「ホンノワ」テーマ:
「フランケンシュタイン」をみんなでゆっくり読んでいく会 後篇
登録日:2017年05月21日 10時16分

タイトル: | フランケンシュタイン |
---|---|
著者: | メアリー・ウォルストンクラフトシェリー |
出版社: | |
発売日: | 2012-09-13 |
価格: | 円 |
平均レート: | ☆ |
テーマの説明
メアリー・シェリーの「フランケンシュタイン」をみんなで読もうという企画です。
毎週日曜日に青空文庫の「フランケンシュタイン」のテキストをコピペして投稿します。皆様はそれを読んで、コメントの下のぶら下がりコメントに好きなことを書きこんでください。
今年の10月最後の週をもって読了する予定です。4000字ずつくらいのペースで読んでいきます。
みんなでわいわいがやがや言いながら一つの作品を読んでいったらどうなるんだろう? という実験ですので「まだ読んだことがない」というそこの貴方、是非この機会に一緒に読んでいきましょう。
もちろん既読の方のコメントも大歓迎です!
一緒に読んでいくのもよし、まとめ読みでの参加も大歓迎です!
ちなみに前篇は
http://www.honzuki.jp/bookclub/theme/no264/index.html
です。
ご参加、お待ちしています!
毎週日曜日に青空文庫の「フランケンシュタイン」のテキストをコピペして投稿します。皆様はそれを読んで、コメントの下のぶら下がりコメントに好きなことを書きこんでください。
今年の10月最後の週をもって読了する予定です。4000字ずつくらいのペースで読んでいきます。
みんなでわいわいがやがや言いながら一つの作品を読んでいったらどうなるんだろう? という実験ですので「まだ読んだことがない」というそこの貴方、是非この機会に一緒に読んでいきましょう。
もちろん既読の方のコメントも大歓迎です!
一緒に読んでいくのもよし、まとめ読みでの参加も大歓迎です!
ちなみに前篇は
http://www.honzuki.jp/bookclub/theme/no264/index.html
です。
ご参加、お待ちしています!
この読書会は終了しました。
[主催者の終了メッセージ]
えー、投稿を宣言していたフランケンシュタインまとめ2がちょっと間に合いそうもないのですが……このままいつまでも続けていてもあれなので、とりあえずこの掲示板は終了いたします!(なんか最後ぐだぐだな感じですみません)
やー、しかしフランケンシュタイン、深かった!!そして笑えた!
1年もの長期間にわたってご参加いただいた皆様、ありがとうございました!
良いお年を~
えー、投稿を宣言していたフランケンシュタインまとめ2がちょっと間に合いそうもないのですが……このままいつまでも続けていてもあれなので、とりあえずこの掲示板は終了いたします!(なんか最後ぐだぐだな感じですみません)
やー、しかしフランケンシュタイン、深かった!!そして笑えた!
1年もの長期間にわたってご参加いただいた皆様、ありがとうございました!
良いお年を~
「さて、話を端折って、もっと大事なところに入るとしよう。で、以前のわたしを今のわたしに変えた気もちを 押しつけられた出来事について、つぎに述べることにする。
「春はたちまちのうちにたけなわとなり、天気がよくなって、空には雲もなかった。以前は荒凉として陰欝だったものが、今はすこぶる美しい花や線で燃え立つばかりになったのには、驚いてしまった。わたしの感覚は、無数の気もちのいい香り、無数の美しい眺めでもって、満足させられ、元気づけられた。
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She sang, and her voice flowed in a rich cadence, swelling or dying away, like a nightingale of the woods.
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「そのあいだに、黒い地面は草に蔽われ、緑の堤には、数えきれぬ花々が色も香も美しく咲きみだれ、星は月夜の森の梢に蒼白く輝いた。太陽はますます暖かくなり、夜は晴れて爽かになった。わたしの夜の散歩は、日の入りが遅く日の出が早くなったために、ずいぶん短かくなったが、わたしはこのうえもなく楽しかった。というのは、最初わたしが入りこんだ村でのようなひどい目に会うのは、もう懲り懲りだったからだ。
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「話が上達するかたわら、客の婦人に教えられる文字の知識までわたしは学んだ。すると、そのために、驚異と喜びの広い分野がわたしの前に開けてきた。
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http://knarf.english.upenn.edu/Volney/volneytp.html
ヴォルネーはフランスの人文学者で、『諸帝国の没落』は1791年に出版されたそうです。
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サフィー、なんとなーく「アラビアンナイト」に出てきそうな美女を思い浮かべます。シェリーはやっぱり読んでたんですかね、アラビアンナイト。
両親がいて、温かく見守り、優しく導き、教育を与えられて子供が成長するというあたり、当時の教育論なんかも含んでいるんでしょうかね。
シェリー自身は、母を産褥熱で失い、自らも出産しては子供を相次いで亡くし、と決して「理想的」な家庭生活は送っていなかったようですが、そのあたりも本作には影響しているのかな・・・。
来週もよろしくお願いしますm(__)m
ヒトのようなものは、他の人間を真似ることによって自ら人間になっていき、人間だったはずのものは、他者の人格(あるよね)を踏みにじることによって自ら人でなしになる、という構図?
この人たちの身の上ばなしを知ったのは、しばらく経ってからのことだった。それは、わたしの心に深い感銘を与えずにおかない話で、数々の事情をさながらにくりひろげたが、わたしのような、まったくの世間知らずには、どれもこれもおもしろく、びっくりするようなことてあった。
「老人の名は、ド・ラセーといった。フランスの名門の出で、多年その国で裕福に暮らし、目上の者には尊敬され、同輩には愛された。息子は国務に服するように教育され、アガータは最上流の貴婦人と同列にあった。わたしがここに着く数箇月前までは、この人たちはパリと呼ぶ豪奢な大都会に住んでいて、友人たちに取り巻かれ、相当の資産をもち、美徳や洗煉された知力や趣味などをもってあらゆる歓楽を味わっていたのだ。
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ド・ラセー 老人
フェリクス 若者
アガータ 妹
サフィー トルコ人の娘
なんか一瞬誰が誰だかわからなくなったので(汗
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原文はhe became obnoxious to the government
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「それから数日かかって、この商人の脱出の準備が進んでいるうちに、フェリクスの熱心さは、あの美しい娘から受け取った数通の手紙のために強められた。娘は、父の家僕でフランス語を解する老人の助けを得て、自分の考えを恋人の国のことばで表わす手段を見つけたのであった。娘は、たいへん熱のこもったことばで、フェリクスが自分の親のためにわざわざ尽してくれることを感謝し、同時に自分の運命をやさしく歎いた。
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「サフィーは父親が出発する瞬間までいっしょにそこに居ることに決めたが、出発の前に、娘を命の恩人といっしょにするということをかさねて約束したので、フェリクスもそのことを期待していっしょにとどまり、そのあいだ、ごくあどけない、やさしい愛情を見せるサフィーとの交際を楽しんだ。二人は通訳者を介して、またときには眼にものを言わせて、話をしあい、サフィーは自分の国のすてきな歌をうたって聞かせた。
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「三人はドイツの百姓家をみじめな隠れ家としたが、わたしはそこでこの人たちを見つけたわけだ。フェリクスはまもなく、自分とその家族がそのためにああいった前代未聞の圧迫を受けた腹黒いトルコ人が、恩人がこんなふうに貧窮と破滅に陥ったのを知ると、善良な感情や体面を裏切って、娘を伴れてイタリアを去り、今後の生計を立てるうえにお助けすると称して、無礼にもはした金をフェリクスに送ってよこしたのを知った。
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「フェリクスが富と地位を奪われたという消息がリヴォルノに達すると、商人は娘に、恋人のことはもう考えないで故国へ帰る準備をすることを命じた。気立ての高潔なサフィーは、この命令に踏みつけられたものを感じ、父を諌めようとしたが、父は怒ってそれに取り合おうとせず、圧制的な命令をくりかえした。
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これから何が起こるのでしょう。やるせないような、不幸な匂いがぶんぶんして、あー、落ち着かない。
来週も楽しみにしています。ありがとうございました^ ^
今回で一番感じたのは、善良=キリスト教徒に結びついてるということ。
アラビア娘は誠実ではあるけれど、それは
キリスト教を教えられたから…という形なのですね。
さすがにシェリーも宗教の自由までは書けなかったのかと
この時代の宗教の壁をひしひしと感じました。
読書会スレッドも後半に入り、ストーリーもますます面白い!
遅くなりましたが、後半板立ち上げありがとうございましたー♪( ´θ`)ノ
わたしの好きな家の人たちの経歴は、このようなものであった。それはわたしに深い印象を与えた。そのためにわかってきた社会生活のありさまから、わたしは、この人たちの美徳に感心し、人類の悪徳を非難することを学んだ。
「とはいうものの、わたしはまだ、犯罪などというものは、縁の遠い悪事だと考えていた。つまり、慈愛と寛大がたえずわたしの眼の前にあったので、多くの称讃すべき性質が求められ発揮される活舞台に、一役を買って出たいという願望を、わたしの心に呼びおこした。しかし、わたしの知力の進んだことをお話するには、同じ年の八月はじめに起ったひとつの出来事を省略するわけにいかない。
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https://www.rc.umd.edu/editions/frankenstein/V2notes/path
前編でフランケンシュタインが山に登るところで一度引かれています。
(前編http://www.honzuki.jp/bookclub/theme/no264/index.html、コメント284)
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フランケンシュタインの態度は、科学者とは言えない、と思います。少なくとも、近現代的意味の実験科学者ではないと思うのです。ただし、科学者が暴走する可能性はもちろんあり、根っこのところで共通する部分をこの物語が描いているのかどうか、最後まで読むうちに見極められればよいな、という微かな希望があります。自分の力量的にそこまで行くのかどうかがちょっと不安なのですけれども。
私は、科学はさっぱりだめなので、ピントがずれているかも、ですが、フランケンシュタイン=科学者、というふうには、あまり考えなかったです。
思い出すのは、子どものころ、友だちとままごとをしようとして、その準備に、おうちづくりの小道具(座布団とか、シーツ、衣類や傘まで!)を持ちだして、ワクワクしながらいろいろ並べているうちに、もう飽きてしまって、準備が終わる前にすっかり遊びの熱が冷めて「もうやらない」と言って、おおいに友たちからヒンシュクを買ったことです^^
この、一気に遊びの熱が冷める感じが、フランケンシュタインの怪物を放り出して逃走(?)の場面に重なるような気がするんです。
幼稚なやつだなあ、と思っていました。
フランケンシュタイン、嫌い…というよりも、嫌なものを見せてくれるやつだな、と思っています。
でも、この男の心情がどう変わっていくのか(もしかしたら手遅れだとしても?)興味があります。
なにしろ北極まで追いかけてきたわけだし、ウォルトンにとっては友達に慣れそうな魅力的な人間に映ったわけだし、どうしてそうなったのかなーと、気になっています。
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会話の言葉さえ見様見真似の独学なのに、いきなり歴史や哲学や文学を理解する素晴らしい天才の怪物君。そんな完成度にも全く関心なく、見た目の第一印象で(って自分で創ったんだろうに)拒絶してそれっきりって、創造者の自覚なさすぎですよね。
構想時点でゼロ歳児の母であり、前に未熟児を一人死なせている作者には、自分の子宮で数カ月育んだけれども自分とは全く異なる存在である他者(我が子)に対する恐れや畏れ、場合によっては拒否の気持ちがあったのでしょうか。
おそらく日々の養育は乳母か何かに任せてるよね。庶民でなければそれが普通なのだろうけど。
いよいよ何かが起こりそうだけど痛ましいような…
今週もありがとうございました。
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私も詰めていず、ぽんきちさんのコメントを一読しただけで書き込んでいるのですが、仏教の場合はお釈迦様が天地創造をしたわけじゃないしねえ。
もっとも宗教に関係なく「どうして俺を生んだんだ?!」「好きで生まれてきたわけじゃない!」的な感情を親にぶつけることも多い気が。
怪物は、親≒フランケンシュタインの「愛」がほしかったんだったり!?
