バベル九朔



小説家で一本立ちできるまでの漂流時代は、不安と妄想が交錯する毎日
万城目さんは、大学卒業後、一般の会社に就職したが、退社し、おじさんが所有する東京のビルの管理人と…

本が好き! 1級
書評数:6246 件
得票数:92031 票
昔から活字中毒症。字さえあれば辞書でも見飽きないです。
年金暮らしになりましたので、毎日読書三昧です。一日2冊までを限度に読んでいます。
お金がないので、文庫、それも中古と情けない状態ですが、書評を掲載させて頂きます。よろしくお願いします。



小説家で一本立ちできるまでの漂流時代は、不安と妄想が交錯する毎日
万城目さんは、大学卒業後、一般の会社に就職したが、退社し、おじさんが所有する東京のビルの管理人と…



藤原正彦の妻、美子さんの書いたエッセイ集。25歳で亡くなった妹玲子さんとの思い出が、ジーンと迫ってくる
藤原正彦の妻美子さんが、藤原家に残されている品物を取り上げ、それにまつわる話をまとめたエッセイ集。…



いじめで自殺においやられる。その責任を問うことは本当に難しい
鎌田はこの本で言っているが、いじめは人間社会では無くすことはできない。自分のクラスはそういうことは…



自分の夢を追う人か、自分を捨てて愛してくれる人か、どちらが大切な人になるのか
それぞれ独立した作品が、最後テーマとなっているニューカレドニアで一つにまとまって、ハッピーエンドで…



ヒトラーをよみがえらせ、当時そのままのユダヤ人迫害をしゃべる。こんな小説がドイツで大ベストセラーになるとは。
全く理解できないのだが、この本2012年にヒトラーが率いて大悲劇を起こしたドイツで出版され240万…



戦後70年。眠っていたヒトラーが突然公園で目覚める
2011年8月30日。70年近い歳月を経て突然倒れていたヒトラーがベルリンの公園で目覚める。 …



果てしない海と星空から生まれる物語
作者ジュベルヴィエルは、フランスの宮沢賢治と言われる。物語は幻想的であくまで静謐。 水彩絵の具を…



人の一生は長さでその価値を判断してはならない。樋口一葉は、彼女の後に多くの女性作家を生んだ。短いが、充実した一生だった
瀬戸内寂聴による樋口一葉論。24歳という短い生涯しか生きることができなかった、樋口一葉を瀬戸内らし…



映画のノベライズ作品は、正直な気持ちになって、物語にはいりこむことが大切
中島美嘉の歌「雪の華」大好きで、よく聴いている。特に、木枯らしが吹いて冬に突入しようとしている時は…




名作「少女パレアナ」のエレナポーターが描く、女性としての生きる道
エレーナ・ポーターは何といっても1913年に出版された「少女パレアナ」が素晴らしかった。パレアナの…




どんなにどん底にいたって、夢をみるのは自由だ
ゴーリキーは早くに両親を亡くし、母方の祖父母に育てられた。しかし祖父の染め物業が破産して、11歳か…



…東洋医学のすばらしさを、自らの体験から描く
著者本多勝一は、右足の異常な痛みに苦しんでいた。かかりつけ医や、そこから紹介された一流病院を受診し…



浅間山荘事件についての朝日新聞の主張が異様だ
東大安田講堂闘争で敗れた過激派革命左派集団は、その後勢力はどんどん縮小し追い込まれ小さな集団に分裂…





戦前の高等学校。バンカラ学生の使う外国語はドイツ語だった
渡辺は本職は俳優だが、やっぱしテレビの「食いしん坊バンザイ」で、日本のあちこちを旅しレポートする。…



問題の本質が、いつのまにかその方法の是非にすりかえられていた
山崎豊子の作品は殆どすべて読んでいるのだけれど「運命の人」だけは読んでいない。 最初の一ページ目…





徹底的に下から社会をみる。そこから澄み切った文章が生まれる
南木佳士。私と同い年。「ダイヤモンドダスト」で芥川賞受賞。私の最も好きな作家の一人。 南木…



「山ガール」の師匠のきっぱりとした言葉に、曲がっていた背筋もまっすぐに伸びる
テツコとギフを中心にした連作短編集。 この作品はともに脚本家である和泉努と妻鹿年季子夫婦合作の作…



思春期になった男の子の関心は。女の子と自らの体の変化
私のような古い世代の人間には、羽田が扱っている思春期物語は、どうにもついてゆけない。 思春…



700万年前、人類の原型はアフリカで誕生した。それからのことは、どうしてとか疑問を持ってはいけない。遺跡があるかないかがすべて。
人類の歴史。人類の原型と言われる初期の猿人はアフリカで約700万年前に誕生した。そして猿人が420…



物語は生活保護費不正受給の実態を暴く
本のタイトルになっている「パレート」というのは、イタリアの経済学者パレートが発見した経済だけでなく…