ゼツメツ少年




重松お得意の「いじめ」「不登校」問題の作品の系譜なのですが、いつものようにほのぼのハッピーエンドというわけにはいきません。なんせ少年たちは「ゼツメツ」してしまうのですから…
語り部としてセンセイことこの物語を綴っている小説家が登場します。彼のもとに届いた「センセイ、僕たち…

本が好き! 1級
書評数:2290 件
得票数:30818 票
「本を褒めるときは大きな声で、貶すときはもっと大きな声で!!」を金科玉条とした塩味レビューがモットーでございます。




重松お得意の「いじめ」「不登校」問題の作品の系譜なのですが、いつものようにほのぼのハッピーエンドというわけにはいきません。なんせ少年たちは「ゼツメツ」してしまうのですから…
語り部としてセンセイことこの物語を綴っている小説家が登場します。彼のもとに届いた「センセイ、僕たち…





小児ではなく17歳の少女と、19歳の青年が相次いで誘拐されたというだけでも?なのに、犯人からの要求がそれぞれ殺人教唆と株券要求という連続事件。犯人は途中で予想がついたが、このオチの爽やかさは何だ!!
誘拐物の小説はたぶん書くのがむつかしいだろうなぁ。というのもそのパターンはほぼ出尽くした感があって、…

葉室麟がSF青春ファンタジー?まさかの設定に興味津々ですが、実は本作品は彼の初期の作品で未発表だったものを没後出品したものです。道理で出来が良くない。
都立高校三年生の加納浩太は、親友の志野舜、従妹の神代冬実、舜の彼女の柳井美樹と居合わせたところ雷に…


確かな取材力に裏付けされた真保さんの小説の作法が明かされるエッセイ及びインタビュー集。併載されていた小説「盗作・雪夜の操り人形」が一番良かった。
真保が自作の裏側を自ら語る内容で、彼の個人史と作家生活が興味深く語られています。映画化された「ホワ…





3人の異常性格者たちを克明に描きます。誰が殺人者で誰が被害者なのか?実はこの3人ばかりでなく、出てくる奴が変な奴ばかり、異常者たちが織りなす掴み切れないドラマです。
それぞれの章で描かれる登場人物の偏執的な思いや感情が気になって、どういう風に収拾をつけるのかが気に…




葉室さんは江戸時代の様々な文化人を主題にしてこれまでも物語を紡いでいますが、今回は「生け花」の天才少年の話です。訳アリの身分の主人公が花を活けることで、周囲の人の心に触れる連作。美しい物語です。
蛍草、草笛物語、散り椿、津軽双花、辛夷の花、柚子の花咲く、花や散るらん、橘花抄、さわらびの譜、山桜記…

複雑な癖に緩いプロット、緩いトリック、緩いレトリックによって読者に対するミスリードを誘い真犯人を隠す緩いミステリ。もうー、宝島社のミステリはこれだから困る。
書評家・瀧井朝世の帯評『二転三転四転五転の展開にねじ伏せられました。』に騙された読者も多いのではな…




ゲームの課金システムと電子マネーを組み合わせて銀行を通さないマネロン手法を編み出したリストラ男と、これを追うマスコミと経済ヤクザの攻防です。犯罪小説だけど警察が登場しないところが尖がっています。
偽金(ぎきんと読む)はそもそも錫塩の溶液に硫化水素を通すと得られる黄金色の顔料で金箔の代用にされる…




怖くなく、切ないホラー。4人の美女の連続水死事故の裏にあったのは悲しい女の短い一生でした。
若く美しい女たち5人の生活が描かれます。うち4人はダイビング仲間で、何一つ不自由がない恵まれた青春…




青春小説、恋愛小説、企業小説、ハードボイルド等と様々な分野の短編集となっています。いずれもレベルが高くお得なアラカルトです。
昭和を思わせるちょっと昔の時代設定の話が多く、現代の若者にはちょっと合わないかもしれませんが、おじ…




愛とは何か、救済とは何か?他者との関わりについての幻想的で倒錯した物語。パワハラ・セクハラと、信頼できる人間関係の構築が難しい現代にこそ生きる読み物かも。
物語は出口の見えない広大で幻想的な庭園を、逐電したミユキを探して2日間さまよい歩きく主人公が、合間…


横溝正史賞受賞ということで期待して読み始めたのですが、単なる学園青春ドラマで推理部分は薄弱。しかも下手な叙述トリックも絡めていて実に読みづらいトンデモミステリです。
処女作とのことで、いろいろ読みにくいところには眼を瞑りたいところではあるが、「横溝正史ミステリ大賞」…





高変態度小説。生きた女性を愛することができない変態野郎が、屍体を姦するためにわざわざ殺人を犯すというお話。大石は小説なら何でもできるというメリットを最大限に利用うる稀有の作家だ。
屍姦(Necrophilia)というタブーに挑む、一般読者にはほとんど虚王考えられないだろうと思わ…


良くも悪くも軽い短編小説集。会話も軽いし、思い入れも軽い、軽くセックスして軽くひっつきます。こんなのでいいのかと腹を立てる年でもないのですが、内容が軽すぎて楽しめない。
主に女性が主人公の「恋愛」がテーマの短編物語9編です。登場する男女が織りなす10代の初々しい恋愛、2…





連続ネット殺人?それはそれで面白いと思って読み進めると最後には被害者たちに深刻な共通項があることが判明して‥時事問題を絡めた社会派小説を書かせると相場は上手いなぁ。
前半はネットの無責任な拡散の怖さが殺人動機と思われる東京都内で起きた3つの連続殺人が描かれます。しか…




スノッブで偉そうぶっているところが鼻につく村上龍だが、言っていることがいちいち腑に落ちて、納得できるので、嫌いになれない。
フランスやイタリアに行って古城のホテルに泊まり、いい食事、うまいワインを飲んで優雅に執筆していると…




警察の腐った部分に立ち向かう監察官の3人組。水戸黄門にも通じる痛快エンタメだが今回の悪者は大物「卑劣漢」です。
題名が「卑劣犯」ですよ。凶悪犯でもなく、知能犯でもなく、猟奇犯でもなく「卑劣犯」。いったいどんな犯…




忌野清志郎の死をきっかけに、かつて学生時代に5人組のバンドを組んでいた仲間が再会し悩みを語る物語。主人公と同年代を生きた60歳オーバーには刺さる話だが、若者には共感は得られないかもね。
幼い頃仲が良かった仲間たちが、長じて苦境に立ち再開するという、重松小説でありがちなパターンです。「カ…





建前は取り澄ましているものの、その本音はエグイ中年の女性の心情を赤裸々に描く篠田さんらしい作品集です。長編作家という印象ですが短編も彼女はいいですね。
「友と豆腐とベーゼンドルファー」 夫は商社をやめ福祉の仕事につき家計は火の車。妻のピアノ教師でなん…




普通の大学生が親の失踪をきっかけに、住処を失い、恋人を失い、友人を失い、バイトを失い、金を失い面白いように奈落の底へ落ちていく。リアルにありそうなところが怖い小説です。
「賭博黙示録カイジ(福本伸行)」に似た人生転落物語であるが、カイジの場合は圧倒的に博打狂いがその元凶…