うーん、それはそれでありな気もします。
宗教的なことでいえば、日本人一般(というのもどういう人なんだ、というのもありますが)てあんまり絶対的な創造主がいるように思っていないような気がするんですよねぇ・・・。
絶対的な支配者もいない代わりに、絶対的に責任を負わせる存在もいない、というか。
なんか、その辺の感覚がちょっと違うような気がします。いや、ほんと、ぼんやりと、ですけど。
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「わたしは中に入って言った、『とつぜんに参りましてすみません。わたしは旅の者ですが、ちょっと休ませていただきたいとぞんじまして。ほんのちょっとのあいだ、火のそばに居させていただければ、たいへんありがたいのですが。』
「ド・ラセーは言った、『さあ、お入りになって。お望みに添えるようにはできるでしょうが、あいにく子どもたちが畄守でして、それにわたしが盲なものものですから、食べものをさしあげかねるようなわけですが。』
「『どうぞおかまいなく、食べものはもっていますから。暖まって休めるだけでけっこうです。』
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「『お客さんは、おことばから察しますと、わたしの国の方のように思われますね。――フランスの方ですね?』
「『いいえ、そうじゃありませんが、フランスの家庭で教育されまして、フランス語しかわからないのです。わたしは今、自分が心から愛する方々、そしていくらかは好意を寄せてもらえそうな気がする方々の保護を願おうと思っているところなのです。』
「『それはドイツの方ですか。』
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「『絶望しなさるな。友だちがないのは、なるほど不運なことですが、人間の心は、明白な利己心に捉われないときは、兄弟のような愛情や慈悲に満ちているものですよ。ですから、希望をつなぐことですね。しかも、その人たちが善良でやさしいのだとしたら、何も絶望なさることはありませんよ。』
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「『それはなるほどおきのどくですね。しかし、ほんとに疚しくさえなければ、この人たちの非をさとらせることができるのじゃありませんか。』
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they behold only a detestable monster
ここは「怪物」でもよかったような。
monster、creature、creatorというのは結構大きなキーワードである感じがします。
忌まわしい怪物しか見ないのです
となっています。
「『その人たちはどこにお住まいですか。』
「『この近くです。』
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「『たいへんおりっぱなことです! ありがとうこざいます。おことばに甘えさしていただきます。御親切のおかげで、泥まみれのところから浮び上れます。お助けいただければ、きっとわたしは、あなたの同胞の方々から追い出されずに、おつきあいと同情を願えるでしょう。』
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「『なんと言ってお礼を申しあげたらよいか、あなたはわたしの、たった一人の、このうえもない恩人です。はじめてわたしは、あなたのお口から親切な声を聞きました。御恩は永久に忘れません。あなたのこの情深さから見て、これからお目にかかろうとしている方々のばあいも、うまくいくという気がします。』
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「わたしは黙った。おもうに、これこそ永久に幸福を奪い去られるか、それとも幸福を与えられるかを決する瞬間であった。それにはっきり答えられるだけの確乎としたものをつかもうとして、わたしは、むなしくもがいたが、この努力に、残っている力が根こそぎ引きぬかれ、椅子に半身をのめらせながら、声を出してむせび泣いた。その瞬間、若い人たちの足音が聞えた。一秒だってもうぐずぐずしてはおれなかったが、それでも老人の手を掴んでわたしは叫んだ、『その時が来ました!――わたしを助けで保護してください! あなたとあなたの御家族が、わたしの求めている方々なのです。せっぱつまったこの時こそ、わたしを見棄てないでください!』
「『なんということだ! あなたは誰です?』と老人は叫んだ。
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見た目も醜いだけでなく、相当強靱に見えたのではないかしら。
たとえば、もし老人の手を取って膝にすがりついていた「怪物」が、巨大な熊の姿のような姿をしていたら……恐怖を引き起こすのはやっぱり「醜い」だけでないかも…。
うん。やっぱり大きかったと思うな。
匂いは……匂いが強烈だったら、老人も、帰ってきた家族もそれなりに構えたと思うので、あんまりひどくなかったんじゃないかな。
でも、いざとなったらショックで理性的な行動はできないよね。身を守るために相手を傷つけなかっただけでも、偉いよ、怪物。
「呪われた、呪われた創造者よ! わたしはどうして生きたのか。ふざけ半分に与えた存在の火花をどうして消しとめなかったのか。わたしにはわからない。まだ絶望しきってはおらず、わたしの感情は怒りと復讐に燃えていた。わたしには、その家と住んでいる者どもをめちゃめちゃにし、その悲鳴とみじめさに腹鼓を打って、喜ぶことだって、できるわけだった。
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「陽が昇り、人声が聞えたので、昼のうちに隠れ家に戻れないことがわかった。そこで、これからの時間を自分の置かれた立場を考えて費すことに決め、とある茂った下生えに身を隠した。
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「空腹がおさまると、よく知っている道へ歩みを向けて家のほうへ行った。そこではすべてが平穏だった。わたしは小屋に這いこみ、黙って皆のいつも起きる時刻を待っていた。その時刻が過ぎ、陽が高く昇ったのに家の人たちは出て来なかった。わたしは、何か怖ろしい災難でも起ったのかとおもって、がたがた慄えた。家のなかは真暗で、何の動く音も聞えなかった。この不安な苦しみはたとえようもなかった。
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「フェリクスはそれに答えた、『それにはおよびません。私どもはこの家には、二度と住めないのです。お話したような怖ろしい事情のために、父の命がひどく危いのですよ。妻や妹は、あの怖ろしさからとても立ちなおれないでしょう。お願いだから、もう何も言わないでください。あなたの貸家はお返ししますよ。とにかく私をここから立ち去らせてください。』
「フェリクスはこう言っているあいだもひどく慄えた。二人は家のなかに入り、二、三分も居たかとおもうと出ていった。ド・ラセーの家族の者は、もはや一人も見当らなかった。
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怪物、よほど物凄い外観だったのでしょうね。目の見える人たちは見た目の印象に左右されますからねえ。おじいさんも自分の判断力に自信がなくなってしまった?
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でも、犯罪者の心理ってこういう風に働く気がする。(どうせそんな風にしか思わないのなら、そうしてやろうじゃないか)自尊感情や、多面的に物事を見るゆとりがないのね。
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devoted cottageが原文ですが、「呪われた家」?、あるいは「捧げられた家」?かな? 生贄的な感じですかね・・・?
人間という存在に絶望した、怪物なりの「儀式」のようにも見えます。
「さてこんどは、この世に抛り出された身が、どこへ歩みを向けたものだろう? この不運の現場から遠くへ逃げ去ることには決めたが、憎まれ蔑まれるこの身にとっては、この国だって同様に怖ろしいにきまっている。とうとう、あんたというものがわたしの心を掠めた。あんたが書いたものから、あんたがわたしの父、わたしの創造者であることを知らされた。わたしに生命を与えた者にお願いするよりほかに適当な方法があるだろうか。フェリクスがサフィーに教えた課業のうちには、地理学も省かれてはなかったので、それによってわたしは、地上のさまざまな国の相対的位置を学んでおいたのだ。あんたの生れた町の名は、ジュネーヴと書き記してあったので、わたしは、この場所に向って行くことに決めた。
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「創造主」に対する反旗というのがどういう感じなのか、参考になるかと思い、「失楽園」を読もうと思った今週ですが、何だかあれれれな結果に(^^;)。
http://www.honzuki.jp/book/250073/review/178503/
いやいや、いろいろ勉強にはなりました、がw
後半戦も佳境に入ってきたし、そろそろ関連本をがっつり読んでいきたいなと思っています。が、どうなりますか(^^;)。
「創造主」への疑問、絶対的価値観の揺らぎ、といったあたりが、実は根底にあるのかな?と思ったりしています。どうだろな・・・?
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「わたしは、受けた傷を治すことに努めながら、何週間も森のなかてみじめな暮らしをつづけた。弾は肩に入って、まだそこに残っているのか、それとも突き抜けたのか、わからなかったか、とにかくそれを抜き取る手段はなかった。わたしの苦悶はまた、こんなふうに危害を加えたことの不正や忘恩に対するがまんのならぬ気もちのために、いっそう強められた。わたしの毎日の誓いは、復讐――わたしが受けた凌辱と苦痛だけを償うような、深刻な、死のような復讐であった。
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「しかし、わたしの旅も終りに近づき、それから二箇月後にはジュネーヴの郊外に着いた。
「着いたのは夕方だったが、まわりの野原に身を隠すところを見つけて、どうしたらあんたに会って頼めるかを思案した。わたしは疲労と空腹に参ってしまい、あまりにみじめだったので、夕方のそよそよした風や、雄大なジュラ山脈のむこうに沈む太陽の光景などは、楽しむどころの沙汰ではなかった。
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「子どもは烈しく身をもがいた。『放してよ、怪物! 悪者! 僕を食べたいんだろう、ずたずたに引き裂きたいんだろう――きさまは人食い鬼だ――放せったら、放さないとお父さんに言いつけるよ。』
「『坊や、もう二度とおまえをお父さんに会わせないよ。わたしといっしよに来るんだ。』
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「『なに、フランケンシュタイン! さてはおまえは敵のかたわれだな――その敵におれは永遠の復讐を誓ったのだ。おまえを最初の犠牲にしてやるぞ。』
「子どもはなおも身をもがいて、わたしの心に絶望的な形容のことばを浴せかけるので、黙らせようとして喉をつかむと、あっというまに死んで、わたしの足もとによこたわった。
「犠牲になった者を見つめていると、歓喜と悪魔的勝利に胸がふくらんだ。そこで手を叩いてどなった、『おれだって、人を破滅におとしいれることができるのだ。おれの敵は不死身ではない。この子どもが死んだことは、敵に絶望を感じさせるだろう。これから無数の不幸で、そいつを悩ませ滅ばしてやるぞ。』
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「腹立ちまぎれのこいいう考えを、あんたは無理もないとは思わないか。その瞬間に、自分の気もちをぶちまけて絶叫しながら苦しみ悶えたりしないで、人間のあいだに馳けこみ、それを滅そうとして自分が死ぬようなことにならなかったのは、ふしぎなくらいだ。
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「眠っているその娘が身じろぎしたので、ぞっとするような怖ろしさが全身を馳けめぐった。
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Thanks to the lessons of Felix, and the sanguinary laws of man, I had learned now to work mischief.
ここ、ちょっとわかりにくいですね。「フェリクスの課業」とは、フェリクスがサフィーに言葉を教える一環で書物の講義をし、法律についても語ったコメント13~16あたりを指しているのでしょうか。その流れで、法律の大まかな仕組みを怪物は知っており、娘(ジュスチーヌ)を陥れる手段を思いついた、というところでしょうかね。mischiefは悪戯というより「危害」の方が近いんじゃないかな。
フェリックスの講義と人間どもの血まみれの法のおかげで、自分も今では悪事のしかたを知っていた。
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最後の怪物の要求(仲間を作ってほしい)、思いがけなかったけど、本当にそうできたら、どんなによかっただろうと思います。もっと早くに叶えられていたらねえ。
コメント88の「自分が歓びを享けるように造られていなかったことを、いっそう痛ましく感じさせるものだったのだ。」は、辛すぎます。
今週もありがとうございました。
上のキリスト圏と日本の宗教コメントがちょっと興味深かったので。
「怪物が哀れ」というのは、ひょっとして日本思考なのかもですね。
「創造主は神のみ」という考えの上には
フランケンも怪物も罪の上で差はないのかもです。
むしろ今のように科学が進んだ現代なら
キリスト圏でも怪物に憐みを持てるのかもしれません。
うーん、そう考えるとますます興味深いなこの物語!
フランケンシュタイン・コンプレックスという言葉がありますが
この物語の真のホラーは怪物の形相ではなく、
生命を生み出すような世界への恐れのことなのか。うーむ。
怪物は、語り終えて私をじっと見つめながら、返答を待った。しかし、私は、すっかりめんくらい、困惑して、あいての要求の全体を理解するだけに考えをまとめることができなかった。怪物は話をつづけた、――
「生きていくうえに必要な同情を交してわたしといっしょに暮らしていける女性を、あんたに造ってもらわなくてはいけないのです。これはあんたしかできないことだし、あんたの拒むわけにいかない権利として、これを要求するわけですよ。」
話のあとのほうの部分を聞いて、百姓家での穏かな暮らしの話を聞いているあいだは消え去っていた怒りが、私の心に新しく火をつけたが、今また、これを聞いて私はもはや、自分のなかに燃える怒りを抑えきれなかった。
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I demand it of you as a right which you must not refuse to concede.
