

実は初めての新海誠。実に青春。どうしようもない心に寄り添ってくれる物語。これが新海誠なのかと、その魅力に気付かされました。

実は初めての新海誠作品です。アニメでなく小説が初めてというのが、何ともかんとも。 物語はひとり…

「RPG風異世界冒険ファンタジー」を宮部みゆきが書くとこうなった！？　作者がゲームと映画の思い出を語りながら物語が進むという脅威の作品。全５巻一気読みしました。

宮部みゆきによる「RPG風異世界ファンタジー」。テレビゲームやSF映画のオマージュと愛に溢れ遊び心満…