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十字軍国家を樹立した第一世代から第二世代に移行するに従い、十字軍側は指導者層が劣化。一方、イスラム側は英明な領主が台頭し、イスラム勢力を統一したサラディンの前にイェルサレムを奪還されてしまう。

  • 十字軍物語 第二巻: イスラムの反撃
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  • 出版社:新潮社
十字軍物語 第二巻: イスラムの反撃
 十字軍国家を樹立した十字軍の第一世代は英傑が揃っていたが、徐々に第二世代へと交代していく。この時代の世代交代は基本的に血縁関係に基づくので、領主や王の子がまだ幼かったりいなかった場合はその妻や姉などが摂政になるケースが出てくる。また、ヨーロッパから落下傘で王が来ることもあった。平時ならともかく、イスラムと交戦中の状況では事態は悪化する。ついには十字軍国家を形成するエデッサ伯領はイスラム側によって陥落させられてしまう。

 ここで第二次十字軍派遣の機運が高まり、神聖ローマ帝国皇帝とフランス王が第二次十字軍を率いていくが、戦闘らしい戦闘もせず第二次十字軍は引き返してしまう。神聖ローマ帝国皇帝とフランス王は西欧キリスト教世界の二大有力者だが、戦闘の実務経験がないだけに状況が不利と分かるとさっさと撤退を決め込んでしまう。この撤退は十字軍国家に深刻な影響を与える。もともと慢性的な兵力不足に苦しんできた十字軍国家にとって、援軍は何の役にも立たなかったのである。乏しい現有勢力で防衛を続けるしかない事態が明白になってしまう。そんな状況にも関わらず、十字軍国家はなお40年存続する。イスラム側にも様々な事情があったためだが、1187年サラディンの前についにイェルサレムは88年ぶりにイスラム側に奪還されてしまう。
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  • 掲載日:2026/05/03
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