これは相当強い口調ですね。当然の権利を主張する、という傲然とした印象を受けます。(訳としては前から「私(怪物)は伴侶を作れと要求する権利がある。ノーとは言わせない」という感じの方がすっと飲み込みやすいような気がしますが)
フランケンシュタインがむっとするのもわかりますが、これまでの行いが無責任だったから(--;)、怪物に分があるかなぁ・・・。
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これ、ちょっと「ヨブ記」を思い出します。ヨブ記では「自分の生れた日を呪う」ですが。
「第一の敵」arch-enemy
普通、arch-enemyと言ったらサタンを指すことが多いみたいですね。このあたりはもしかしたら失楽園との関連があるのかも。
「わたしはよく話しあうつもりでした。こんな激情がわたしには有害なのですよ。あんたは自分がその激情をよけいにした原因だということを考えてくれないからね。もしも誰かがわたしに慈悲ぶかい気もちをもつならば、わたしはそれを何万倍にもしておかえししますよ。というのは、その一人の人のためなら、全人類と和解してもいいからですよ!
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requestはdemandより語調としては「お願いする」感じがします。懇願している感じですね。
怪物、かわいそう・・・。
「もしも同意していただけるとしたら、あんたをはじめほかの人間にも二度とお目にかからないようにして、南アメリカの広漠とした荒地にでも行きます。食べものが人間の食べものじゃありませんから、腹が空いたからといって仔羊や仔山羊を殺したりしないで、どんぐりや苺のようなもので十分に栄養が取れるのです。
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私は言った、「おまえは害をしないと誓っているが、僕が疑うのがあたりまえなくらいの悪意を、もう見せたじゃないか。この誓いだって、仕返しの幅をもっと拡げて、おまえの勝利を大きくするための偽りじゃないのかね。」
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「誓いますとも。天日にかけて、神のまします青空にかけて、この胸を燃やす愛の火にかけてわたしの祈りが聴きとどけられるならば、それらのもののあるあいだは、二度とにお目にかかりません。お家に帰って仕事にかかってください。その仕事の進捗ぶりを、言いようのない渇望をもって見守っています。準備ができたらわたしが現われますから、それだけは心配なさらぬように。」
そう言うと、怪物は、私の気が変るのを恐れでもしたのか、とつぜん私から離れ去った。見れば鷲の飛ぶよりも速く山を馳け降り、起伏する氷の海のあいだにたちまち見えなくなった。
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これはむちゃくちゃでみじめな考えだったが、永遠にまたたく星の光がどんなに重たくのしかかり、焼きつくすように吹いてくるどんよりしたいやな熱風のような風の吹くたびに、その音をどんな思いで聞いたかは、とてもお話できそうもない。
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そうですよね~、誰かが愛情をかけてやらないと、人間には育たない気がする。育児放棄のパパの責任が重大だと思う。しかも、創ったことだけ後悔してて、その後の放置については自分の責任と感じてないみたい。
深いですね。
取り敢えず「う、うん」みたいな返事をしたヴィクトル、
結局はまた「放置」することに気付いているんでしょうか。
怪物が「人間」であればあるほど
たった一人の伴侶と生きていくことは不可能なのに。
ジュネーヴへ帰ってから幾日も幾週間も経ったが、仕事にかかる元気は湧いてこなかった。望みを失った悪鬼の仕返しを恐れはしたものの、私は、言いつけられた仕事をするのはいやでたまらなかった。ふたたび深遠な研究とほねのおれる探求に数箇月を費さなければ、女性を造り出せないことがわかっていた。イギリスのある哲学者が何か発見をした話を開き、それを知ることは私が成功するためには必要なことだったので、そのためにイギリスへ行くのに父の同意を得たいと考えることもあったが、あらゆる口実をもうけてぐずぐずし、その仕事がぜひともすぐやらなければないわけでもなさそうな気がしはじめて、その第一歩を踏み出すことを尻込みした。私の身にはたしかに変化が起っていた。
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「おまえが以前の喜びを取り戻し、自分に帰っているらしいのを見て、わたしは嬉しいよ。けれども、おまえはまだ不しあわせで、わたしらのなかにいるのをまだ避けているね。わたしはしばらく、その原因についてあれこれと考えてみたが、昨日ひとつ考えが浮んだので、それが十分に根拠のあることだったら、聴いてもらいたいのだ。そういうことで遠慮することは、無用であるばかりでなく、わたしら皆のものに三重の不幸を招くことになるからね。」
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このあたりの区別がいまいちよくわからないのですが、前編に出てきた自然哲学のようなものですよね。ヴァルトマン教授みたいな人かな。
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いやいや、キミキミ、そんな都合のよいことが起こるはずないだろ!、とツッコミたいです(--;)。
自分で創ったのに。並外れて大きいこととか見た目がおぞましいこととか、創る途中で十分解っていたはずなのに。どうも醜いなあと思いながらも自分で命を吹き込んだのに。
彼女が妊娠したり、生まれた我が子が重い障害児だったりすると、逃げ腰になる男たちとヴィクトル君が重なる。身に覚えがあるんでしょ、そこで逃げちゃあ駄目でしょう!
見捨てられた怪物君がかわいそう。
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光文社古典新訳版ではここ
「けれども自分がつくったものの奴隷に成り下がっている間、わたしは瞬間瞬間の衝動に身を任せていましたから、このときもあいつはわたしを追ってくるだろう、だから家族があいつの罠に陥ることはあるまいと確信したのです。」
とあって、まあ言い訳なわけなんですが、理性的な判断力を失っていたといいたいのかなあと。
ところが角川版ではここの部分はばっさり削られていて
「イングランドまで追ってくるつもりいるのでしょうか?想像するだけでも背筋が凍りましたが、ともあれそうなれば家族は無事だと思うと、同じぐらい安心もするのでした。私はただ、ミナが無事では済まないかもしれないと思うと、ひたすら苦しかったのです。」
とだけあります。
だいぶ印象がちがいますよねえ。
最後の部分、原文を貼っておきますね。
But through the whole period during which I was the slave of my creature, I allowed myself to be governed by the impulses of the moment; and my present sensations strongly intimated that the fiend would follow me, and exempt my family from the danger of his machinations.
前後を見ないとはっきりしたことは言えないですが、この部分、宍戸さんの訳は原文に「沿っている」印象を受けます。どうかな・・・?
個人的には、フランケンシュタインが根拠もなく直観に任せている感じにちょっとイラっとしますw(フランケンシュタインに対して)
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ヴィクトルのまわりにいる人たちがあまりに良すぎて、不思議です。
今週もありがとうございました。
家族や婚約者の心配も無視して、独断で怪物造りに没頭してきたのに、完成したら知らん顔って・・・
この時代だし、世話になっている家で息子の嫁にしてやると言われれば、断れる立場ではなかったんだろうなと思いますが、作者(のような性格の女性)だったら、ヴィクトルみたいなうじうじした奴なんか願い下げだったかな。
そういえばこのお話には悪人は出てきませんね。出来過ぎのような立派な人たちばかり。
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「だらだらと怠惰な何日かを費やして何リーグも走ったすえ、」
となっています。走ったのは馬車で、乗客は何もしないで運ばれていたんでしょう。
「何もすることがないまま数十マイルも進んでストラスブールに着くと、二日間、クラーヴァルの到着を待ちました。」
角川版では
「そうして物憂げなままに数日かけて何リーグもの道のりを進みストラスブールに到着すると、そこで二日ほどクレルヴァルを待ちました。」
となっています。
やっぱり走ったのは馬車で、自分はただ馬車に揺られていたんでしょうね。
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たえずその人に附きまとう。
高い岩も、山も、また深い暗い森も、
その色も形も、こうしてその人には嗜好だった。
与えられた思想による、あるいは
眼から見たのでもない何かの興昧による
間接的な魅力を必要としない
感情や愛情だった。
――ワーズワース「チンターン僧院」――
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--轟き落ちる瀑布が
熱情のごとく取り憑いたその日から、
高き岩と、山と、そして深くうつろな森と、
その色と姿とが、
彼の情熱となった
思考が補うどんな能力も
目を借りぬどんな趣も必要なき
感動と、愛情に
----轟く滝の響きは
情熱となってあの人を魅了し、
高い岩、山と深く暗い森
その色とかたちも、
その人にはその日の願望、
感情や愛には
思考がくれる深い魅力を要せず
目を借りぬ興味も
必要としない。
こんなふうに悲歎にくれるのを許してください。いまさら言ってもむだな、こういうことばは、アンリの比類ない価値に対する、ささやかな、たむけのことばでしかありませんが、それでも、あの男を思い出すと襲いかかって苦悩に溢れる私の心を慰めてくれるのです。さて、話を続けましょう。
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創元推理文庫版では、
「その世界が存在するのも、創造主が生きていればこそだったのに」
とあります。
「奔放にして素晴らしい思想と想像力が溢れ、一つの世界をつくりあげていた。創造主が生きていればこそ存在し得た世界。」
角川文庫版では
「彼の心には奔放で壮大な創意と想像力とが溢れ返り、創り主を無くしては成り立たぬ世界をそこに創りあげていた」
となっていました。
この旅も、ここまでで、美しい景色から生ずる興味を失ったが、数日後にはロッテルダムに着き、そこから海を渡ってイギリスに向った。ブリテンの白い崖をはじめて見たのは、十二月も末のある日の晴れた朝であった。テームズ河の西岸は、新しい光景をくりひろげたが、それは平坦ではあるが土地が肥えていて、ほとんどどの町にも、何か物語を思い出させるような痕跡があった。ティルベリ堡塁が見え、スペインの無敵艦隊が憶い出された。グレイヴゼンド、ウーリッヂ、グリーニッヂというような、国にいるときでさえ聞いたことのある所も見えた。おしまいには、ロンドンの無数の尖塔、あらゆるものの上に聳え立つセント・ポール寺院、イギリスの歴史のうえで有名なロンドン塔などが見えてきた。
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明るく、かつ感受性豊かな友との旅がもっと続けばよかったのに。イギリスについてしまったからには、仕事に取り掛からなくちゃならなくなってしまいますね・・・。
アンリに何か不吉なことが起こりそうな嫌な感じ、この辺の描写も上手ですねぇ・・・。
*派生読書の「失楽園」http://www.honzuki.jp/book/59900/review/180484/が予想を超えておもしろかったです。この読書会がなければ手が出なかったと思います。下巻のレビューもそのうち書きます~。
派生の派生で、今なら「神曲」も読めそうな気がちょっとしていますw
ヴィクトル君はスイスのジュネーブ出身で、ドイツのインゴルシュタットで学び、怪物を創ったが、放り出したまま帰国してしまった。弟ウィリアムが殺害されており、その冤罪でジュスティーヌが死刑になった後、アルプスのシャモニから登山中に怪物と再会して話をした。
怪物君はインゴルシュタット近くの森で暮らしたが、食べ物を求めて3日さまよい、民家に隠れてフランス語で自分を教育、そこで拒絶されて家に火をつけ、独力でジュネーブを目指し、たどり着いたところでウィリアムらと不幸な出会いをしてしまったという。
自分の伴侶を作ってくれさえすればもう迷惑はかけないという怪物の申し出を受け入れる形で、研究のためイギリスにわたる旅をしている。
パートナーが詩人ですし、外国旅行で見聞したことが物語に生かされているのでしょうね。こんなに自然描写の豊かな作品とは知りませんでした。
ロンドンはさしあたりの休息地であった。私たちは、このすばらしい有名な都会に数箇月滞在することに決めた。クレルヴァルはこのころ盛名のあった才能ある人たちとの交際を望んだが、それは、私にとっては第二次的な目的であった。私は、おもに、自分の約束をはたすために必要な知識を得る手段に心を用い、自分が持ってきた、もっともすぐれた自然哲学者あての紹介状を、さっそく利用した。
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このあたり、発想が詩的な感じがします。
この旅がかつて勉学に明け暮れていた楽しい日々のことであったら、言い尽くせぬほどの喜びをもたらしたに違いありません。しかし病に冒されたような私は……(中略)。
しかし、せかせかとしてつまらぬ笑顔を浮かべている連中を見ていると、心に絶望が蘇る。
角川文庫では
もしあんな不幸に見舞われる前に過ごしていた学生時代だったならば、私はきっと言葉にできぬほどの喜びをこの旅に感じていたことでしょう。しかしすっかり絶望に打ちひしがれていた私にしてみれば、…(中略)。しかし、せかせかとした退屈な連中が愉快そうにしている顔を見ていると、この胸に絶望が舞い戻ってきてしまうのでした。
となっていました。
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私たちは、三月の二十七日にロンドンを立ち、二、三日ウィンザーに滞在して、そこの美しい森のなかを散歩した。これは私たちの山国の人間には目新しい風景であって、厳めしい檞(かしわ)の木、たくさんの鳥獣、堂々とした鹿のむれになどは、いずれも珍らしかった。
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革命後、クロムウェルの外交秘書として働きますが、激務による過労のため失明。
「失楽園」は王政復古後、政治的には失脚した後の作品ということになります。
そうするとシェリーたちにとっての「失楽園」は、時代感覚的には私たちが明治の文豪の作品を読んでいるくらいな感じなのかな・・・? そう思うと大昔の古典というよりは、案外と身近に感じられるものだった、のかな・・・?
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「わたしは安らかな幸福のために創られた人間です。」
「しかし今は、雷に打たれた木のようなもの、魂まで稲妻につらぬかれてしまっているのです。自分は生きながらえて、人から見れば哀れむべき、自分にとっては耐えがたい、みじめな敗残の姿を-それももうすぐ終わるのですが-さらすことになるのだと、そんな予感がしていました。」
雷に打たれて、受動的に野心??にとりつかれ化け物を創らされたので、私の責任ではありません、て感じですね。
「恐ろしい亡霊のような人のかたちが横たわっていて、やがて何か強力な機械の作動によってそれが生命の兆候を見せ、ぎごちない半生命的な動きをする。」
「おのれの成功に科学者は震えあがるだろう。恐怖に打たれ、忌まわしい仕事を捨てて一目散に逃げだしてゆく。ほうっておけば彼があたえたわずかばかりの生命の火花は消えてしまい、あんな不完全な生気を受けとった生物はもとの死せる物質に戻ってしまうだろうと、そう彼は期待を抱く。」
スイッチを入れた時だけ動くけれど、こちらが動かさなければ動かない機械を設計したつもりが、予期せず永久運動が始まってしまったような感じなのでしょうか。
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こういうのが文才っていうものなのでしょうか。計算し尽くして書いたというよりは天性のものであるような気がします。
嘘だ、僕は悪夢を見てるんだ、と現実に目をつぶってきた主人公は、自分が生みだした怪物と直接話し合い、怪物の実在とその力を思い知らされた。
それでも、なんとか怪物の伴侶を創る(創ろうとして創れるのか?)ことで、あくまでも怪物の存在を隠そうとする主人公。
父親も婚約者も親友も良い人で、みな主人公のことを心配してくれているのに、主人公の頭の中はもう怪物のことばかり。
自分にくっついてイギリスにも来るんだろうなと思ってもいる。
怪物はどうやって海を渡るんだろう?
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旅についての箴言みたいな感じですねw
実生活でシェリーが体験した旅は、やはり浮草的な感じだったのでしょうかねぇ・・・。
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光文社古典新訳版では「落胆した悪魔がどんなことをするか怖かったのです。」
となっていました。
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アーサー王の座席(「アーサー王の玉座」Arthur\'s seat):https://www.expedia.co.jp/Arthurs-Seat-Edinburgh.d501016.Place-To-Visit
聖バーナードの泉(St. Bernard\'s Well:泉というか、井戸、みたいなもの・・・? 鉱泉といえばよいのでしょうかね。ミネラルウォーター的に使われていたみたいです)http://www.edinburghpotato.net/2016/10/no1-st-bernards-well.html
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これはテイ河でしょうかね。
https://www.google.co.jp/maps/place/%E3%83%86%E3%82%A4%E5%B7%9D/@56.5048009,-3.9910681,9z/data=!3m1!4b1!4m5!3m4!1s0x4888a724999be4b1:0x37b4ff4519f18526!8m2!3d56.5060621!4d-3.4306777
友と別れてから、スコットランドのどこか遠い所へ行って、そこでひとりになって仕事をしあげようと決心した。あの怪物が私のあとについてきて、仕事をしあげたときに、自分の伴れあいを受け取るために、私の前に姿をあらわすだろう、ということだけは疑いなかったからだ。
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https://www.google.co.jp/maps/place/%E3%82%A4%E3%82%AE%E3%83%AA%E3%82%B9+%E3%82%AA%E3%83%BC%E3%82%AF%E3%83%8B%E3%83%BC%E8%AB%B8%E5%B3%B6/@57.4829763,-4.9907702,7z/data=!4m5!3m4!1s0x489b9f93ef41121f:0x30c681a0642b050!8m2!3d58.9809401!4d-2.9605206
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また来週~
えーと、彼の「仕事」には死体がいるんじゃないかと思うのですが、現地で手に入れたんでしょうかね・・・? こんな辺鄙そうなところだとなかなか手に入れるのも大変そう。本土から運んだのかな・・・?
荒涼とした風景と相俟って、ますます不穏な感じですねぇ・・・。
ある晩、私は仕事場に居た。陽が沈んで、月がちょうど海から昇るところだった。仕事をするには光が足りないので、今夜は仕事を休もうか、それとも、そんなふうにほったらかしたりせずに完成を急ごうか、などと考えて、なすこともなくぼんやりしていた。腰を下ろしていると、つぎからつぎと考えが浮んできて、自分のいまやっていることの結果を考慮させた。三年前に私はこれと同じことをして怪物をつくったが、そいつは、そのたといようなもない残酷さで私の心をめちゃくちゃにし、それをこのうえもなく傷ましい悔恨でもっていっぱいにした。それなのに、今また同じものをつくろうとしているのだが、その性分がどんなものであるかは、私にも前同様にわからなかった。
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そうか、やっぱ約束を破っちゃうのね・・・。
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やっと後先のコト考えるようになったワケですね。
遅いんだけど、人間もそんなものかも。
見れば、その顔には、極度の悪意と不信が現われていた。私は逆上して、こいつと同じようなものをもう一つ造るなんて約束したのかと考え、激情に身を慄わせながら、造りかけたものをこなごなに打ち砕いてしまった。怪物は、自分のこのさきの幸福はそれが居るかどうかできまると考えていたものを、私が壊してしまったのを見て、悪鬼のような絶望と復讐のわめき声をあげて引き下がった。
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数時間が過ぎ、私は窓の近くに腰かけたまま海を眺めていた。ただ数隻の漁船が海上に点在しているだけで、ときどき微風が、呼び交わす漁夫の声を運んできた。私は、深い深い静けさを意識したわけではないが、夜の静けさを感じてはいた。そのうちにとつぜん、私の耳に、岸辺の近くで櫓を漕ぐ音が聞え、私の家の近くで人が上陸する音が聞えた。
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すると、廊下に足音が聞え、扉が開いて、恐れていたやつが姿を現わした。そいつは扉を閉めて私に近づき、声を殺して言った。
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「出て行け! 約束は破るよ。おまえみたいな、できそこないの邪悪なやつを、もう一人つくる気はないのだ。」
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「僕は煮えきらなかったが、もうそれもやめた。おまえがいくら脅迫したって、それに負けて邪悪な行動を取ったりはしないぞ。それはかえって、おまえに悪事の相棒をつくってやらぬという決意を、固めさせるだけのことだ。死や惨事を見て喜ぶような悪魔を、冷静な気もちでこの世に野放しにできるものか。出て行け! 僕の決心は変らないぞ。おまえの言うことは、僕の怒りを昂ぶらせるだけだ。」
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光文社古典新訳版
「おまえは奴隷だ!前はおとなしく言い聞かせたが、下手に出るべき相手ではないことがわかった。いいか、おれには力がある。おまえは自分が惨めと思っているようだが、どん底に落として日の目を見るのもいやだと思うほどの不幸を味わわせてやるぞ。おまえはおれをつくったが、今はおれは主人だ。言うことを聞け。」
角川版
「お前は奴隷なのだ!前には情理を説いてやったが、どうやらお前は、俺が下手に出るような人間ではないらしいな。俺に力があるのを忘れたわけではあるまい。お前は自分の身の上を嘆いているのだろうが、日の光すら見たくもなくなるほど不幸にしてやることも俺にはできるのだぞ。いくら俺を創ったのがお前でも、お前の主人はこの俺なのだ。従え!」
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雷、また出てきましたね。これは科学技術でしょうか、力でしょうか。
「畜生め、黙れ。そんな悪意のこもった声で空気を毒さないでくれ。僕は僕の決意を言いきったし、おどし文句に屈するほど臆病でもないぞ。出て行け。言ったってむだだ。」
「よろしい。行くよ。しかし、おぼえてろ、おまえの結婚の夜には行くからな。」
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「それならよし、出てゆこう。だが覚えておけ、おまえの婚礼の夜に、きっと会いにゆくぞ」
私はつかまえようとしたが、怪物は身をかわして、まっしぐらに家を飛び出した。それから二、三分経つと、そいつが小舟に乗っているのが見えたが、その舟は矢のような速さで海をよこぎり、やがて波のあいだに見えなくなった。
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判断力も腕力も実行力もないくせに、啖呵だけ一丁前の主人公であった。
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怪物の半分も人の気持ちがわかっていないような。
もしもその通りの展開になったとして、怪物は創造主ひとり殺したら、それで諦めて後追い自殺してくれるとでも?
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怪物は自分についてくるだろうから、残る人たちは安全だってこないだ言ってなかったっけ?
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怪物が独立した生命体ならば、それが己を全うすべく、食欲や性欲や承認欲求を満たそうとすることは罪でしょうか?
他人の財物を破壊したり、子どもを殺したり、などの行為については、悪いとわかってはいたようなので、本人?に(も)責任があると言ってもよいと思うのですが。
フランケンシュタイン君は、神(なり自然の秩序)に愛され(存在を容認され)ていたのに(自ら神になろうとする振る舞いにより?)その掟に反した罪あるものだとしても、生まれ落ちた瞬間に作者から存在を否定された(それならせめて創った者が自分の手で死なせるべきだったのか・・・?)怪物君に「罪」はあるのでしょうか。
難しい問題です。
難しいトコなんですが、無論そもそもの罪はヴィクトルにあります。
命を生み出す「科学者」の理論はあっても
「育ての親」になる責任感は全くなかったワケですから。
怪物は虐待児童にも似た立ち位置に思われます。
しかし彼は無力ではない。
幸か不幸か知性があり、自分の生きる権利を主張し
その為に振るう腕力すら持ち得ています。
それはヴィクトルの身勝手さから「育った」ものですから
怪物が悪意から復讐を始めたのではないことは、私も理解しています。
けれど苦しみを分かつ伴侶を求めた時点で
伴侶が背負う苦を無視しているんではないかとも思うのです。
古い映画版では、怪物は余り知能が無く
アクシンデントで少女を殺してしまうシーンに改変されていました。
彼に「知」があることは、それほど難しい問題なんでしょうね。
人を殺めるという怪物の恐怖しか認識せず
自分の残虐さを理解していないヴィクトルには
ほんとムカつきます。ええ。
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https://www.google.co.jp/maps/place/%E3%82%A4%E3%82%AE%E3%83%AA%E3%82%B9+%E3%83%91%E3%83%BC%E3%82%B9/@56.8318114,-4.6797223,8z/data=!4m5!3m4!1s0x488615c6fb484d03:0xb65f146e7df49618!8m2!3d56.394994!4d-3.4308381
テイ河右岸の都市ですね。そうか、このあたりでクレルヴァルと別れたんでしたっけね。
フランケンシュタインのいるオークニー諸島からは266マイル。
https://www.google.co.jp/maps/dir/%E3%82%A4%E3%82%AE%E3%83%AA%E3%82%B9+%E3%82%AA%E3%83%BC%E3%82%AF%E3%83%8B%E3%83%BC%E8%AB%B8%E5%B3%B6/%E3%83%91%E3%83%BC%E3%82%B9,+%E3%82%A4%E3%82%AE%E3%83%AA%E3%82%B9+%E3%83%91%E3%83%BC%E3%82%B9/@57.6676354,-5.8730119,7z/data=!4m14!4m13!1m5!1m1!1s0x489b9f93ef41121f:0x30c681a0642b050!2m2!1d-2.9605206!2d58.9809401!1m5!1m1!1s0x488615c6fb484d03:0xb65f146e7df49618!2m2!1d-3.4308381!2d56.394994!5i1
飛行機を別として、現代でも半日はかかりそうですね。
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remains of the half-finished creature
「人間の生体をこまぎれにしてしまった」のと、死体を寄せ集めて生き物を作ろうとしたのと、どちらがより「胸の悪く」なることか、何かびみょーな気もしますけれど。
さらに怪物の心を殺し、
その結果多くの命を殺してしまったワケで…
シェリーはヴィクトルの罪をどう定義したいのでしょうね。
気になります。
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見た目はともかく、心の部分は、作った当初から「悪鬼」だったわけではないような。
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へとへとになって、数時間も恐ろしい不安に堪えてきたので、精も根も尽きはててしまったが、いまだしぬけに、だいじょうぶ助かるというみこみがついて、暖かい血のように喜びが胸に溢れ、眼から涙がほとばしった。
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すると、嗄れた声の男がそれに答えた、「そのうちにわかるさ。たぶん、あんたの気に入らない所に来たわけだよ。あんたの宿の相談に乗る者はないだろうよ、きっと。」
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「イギリスのしきたりがどんなのか知らないがね、悪党を憎むのがアイルランド人のしきたりさ。」
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「ええ、そりあね、正直な人間にとっては、たしかに自由だよ。カーウィンさんというのは、知事(行政・司法を兼ねる長官でいわば奉行とでもいうべきもの。訳=註)――だ。昨夜ここで殺されていた紳士のことで、詳しく話してもらおうじゃないか。」
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英辞郎の訳だと治安判事ですね。
1922年以前にはアイルランドにも置かれていたようです。https://en.wikipedia.org/wiki/Justice_of_the_peace#Ireland
えーと、てか、これはアイルランドなのか? ずいぶん長く漂流したってこと??
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ヴィクトルおまえ…( ゚д゚)
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この小説っていわゆる「ゴシック小説」じゃないですか。今で言う「ラノベ」みたいな、ドン・キホーテが家にたくさん持ってた「騎士道物語」みたいな、そういう類のものだったと思うんですよね。だから当時のいわゆる知識人みたいな人のほとんどはこの作品を読んでいなかったんじゃないかと思っています。
1931年のボリス・カーロフ主演の映画でも「ドラキュラ」に続く「ホラー第2弾」として映画化されたわけで、要するに20世紀に入ってからもそういうもんだと思われていた。
「フランケンシュタイン・コンプレックス」という言葉はアイザック・アシモフが1950年に発表した「われはロボット」が最初だそうです。そう考えると、このとき初めてこの作品が「あ、ホラーであるだけでなくSFでもあるんだね」と認識され始めたんじゃないですかねえ。
少なくともこの作品が発表された1820年頃の時点では「幼稚な恐怖小説」みたいな扱いだったのではと思います。テーマとかをまじめに考える人はあまりいなかったのでは。
あと、これも何の根拠もないんですけど、どうしても私にはヴィクトル=パーシーに思えるんですよね。作者がヴィクトルを描く視線には、妻が夫を見る目のような、アンヴィヴァレントなものをすごく感じます。すごく惹かれる部分と、危険だと感じる部分がないまぜになっているような、そんな気がしています。
私はまもなく知事の前に伴れて行かれたが、知事というのは、ものごしの穏かで柔かな、やさしそうな老人であった。とはいえ、かなり厳しく私に眼をくれてから、案内してきた者に向って、誰がここに証人として出ているのかと尋ねた。
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息子は父親の話を確証した。しかし、ダニエル・ニュージェントは、証言に呼び出されると、義兄が倒れる直前に、岸に近いところに一人の男の乗った舟を見たが、乏しい星明りで見分けることができたかぎりでは、それは自分かさっき乗っていた舟と同じであった、と自信ありげに言った。
一人の女の証言によると、この女は浜の近くに住んでいて、死体発見の話を聞く一時間ほど前に、自分の家の戸口に立って漁師の帰りを待っていたが、そのとき一人だけ乗った舟が、あとで死体の見つかったあたりの波うちぎわから出かけていくのを見た、ということだった。
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the same boat in which I had just landed
→現在の語り手であるフランケンシュタインが乗ってきた舟、ですね。
次の女の証言の「自分の家」her cottageは女性自身の家を指しています。
この証言の部分、原文も特に会話文にはなっていないところですが。
英語だと人称もややこしく感じないですが、日本語だと(というかこの訳文だと?)ちょっとまどろっこしい感じがしますね。
私の上陸のことで、ほかの数名の男が調べられたが、いずれも言い合せたように、昨夜はずっと強い北風が吹いたので、この男は何時間も吹きまくられて、出かけた所とほとんど同じ場所に戻されてしまったのにちがいはあるまい、と述べた。のみならず、この男は死体をほかの町から持ってきたと見え、ここの海岸を知らないために、この町から死体を棄てておいた場所までどれだけ隔たっているのかわからずに、港へ入って来たものらしい、とも申し立てた。
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人間の体ではもはや、堪えてきた苫悶を支えることができなくなって、私は、烈しい痙攣を起したまま部屋から運び出された。
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さいわいに、自分の国のことばをつかったので、私の言ったことがわかったのは、カーウィン氏だけであったが、私の身ぶりと激しい叫び声は、ほかの目撃者を怖がらせずにはおかなかった。
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えーと、自分の国の言葉、ということは、ここはアイルランドで、村人たち(庶民?)は普通、英語は解さない、ということなんですかね。
・・・とコメント208で思い出しました(遅いわw)。
ここでいう「自分の国のことば」はフランス語ってことかな?
で、村人は基本、アイルランド語、なのかな。
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という表現は、なんかとてもヴィクトルっぽい。
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「もうよくなりましたかね?」とその老婆が言った。
私も英語で、弱々しい声を出した、「どうやらね。しかし、これがすべてほんとのことで、夢ではないとすると、まだ生きてこんなみじめな恐ろしい目にあうのは、残念ですよ。」
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私は、胸がむかむかして、命の瀬戸ぎわからたったいま引き返したばかりの人に、こういった無情なことばをかけることのできる女から、眼をそらしたが、けだるくて、過ぎ去ったことをすっかり回想することができなかった。
生涯の全連続が夢のように見え、ときにはそれが、ほんとうに現実のことであるかどうかを疑った。というのは、それが現実の力を伴って順に浮んでこなかったからだ。
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残りわずかになってきましたが、すぐ寝込んでしまって問題解決を先送り&人任せにする主人公に苛々しっ放しです。
それだけのことをしたのはアンタ自身だろうが!
自分のパートナーや自分の息子がこういう奴じゃなくてよかったと本気で思ってしまいます。失敗しても、少なくとも、相談だけはしてくれると信じてます。そうでなきゃ、やり切れないよ~
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さらっとフランス語で話せる知事カーウィン氏は、相当の教養人だと思ってよいのかな。何か、欧州の言語事情がいまひとつよくわかりませんが(^^;)
「ありがとうございます。しかし、おっしゃってくださることは、僕には無意味なのです。地上にはどこにも、僕の受けられる慰めはないのですから。」
「見知らぬ人の同情が、君のように妙な不運にひしがれた者にとって、ちっとも助けにならないことは、わたしも知っています。けれども君は、まもなくこの憂欝な住まいから出ることになりそうですよ。犯罪の嫌疑から解放されるような証拠が、きっと、たやすく出てきますからね。」
「そんなことはちっとも考えていません。奇妙な事の成りゆきで、僕は人間のうちでいちばんみじめな者になりました。僕のように悩み苦しめられる者にとっては、死ぬことなんか禍ではありませんよ。」
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ここはmortal(死すべき定めの者)を使っていますね。
カーウィン氏がこんなことを言ったので、そのために自分の苫悩を思いかえして興奮したにもかかわらず、また私のことをよく知っているらしいのにもかなりびっくりした。私の顔にかなり驚きが現われたと見え、カーウィン氏は急いで言った――
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「この不安は、どんなに恐ろしいことより千倍もこたえるのです。おっしゃってください、新しい死の舞台がどんなふうに演じられたか、こんどは誰が殺されて悲しむことになるのか。」
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どんな考えからそう思うようなことになったのかわからないが、殺害者が私の不幸を嘲笑しにやって来て、やつの鬼畜のような願望に私を同意させるための新しい刺戟として、クレルヴァルが死んだと言って私を罵るのだということが、たちまち私の頭に浮んだ。私は手で眼を掩って悶えながら叫んだ。――
「おお! そいつを追いはらってください! 僕は会うわけにいかないんだ。後生だから中に入れないでください!」
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「君のお父さんが見えたとしたら、そんなひどい反感を見せないで、歓迎するにちがいないと、わたしは思うがね。」
「父ですって!」と私は叫んだが、苦悶が歓びに代ってそのために顔の造作も筋肉も弛んだ。「父がほんとに参りましたか。それはそれは御親切に! だけど、どこにいるんです、どうして急いで来ないのでしょう。」
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このとき、父が来てくれたほど嬉しいことはなかった。そこで私は、手をさしのべて叫んだ、――
「それじゃ御無事でしたね、――エリザベートは――それからエルネストは?」
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運わるく殺された友人の名は、この弱りきった状態では、なかなか堪えられない刺戟であった。私は涙を流した。
「ああ! そうなんです、お父さん。何かしらひどく怖ろしい宿命が僕に迫っていて、それが終るまで僕は生きなくちゃならないのです。でなかったら、僕はきっとアンリの棺の上で死んでしまったはずですよ。」
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そ、そうなのかなあ。自業自得のような。もうヴィクトルには解決する気はないのかしらん。
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創元推理文庫版では、
「こうまでみじめな憎むべき命を、彼らはなぜとりとめさせたのでしょう。」です。
「ああ!なぜこうも惨めな憎むべき命を、彼らは生き長らえさせたりしたのでしょう?それは無論、この運命を私にまっとうさせるためだったのです。」
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何かこの辺の制度もいろいろ興味深そうですが。
> この町へ来てから二週間後には、私は監獄から釈放された
a fortnight after my removal I was liberated from prison
ここは告訴が却下されて「被告人」ではなくなって(my removal)から2週間後に釈放された、と言っているのではないかと思うのですが。どうかな?
起訴された者が「被告人」となり、小陪審による刑事裁判を受けることになります。
まだ「被疑者」の段階で身柄拘束されていたのが、容疑が晴れて釈放されたのでしょう。
「告訴」というのは、被害者が、起訴してほしいと申し出ることです。
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「化け物じみた姿にもまして、化け物じみたまがいものの魂を授けてしまったあの生き物を、(狙いあやまたず滅ぼしてしまわなくては・・・)」とあります。
ここは創元版の方が原文の意を汲んでいるでしょうね。
化け物じみた姿かたち(monstrous Image)のあいつを滅ぼさなければならないが、その姿は私が与えたもので、私は同時に、姿かたちよりなお化け物じみた偽物(mockery)の魂を与えてしまったのだ、というところでしょう。
生れた時点で、姿かたちはともかく、魂はそうmonstrousではなかったと読者としては思うのですが。
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現在のル・アーブルですね。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%82%A2%E3%83%BC%E3%83%B4%E3%83%AB
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ふと思ったのですが、シェリーって(というかこの時代って)「意識」についてはどう思っていたのでしょうね?
死体(多分脳も含めて)を使っているわけなので、元の持ち主の記憶とかが残るとか、元の持ち主が「蘇る」的な発想にはならなかったのでしょうか・・・?
怪物は、知識に関してはまるでまっさらな「赤ちゃん」のような状態で生まれているわけで、何だかちょっと不思議な感じがします。
パラケルススとかアグリッパの名前が出てくるので、もっと何か「ホムンクルス」https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9B%E3%83%A0%E3%83%B3%E3%82%AF%E3%83%AB%E3%82%B9みたいなぼーばくとした感じだったのでしょうか・・・?
19世紀って近いようで遠いですね・・・。
もし心と脳が同一であれば、怪物は蘇った時にその脳の持ち主と同じ心を持っているはず。ブルガーコフの「犬の心臓」という小説は犬に人間の脳(心臓だったっけ?)を移植したら犬がどんどん人間みたいになっていくというお話ですが、そんな感じで。
なんか、そういう解釈も聞いたことがあるんですよね。そもそもヴィクトルがなぜ最初から怪物をあんなに嫌ったのかと言うと、それはこの時代に死体を手に入れようとしたらそれは当然犯罪者とかそういうのしか手に入れようがなかったわけで、だから実はヴィクトルの目には怪物は生まれた時から「こいつは犯罪者の塊」みたいに見えていた、みたいな。
でも心と脳が別のものであるならば、怪物が前世(?)の脳に支配されることはない。なぜなら脳は単なる内臓器官の一つに過ぎず、意識とはその脳が作り出したものにすぎないから。
デカルトも心身二元論を唱えていますし、この時代でも科学的な、合理的な立場では心身二元論や人間機械論が主流だったと思うんです。
メアリー的にというか、ヴィクトル的には「心と脳は別」なんでしょうけど、この物語の根幹にあるのは「でも、本当にそうなの?」という疑いのような気もします。
なんか、仰るとおり茫漠としてたんでしょうね。理屈としては二元論が正しいような気がするけれど、実際に確認する技術がないから本当にそうだとは言い切れない、みたいな。
今は医学的に答えが出てるんですかね。どうなんだろ。
航海は終った。私たちは上陸してパリへ行った。私は自分が体力を酷使してきたこと、これ以上旅をつづけるにはどうしても休息しなければならぬことが、まもなくわかった。父は、疲れを見せずに私を世話し、めんどうをみてくれたが、私の苦悩が何から来ているのかがわからず、この不治の病を医そうとして誤まった方法を考えた。父は私に、人との交際に楽しみを求めさせようと思ったのだ。ところが、私は、人の顔を見るのが嫌いだった。いやいや、嫌いなものか! そういった人たちは、私の兄弟、私の同胞であって、そのなかのどんないやらしい者でも、天使のような性情と天人のような性分をもった人間と同じように、私を惹きつけるのであった。
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沈黙を守っていて、気が狂っていることになりますかねえ?
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シェリーの意図はどこにあるのか分からないけど、
ヴィクトルの苦悩に筆舌を尽くしてるのは、スゴいですね。
今はオトナだから「このゆとりが!」って思うけど
罪に苦しむ姿は確かにそれっぽく聞こえる。
シナリオ次第では、ヴィクトルが善人の映画なんかもできるのかもなあ。
いろんな捉え方が考えられるところも、この物語が名作たるゆえんかも。
わかるけど、半端に聴かされる方はたまらない。
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my manners were calmer and more composed than they had ever been since my journey to the sea of ice.
えーと、ここは「氷海への旅以来の態度に比べて、穏やかで落ち着いてきた」ということじゃないかな。
今、氷海にいるわけではないと思うのですが。
「氷海」は、オークニー群島周辺のことかと思ったのですが、前編http://www.honzuki.jp/bookclub/theme/no264/index.htmlで怪物と対峙するところ(コメント285前後)に「氷の海」という記載があるので、そっちかなと思います。(10章の「怪物とのめぐりあい」のあたりです)
原文ではsea of iceとなっていますが、これは「海」というより氷原のことのようですね。氷河の中で怪物と再会して、その告白を聞いて以来、ということだと思います。
「ですからわたしの態度は、あの氷河への旅以来、絶えてなかったほど穏やかで冷静なものでした。」
「ヴィクトルさま――伯父さまがパリでお出しになった手紙を受け取りまして、とても嬉しうございました。あなたはもう、おそろしく遠い所にはいらっしゃらないで二週間もたたないうちにお目にかかれるわけなのね。おきのどくに、ずいぶんお苦しみになったでしょう! ジュネーヴをお立ちになった時よりおぐあいがわるいのじゃないかとおもいます。どうなったかとおもって心配で心配で、そのためにこの冬はとてもみじめな思いをして暮らしました。でも、お顔の色に平和を見、お心に慰藉や平静が欠けているわけでないことを知るのを私は望んでいます。
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エリザベート・ラヴェンザ
ジュネーヴで一七××年五月十七日」
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楽園からの追放は決まっている、というわけですね・・・。
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しかしヴィクトルの都合のよい独白を読むにつけ、これは、怪物についてだけだったのだろうか、と考えてしまいます。
成長するまで、だれも、この男の身勝手さに今まで気がつかなかったのでしょうか。せめて「ずれている」と思うことはなかったのかなあ、と不思議です。
来週末は上京予定なのでまた周回遅れになりそうですが、ゆっくり楽しませていただいています。
読み比べの方はまだ追いついていないので、後日また、さかのぼってコメントさせていただくこともあるかと思いますがご容赦ください。
それにつけてもヴィクトルめ!
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\"I fear, my beloved girl,\" I said, \"little happiness remains for us on earth\"
ここ、ちょっと不吉な感じですね。
「自分の生活(my life)」とされているところは、「人生」の方がふさわしいような気がします。「あなたに人生を捧げ、あなたが満足するよう努力する」というところでしょう。
「いとしい人よ、地上にはぼくたちの幸福はもうほとんど残っていないけれど、それでもぼくがいつか喜びを味わうことができるとしたら、それはみなきみがいてくれるからなのだ。いわれのない心配は忘れておしまい。きみだけのために、僕はこの命を捧げ、満ち足りて暮らす努力をしよう。」
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「それではおまえは、誰かほかに好きな人でもあるのかね?」
「そんなものはとこにもありませんよ。僕はエリザベートを愛しています。私たちがいっしょになるのを喜んで待っているのです。だから、日取りを決めてください。そうすればその日に、生死をかけて、あの子の幸福のために身を献げます。」
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式か済んだあとで、父のところにおおぜいの人々が集まったが、エリザベートと私は、水路で旅に出かけ、その夜はエヴィアンに泊り、翌日はまた旅をつづける、ということになった。天気がよく、風は追い風で、みんなが笑顔で私たちの蜜月の舟出を見送ってくれた。
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https://www.google.co.jp/maps/place/%E3%83%95%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%B9+%E3%80%9274500+%E3%82%A8%E3%83%93%E3%82%A2%E3%83%B3%EF%BC%9D%E3%83%AC%EF%BC%9D%E3%83%90%E3%83%B3/@46.3910406,6.4510194,11z/data=!4m5!3m4!1s0x478c234cf9a92fd3:0x408ab2ae4ba9fd0!8m2!3d46.401488!4d6.590949
レマン湖の南岸ですね。ミネラルウォーターで知られるエビアンの故郷です。http://www.evian.co.jp/evian/source.html
水のおいしいところなんですね。
それともあそこもここもと観光名所を織り交ぜて物語を構成しているところも、読者にむけたサービスの一環なのかしら?
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彼女のためを考えるなら、好きでも身を引く。
一緒に幸せになろうと思うなら、全部正直に打ち明けて、一緒に考える。
きみは、お子ちゃま。
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\\\"Be happy, my dear Victor,\\\" replied Elizabeth
なので、ここは普通に「答えた」でよいと思うのですが。
「元気を出して、ヴィクター」とエリザベスは答えました。「心配なさることなんて、何もないのよ。
とあります。将来の人生のことではなくて、今日一日を心地よく過ごして下さいということですよね。
太陽は沈みかけた。私たちはドランス河を過ぎ、小山の深い割れ目やもっと低い山の谷あいを通っている水路を眺めた。アルプス山系はこのあたりでは湖に近く迫っていて、私たちはその東の境になっている山々の円形劇場に近づいた。そのまわりにある森や、そのそばにさしかかった山また山のつらなりの下に、エヴィアンの尖塔が輝いていた。
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https://www.google.co.jp/maps/place/%E3%83%89%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%B9%E5%B7%9D/@46.3764859,6.5361764,13z/data=!4m13!1m7!3m6!1s0x478c3c30c388cb47:0x5a2806eec9c9d08!2z44OJ44Op44Oz44K55bed!3b1!8m2!3d46.362412!4d6.5452763!3m4!1s0x478c3c30c388cb47:0x5a2806eec9c9d08!8m2!3d46.362412!4d6.5452763
レマン湖に注ぎ込んでいる川ですね。エヴィアンの西側にあたります。この川がレマン湖に流れ込むあたりの地形が円形になっているので、これを「円形劇場」に例えているのだと思います。
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フランケンシュタインの勘違いぶりよりも、
それに気がつかないのか、
気がついているけれど、もっと大きな美徳(でも読者にはとんとみえない)があるから大目に見ようと思っているのか、
まわりの人たちの優しさに、なんだかイライラしてしまいます。
エリザベート危うし〜。
いよいよゴールが見えてきた感じですね。
パーシー、よっぽどとんでもない奴だったんだろうな。
上陸したのは八時ごろであった。私たちはしばらく、ひとときの光を楽しんで湖畔を歩き、それから宿屋に入って、暗くてぼんやりしてはいるがまだ黒い輪郭を見せている水や森や山々の美しい景色を眺めた。
雨へ落ちていた風が、こんどは西から激しく吹き起った。月は天心に達して傾きはじめたが、雲は禿鷹の飛ぶより速くそれをかすめて光をかげらせ、湖はあわただしい空模様を映して、起りはじめたおやみない浪のためにますます騒々しくなった。と、とつぜん、沛然として雨が降りだした。
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The moon had reached her summit in the heavens
これ、ちょっとおもしろい言い回しですね。
エリザベートはしばらく、おどおどとして、心配そうに黙ったまま、私の興奮を見ていたが、私の顔つきに何かしら恐怖を伝えるものがあったと見え、慄えながら、私に尋ねた。「昂奮なさるのは何のためなの、ヴィクトル? 何を怖がっていらっしやるの?」
「おお! 静かにして、静かに、」と私は答えた、「今夜だけは。そうしたらすっかり安全になるよ。けれど、今夜は恐ろしい、とても恐ろしいのだ。」
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妻が去ったあとで、私は、この家の廊下をあちこち歩きまわって、敵のひそんでいそうな隅々をみな調べてみた。しかし、どこにもそいつの形跡が見つからなかったので、何か都合のよいことが起って、やつが脅迫を実行に移すことが邪魔されたのだろうと推測しはじめたが、そのとき、とつぜん、耳をつんざく怖ろしい悲鳴が聞えた。それはエリザベートが寝ていた部屋からだった。こんな状態はほんのちょっとで終り、悲鳴がまた起ったので、私はその部屋に跳びこんだ。
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「聞くが早いか、真実の全貌がわたしの頭にひらめきました。腕は萎え、筋肉も繊維もことごとく動きを止めました。血が血管を駆けめぐり、手足の先でひくひくと疼くのがわかりました。そんな状態が続いたのはほんの一瞬でした。ふたたび悲鳴が聞こえ、わたしは部屋に突入していったのです。」
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私もいっしょに行こうとして、宿屋からちょっと離れた所まで行ったが、目が廻って、歩きぶりも酔いどれのようになり、とうとう、へとへとに疲れきって、眼に薄皮をかぶり、皮膚が熱病の熱で焼けるような気がした。こんなありさまで私は伴れもどされ、寝台に寝かされたが、どんなことが起ったのかわからず、何か失ったものを探すように、部屋を見まわすのだった。
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話が終ってから私は言った、「僕が告発するのは、そいつなのです。そいつを逮捕して処罰するために、ひとつ全力を尽してくださるようにお願いします。それは知事としてのあなたの義務ですし、人間としてのあなたのお気もちも、このばあい、そういう職責をはたすことをお厭いにならないだろうと、私は思ってもいますし、またおもいたいのです。」
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こう語ったとき、私の眼には怒気がちらついた。すると知事は、それに気がついて言った、「それはまちがっている。わたしは努力しますよ。わたしの力でその怪物をつかまえたら、きっとそいつの犯罪に相当した処罰をします。ただ、お話しになったそいつの性質から見て、それができそうもないと思うのですよ。そんなわけであらゆる適当な手段を講じますが、まあ、望みのないことだと思っていただかなくてはなりませんね。」
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「なんだと、」と私は叫んだ、「あなたは賢いのを自慢にしているが、なんて無知なのだ! おやめなさい。言っていることがどんなことかこぞんじないのだ。」
私は、腹立ちまぎれにいきなりその家を跳び出し、自分の家に帰ってほかに取るべき行動を考えた。
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エリザベートと、あとお父さんとね…
ぽんきちさんの「エリザベートの遺体を使って、というのがすごくこわい^ ^
上の弟、ほんと、どうしたでしょうか。
馬鹿な子だとは思ってたけど、本当に馬鹿な子ヴィクトル…!
「結婚したら教えるNE★」
「めっちゃこわい こわいけど大丈夫さ安心してNE★」
「告発するお!僕が作った怪物がわるものなんだYO★」
なんかもうおつむ残念過ぎてちょっとフイタ。
ずっとシェリーの気持ちを掴み切れずに読んでましたが
やっぱりシェリー、ヴィクトル大嫌いなんじゃ…。
というかヴィクトルという存在が
科学とか当時の世相的な何かを暗示しているのかな、とも思ったり。
こういう情況では、私の自発的な考えは、ことごとく形をひそめ、失くなってしまった。私は怒りに駆り立てられ、復讐だけが私に力とおちつきを与えた。さもなければ、錯乱状態か死に陥ったにちがいない時にも、この復讐が感情の鋳型になり、いろいろものを考えて平静にしていられるようにするのであった。
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こうして今や、死ぬ時にはじめて終るはずの私の放浪が始まった。私は、地上を広く歩きまわり、旅人が無人境や蛮地で出会うすべての辛苦に堪えた。自分がどうして生きてきたか、私は知らない。幾度となく私は、弱りきった手足を砂原に投げ出し、死を求めて祈った。しかし、復讐の念が私を生かしておいてくれたので、自分が死んで敵を生さながらえさせる気にはなれなかった。
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ヴィクトル…、ほんとうにざんねんなこ…。
夜の静寂を通して、声高い悪魔的な笑いが私に答えた。その笑いは私の耳に長く重くひびき、山々がそれにこだまをかえしたが、私は、地獄が嘲笑を浮べて自分を取り巻いているような気がした。私の誓いが聴かれず、私が復讐のために生きながらえているのでなかったら、あの瞬間に私は、たしかに気が狂ってこのみじめな存在を滅していたにちがいない。笑いがとまると、よく知っているいやらしい声が、どうやら私の耳の近くで、聞きとれるぐらいにひそひそと話しかけた、――「おれは満足だよ、ざまを見ろ! おまえは生きる決心をしたね、それでこそおれは満足だよ。」
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私はそれを追いかけた。そして、何箇月も、この追跡が私の仕事になってしまった。ちょっとした手がかりをたよりに、ローヌ河のうねりくねった流れを辿ってみたが、むだに終った。青い地中海が見えた。すると、私は、妙な機会から、例の悪鬼が、黒海へ向けて立とうとしている船に、夜のうちに乗りこんで隠れるところを見た。その船に私も乗りこんだが、どんなふうに逃げたのかわからないが、やつは逃げてしまった。
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To you first entering on life, to whom care is new, and agony unknown, how can you understand what I have felt, and still feel?
若くて、あまり苦労したこともない君にはまだわかるまい、といったところでしょうか。
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怪物も実際の「創造主」(フランケンシュタイン)を飛び越えて、信仰や何か別のものへの崇拝の気持ちが持てたらよかったのに。そんなものが持てないほど、つらい生涯だったのかなぁ・・・。
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作者の父は有名な革命思想家、その弟子のシェリーは無神論のパンフレットを配ってオックスフォード大学を放校になった男、妻がいるのに16歳くらいの作者とヨーロッパに駆け落ちしている。ナポレオンの時代の話だから、世間の倫理や道徳からは相当ぶっとんだとんでもないカップルだったに違いない。
そして、終盤のほうは、みなさん言われていますが、怪物とフランケンシュタインの関係の変化(?)に、おや^^と思ったり。
しかし、そういうわけで北極なのか、と物語の最初の部分に、やっと重なってきました。
いよいよ終盤ですかねえ。
敵の勝利は、私が難儀になるにしたがって増していった。やつが書き残したことばのなかには、こういうのがあった、――「覚悟しろ! おまえのほねおりはこれから始まるのだ。毛皮で身を包み、食料を用意しろ。まもなく、おれの永遠の憎しみがおまえの苦悩を見て満足する旅に入りこむのだから。」
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chief article of maintenance
これちょっとおもしろい言い回しですね。いきなりこう出てきたら、どう訳すか、ちょっと考えてしまいそう。何か出典があるのかしらん。
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なんかちょっと超自然的な存在、みたいな感じ? キリスト教でいう聖霊とはまた違う感じなんでしょうか??
それ以来どのくらいの日数が経ったか、推側できないが、自分の胸に永久に燃える正当な復讐の感情がなくてはとってい支えきれない苦しさに、私は堪えた。氷の巨大な突兀たる山々が、たびたびゆくてをはばみ、また、今にもおまえは死ぬぞと脅かすような、大海の轟きが、たびたび足もとに聞えてきた。しかし、厳寒がまたやってきて、安全な海の道を作ってくれた。
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Despair had indeed almost secured her prey, and I should soon have sunk beneath this misery
「絶望」はsheなんですねw 女性名詞なのかと思ったら、フランス語では男性名詞みたいでした。
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「目的を棄てるよりは、もう一度海の情に身をゆだねようと決めていました。」
うーむ、宍戸さんが何で「ちがいない」としたのか、原文からはよくわからないですね。
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や、読んでる人の大半が君は利己的と思ってるんじゃないかと(^^;)。というか、どこかズレてる感が。
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2004年版の「フランケンシュタイン」の映画を見ました。
原作に割と忠実ながら、なにか違和感。
映画としてはやはり多少なりとヴィクトルに良心を
怪物に悪を持たせないとストーリーにならんのでしょう。
そこを少し改編しただけで、このフランケンシュタインという物語は
あっというまにチープな話になってしまう感。
宙ぶらりんなシェリーの書き方があって、
この名作が今もあるのかな、という認識が新たに出てきました。
一七××年八月二十六日
この奇妙な恐ろしい物語をお読みになったでしょう、マーガレット。そこで、僕が今でさえそうなるように、怖ろしさに血も凍る思いがしなかったでしょうか。この人は、ときには苦悶のあまりに、話をつづけることができなくなることもあり、またときには、声がとぎれて、苦悩しながら話そうとすることが、なかなか口に出ないこともありました。その美しい愛らしい眼が憤怒にきらきら輝いたかとおもうと、こんどは悲しみに萎れ、このうえもない悲惨な状態に沈むのでした。また、顔いろや声の調子もいつもと変らず、興奮のそぶりをちっとも見せずに静かな声で恐ろしい出来事を話すこともあり、迫害者を呪って甲高い声をあげながら、爆発する火山のように、顔がとつぜん荒々しい怒りの表情に変ることもありました。
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「あなたは気でも狂ったのですか。」とその人は言いました、「それとも、無意味な好奇心でお訊きになるのですか。まあ、まあ、おちつきなさい! 私の不幸がよい手本ですよ。不幸をわざと大きくなさってはいけません。」
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これはコメント29・30のあたりに出てくるもの(「わたしはこの手紙を写しておいた。(中略)お別れする前に、その手紙をあなたにあげましょう。それは、この話がほんとうのことである証拠になるだろうからね。」)ですね。原本を怪物が書き写しておいたものでしょう。スイスの氷河で怪物と出会い、ほぼ喧嘩別れしていた感じでしたが、手紙の写しは受け取っていたわけですね。
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原文貼っておきます。
Yet he enjoys one comfort, the offspring of solitude and delirium: he believes, that, when in dreams he holds converse with his friends, and derives from that communion consolation for his miseries, or excitements to his vengeance, that they are not the creations of his fancy, but the beings themselves who visit him from the regions of a remote world. This faith gives a solemnity to his reveries that render them to me almost as imposing and interesting as truth.
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何か、くらくらしますw
ヴィクトルが罪を犯す以前、学校の師について
「声もいいし、己への理解があるからイイ人!」的なことを
言ってたのを何となく思い出したり。
「人が思いもよらない事をやりとげる」ことにおいて
二人は共通しているワケだけど、それは同時に
「お前らには分からない」という思いあがりがあるのかかも。
今のヴィクトルには、かつてのそんな自分が見えるのかな。
だからウォルトンに自分の話をしたんだろうか?
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the archangel who aspired to omnipotence
えーとこれはつまり、「失楽園」で神に背いたルシファー(サタン)を指している、んですよね?
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怪物を造り出したのはすごいことなんだろうし、愛する者たちを失ってから、地の果てまで追いかけて怪物を始末しようとするあたりは、立派なことかも知れないけれど、その間にすべきこと、できることがあったのでは?と現代人なら思いますよね。
フランケンシュタイン氏、しっかり原稿チェックしてるし、あんたが悪いとか、こうすべきだったのにとか、言えないし書けないとは思いますが、手放しの称賛には違和感があります。
人造人間を造ることができる魔術師だということに、圧倒されてしまったのか。
怪物のことで責任を果たさねばならない、と考えたのは
それ自体は正しいなと思うのです。
今まで逃げ回っていた訳ですから。
ただそれを「息の根を止める」と思いこんでいるのは
やはりヴィクトルの思い上がりだなあと思いますが。
親だから子どもをどうしようが自由だろうが!とでもいうような。
正解があるとしたら、ヴィクトルが全てを捨てて
怪物と共に暮らすことだろうか、と思う。
もしシェリーがそう考えているとしたら、
「本当に愚かしい」物語として結末を迎えようとしている訳で。
当時の思想なども分かってないと判断できませんが
ホント、当時の評価が分からないのが悔しいなー。
結末まであと少し。よろしくお願いします!
姉さん、――なつかしいイギリスやそこに住む親しい人々を、二度と見るような運命にあるかどうか、あぶないものだし、またいずれとも知るよしもありませんが、とにかくそういうなかでこの手紙を書きます。脱出を許さず、今にもこの船を押し潰しそうな氷の山に取り巻かれているのです。僕が仲間になってくれと言って伴れてきた勇敢な連中も、助けを求めて私のほうを見ますが、どうすることもできません。事態はたしかに怖ろしくぞっとするようなものですが、それでも僕は、勇気と希望をまだ失っていません。しかし、この人たちが僕のために命の瀬戸ぎわに立っていると考えると、恐ろしくなります。僕らが命を失うことになれば、それこそ僕の気ちがいじみた計画か原因なのですから。
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https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%95%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%83%B3
部下の反乱ということでは、時代をさかのぼって17世紀初め、H.ハドソンの事例があります。北極海を渡る航路を探し、北米大陸を探検した人で、ハドソン湾やハドソン川は彼にちなみます。見積もりが甘くて食糧が不足し、部下が反乱を起こします。ハドソンはハドソン湾南端に置き去りにされて命を落としました。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%98%E3%83%B3%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%83%8F%E3%83%89%E3%82%BD%E3%83%B3
この手紙はどうやらお手もとにとどきそうもありませんが、それでもどうしても書いておかずにいられないような、そういう異常に興味のある場面が、たったいま見られたばかりです。
私たちはまだ氷の山に取り巻かれていて、あいかわらず今にもそれにぶつかって潰されるかもしれない危険にさらされています。寒さがひどく、たくさんの不運な同僚がすでに、この荒原たる天地のなかで死んでしまいました。フランケンシュタインの健康も、日ごとに衰えています。熱病の火がまだ眼のなかに輝いていますが、力が尽きはてて、とつぜん元気を出して努力するかとおもうと、すぐまた死んだようにぐったりとなるのです。
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不名誉の烙印 > the stigma of disgrace marked on your brows
スティグマってこんな風に使う言葉なんですね。
水夫たちが引き取ったので、友人のほうを向きましたが、友人はぐったりとなって、ほとんど死んだもののようでした。
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骰子(さいころ)は投げられました。僕は、もし破滅に陥らなければ帰るということに同意しました。こうして、僕の希望は臆病と不決断のために立ち消えとなり、僕は何もわからずにがっかりしたままで帰ります。
こんな不法に堪えていくには、自分のもっている以上の哲学を必要とします。
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フランケンシュタインの熱弁は唐突で、不思議な感じでした。気高い意向? 英雄主義? この自分本位の坊やが? もう偏見たっぷりで言わせてもらえば、「引き返してもらったら困るんだ。怪物おいかけてほしいんだもの」が案外本音じゃないか、と厭らしく考えてしまいます。
私は、どちらかといえば船乗りたちのほう寄りです。まずは生きてうちに帰りたいような。とはいえ、氷の中から脱出しなくちゃどうしようもないし・・・
このへんに怪物、からんでくるのかな。そうしたらおもしろそう。
本来は「生命を創造する憧れとその創造物が想像主を超える恐怖
のジレンマ」を差す言葉ですが、突き詰めれば
「人類という進化という義務とその範疇を超える思い上がり」
でもあるのかもしれないなぁ、と。
ヴィクトルの熱弁は至極ゴモットモなのだけど、
その先にあるのが私たちの今の世界であり、
素晴らしい発見がある一方、
己の命を縮めるような道具も存在するワケで。
キャラクターとしてはイヤなヤツなのですが(笑)、
ヴィクトルは正に人類そのものなのかも。
怪物を核や原子炉の置き換えてみると──
──現代でも起こりそうな話になってしまいそう。
あと2週かあああああ。
なのに深すぎる!深すぎるよメアリーシェリー…!!
事は終りました。僕はイギリスに帰るところです。人類の役に立つという望み、光栄の望みを失い――友を失ってしまいました。しかし、姉さんには、このせつない事情をできるだけ詳しく申しあげましょう。イギリスに向って、あなたのところに向って船で近づいているあいだは、僕も落胆しないでしょう。
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「ええ、そうです、哀しいことですが。あの連中の要求には逆らえません。いやなものを、むりやり危険なところへ引っぱって行くわけにはいきませんからね。ですから、僕も帰るほかはありません。」
「そういうことなら、そうなさいませんか。けれど、私は帰りません。あなたは目的をお棄てになるかもしれませんが、私の目的は天からきめられたもので。棄てる気にはなれないのです。私は弱っていますが、僕の復讐を助けてくれる精霊たちが、きっと十分な力を与えてくれます。」こう言って寝台からはね起きようとしましたが、そうするだけの力もなくて、あおむきに倒れて気を失ってしまいました。
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原文ではsurgeonで、船医を指すようです。軍医もsurgeon。
surgeonと言われたら外科医かと思ってしまいますが。
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そ、そうかあ?と思いつつ、後の文章を読むと女の怪物を作ってやらなかったことの話をしているのでしょうね。
うん、でも、それ以外にも色々ねえ……
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マーガレット、この赫々たる精神の時ならぬ消滅をなんと言ったらよいでしょう。僕の悲しみの深さを理解していただくためには、どう申しあげたらよいでしょう。僕の言い表わすことはみな、不十分で弱いのです。涙が流れ、失望の雲で心が暗くなります。しかし、私はイギリスを指して進んでいるのですから、帰れば慰めが得られるでしょう。
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すごく大きくて、身体の釣り合いが取れていないアンバランスな姿で、もじゃもじゃの長髪で、あと変な臭いを発している……「進撃の巨人」のエレンが巨人化したときみたいな姿?
「こいつもおれの犠牲だ!」とその怪物は叫びました。「こいつを死なせたからには、おれの犯罪ももうおしまいだ。おれの存在のみじめな糸も、すっかり巻き終えられたというわけさ。おおフランケンシュタイン! 寛大で献身的な人だった! 今俺が赦しを求めたところで、なんの役に立とう? おまえの最愛の人たちをみな殺して、おまえを死なせてしまったのだ、おれは。ああ、冷たくなっている、もう、おれに答えてくれないのだ。」
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え!? そうだったのか!?
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ここの原文は、And do you dream? なので、「笑わせないでほしい」は、少し意訳が過ぎるように感じます。それよりもう少し悲痛な感じがします。
怪物も苦しんだんですね。かわいそう・・・。
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やはり自分としては当時の評価が気になります。
現代人の私たちは「ヴィクトル変だろ!」と思うけど
当時の読者もそう感じたのか、という点が。
ちょっとネットで面白い論文見つけたんですよね。
http://www.gsid.nagoya-u.ac.jp/bpub/research/public/forum/26/01.pdf
かいつまんでいうと、怪物の扱いと言うのは
当時の大英帝国が諸国を植民地化し、先住民を奴隷とした扱いを
重ねているのではないか、という話です。
面白いなーとは思ったのですが
当時の意識からそこまで「平等」という意識があったかどうか、
特にメアリーシェリーがそこまで革新的な女性であったか
その辺の資料があれば知りたいなあと思ったり。
それにしても最後まで、ヴィクトルはエエトコなしでしたなぁ…。
┐(´д`)┌ヤレヤレ
私はこれ、ある意味、創造主である神に挑戦する話だと受け止めていたのですが、もしかすると生命を生み育てる女性性への挑戦でもあるのかしら?などと思ったりして。
フランケンシュタイン君、産んだら産みっぱなしなわけですが……(汗
はるほんさんの挙げられている植民地政策へのあれこれについて、時代的にはどうなのかは調べていないのですが、女性解放うんぬんについては、メアリー・シェリーのママが時代の最先端をいっていたフェミニストなんですよね。
『フランケンシュタイン』を読み終えたらちょっと、ママの方にも手を伸ばしてみようかなあ。
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ココまで聞いて怪物が悪党なんか…。
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これは現代の翻訳では使わないでしょうね(^^;)。rustic、田舎者くらいの意味でしょうか。85のコメントにあるエピソードの、溺れかけた娘を怪物が助けてくれたのに、銃で怪物を撃った男ですね。
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というのは、とても強い非難の言葉ですよね。私たちはここまでヴィクトルの人間性についてずいぶんツッコミを入れてきたわけで、それはある意味では怪物に対する共感でもあった。
でももしかしたら怪物の怒り、絶望、憎しみというのはもっとずっと奥深いものだったのかもしれない。というのは、もし怪物がヴィクトル個人を恨んでいたのならば、怪物はヴィクトル以外の「まともな」科学者に期待することもできたはず。そうするだけの知性は持ち合わせていたはず。
でも怪物はそうしようとは思わなかった。つまり怪物の憎しみの矛先は、実はヴィクトルではなかった。ヴィクトルを突き動かしたものをこそ、この怪物は最も憎んでいたような、そんな気がします。
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完
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>きっとこの人には怪物の言葉はまったく入っていかない
という言葉をしみじみと読みました。
怪物の言葉によって、ウォルトンがどう感じたかも書かれていない。
怪物は罪を犯してしまったけれど、
「父親」より科学という本質に寄り添っていたような。
人類が責任を取れない科学は、ただの無責任でしかない。
怪物はその象徴であるように感じます。
おりしも当時は産業革命の頃。
プロメテウスのサブタイトルが語る通り、
科学(火)を手にした人間が、成功と過ちの岐路にあるという
テーマもあったでしょう。
またソレを「生んだ」のが男性であるという点から
女性地位への皮肉もあったのかもしれません。
深読みもできるけど、シンプルに読んでも本当に面白い。
前から好きな物語(と怪物)ではあったけど
今回の読書会でさらに奥深さに気付くことができ、
コレも棺桶本にしようと思いました。
主催者様参加者様にもお礼申し上げます。
1年すごーく楽しかったです!
またこんな機会があるといいなー!
まだ関連書を読みながら考えを整理しています。
ウォルトンがフランケンシュタインに共感し擁護しているのが、現代人としては納得しかねるのですが、話の初めの方で、人格者の船長だか航海士だかを無知で無教養で対等な友達にはなり得ないと言ってたのを思い出しました。下層階級の者や女性や外国人を対等の人格としてみる発想がないのだから、自分が作った生き物の人権なんて、想像もつかないんだろうな。と思いました。
こんなに深く広い本とは思っていませんでした。こんな読書会向きの本をご提案いただいたおかげで貴重な時間を持てました。
コウルリヂ詩選
コウルリヂ詩選
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批評理論入門―『フランケンシュタイン』解剖講義
メアリ・シェリー『フランケンシュタイン』 2015年2月 (100分 de 名著)
批評理論入門―『フランケンシュタイン』解剖講義
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ただ単に思いつきだけでなく、その都度しっかりと派生読書を読み進めていく姿勢!尊敬します!
実は私、本日この本を入手しました。
http://www.honzuki.jp/book/255945/
もちろん読もうと思ってのことですが、あれやこれやで読み始めるめどは立っていません…(汗)
関連読書かと思ったら彼方まで飛んで行ってしまうことも多いですしw
失楽園 上 岩波文庫 赤 206-2
失楽園 上
失楽園 下
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早稲田文学増刊 女性号 (単行本)
「 この優れてポップな現代の神話的物語は、フェミニズム/クィア批評の伝統の一端を作っています。
まず、その誕生からいわくありげな物語である。最初の版につけられた序文は、彼女の夫が書いています。まるで自分が書いたものであるような顔をして。のちにつけられた、彼女自身の手になる序文は、以前の序文を書いたのは夫であることを暴露している。しかし彼女は、自分のことを「付け足し」として語るのみである。そして肝心の内容といえば、男性の主人公が饒舌に語り、進む物語である。
(コメント欄につづきます)
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(早稲田文学増刊女性号 P539)
メアリ・シェリー作品におけるロマン主義文学の廃墟的光景:男性英雄像の破壊、及び英雄に代わる女性像 早稲田大学大学院教育学研究科博士学位請求論文
序論ではフェミニズム批評に対する評価と同時に問題点の指摘、本論ではプロメテウス問題や科学と錬金術の話、また本書が当時どのように受容されたかということも詳細に研究されています。
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https://waseda.repo.nii.ac.jp/?action=pages_view_main&active_action=repository_view_main_item_detail&item_id=10889&item_no=1&page_id=13&block_id=21
リンク覗いてきました。ダウンロードしてざっと眺めたところですが、読みでがありそうです。あとでじっくり拝見します~。
鎖を解かれたプロメテウス
鎖を解かれたプロメテウス
メアリの夫、パーシーの作品です。フランケンシュタインの副題にも「現代のプロメテウス」とありますが、さて、プロメテウスとは当時の彼らにとってどういった人物だったのでしょう、というところにもつながりそうです。
もう1つ、アンソロジーですが
書物の王国 吸血鬼
ディオダディ荘の怪奇談義に参加したバイロン卿とポリドリの作品が採られています。バイロン卿のは廃墟のロマンを感じさせます。時代の雰囲気という点では、参考図書としてもよいかもしれません。
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間に合わなくても、読めればレビューは書くつもりでいます。
フランケンシュタイン
巻末に収録されている新藤純子さんという方の書かれた解説が素晴らしいですね!
30ページ越えの本格解説ですが、コレ目当てで古書購入してしまおうかと思ってしまいました。
しかし、しかしですね。コレを読んでしまったら、私がこねくり回していたあれこれがいかに浅はかな考えかということを思い知らされたわけでして、ますますレビューが書けないという…ね。(汗)
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フランケンシュタイン
http://www.honzuki.jp/book/242...
とにもかくにも,こんなに楽しい企画を立ち上げて下さった哀愁亭さんに感謝!
また来年も楽しいお誘いを心からお待ちしています!w
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メアリー・シェリー研究―『フランケンシュタイン』作家の全体像
メアリー・シェリー研究
うーん、何か、語りつくせていない気がするのですが(^^;)。この掲示板に参加されていた方には結構おもしろく読めるのではないかと思います。370のコメントで哀愁亭さんが紹介されている論文の執筆者である市川純さんも何章か担当されています。
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主催の哀愁亭さん、参加の皆様、ありがとうございました。結局のところ、本作についての感想がうまくまとまらないのですが、いろいろ考える機会をいただき、感謝です。
細かいところに引っかかりがちだったような気もしますが、お付き合いいただき、ありがとうございましたm(__)m