夏の雨さん
レビュアー:
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司馬さんの少年のこころ
「私は城が好きである。」で始まる司馬遼太郎さんの文章が好きだ。
「あまり好きなせいか、どの城趾に行ってもむしろ自分はこんなものはきらいだといったような顔を心の中でしてしまうほどに好きである。」
まるで少年の高揚した気分のようなこの文章は、「街道をゆく」シリーズの7巻めとなる『甲賀と伊賀のみち、砂鉄のみち ほか』に収められた「大和・壷坂みち」にある。
この時の城は奈良にある高取城で、日本三大山城の一つといわれる名城。司馬さんでなくとも城好きの人には名の知られた城といえる。
この城に限らず、司馬さんの「街道をゆく」では多くの城が登場する。城好きの読者にはそのあたりも魅力のシリーズといえる。
司馬さんは好きなのは城だけではない。
つづく「明石海峡と淡路みち」にはこうある。
「どうも海峡がよほど好きであるらしい。海峡という文字をながめているだけでも気持がさざなみだってしまう。」
こういう文章を読むと、こういう少年のような気持ちが司馬さんを旅にかりたてているのではないかと思える。
その旅は地球上の平面的なそれでもあるし、時空間を行き来するものでもある。
この巻のある「甲賀と伊賀のみち」では司馬さんが直木賞を受賞した『梟の城』に登場する「おとぎ峠」という名に魅入られたのも、少年の心だったのではないだろうか。
この巻の最後の旅「砂鉄のみち」では司馬さんがたびたび語っている鉄と日本人との関わりを山陰地方のタタラ遺跡を訪ねながら考察していく、重いテーマを持った旅といえる。
「あまり好きなせいか、どの城趾に行ってもむしろ自分はこんなものはきらいだといったような顔を心の中でしてしまうほどに好きである。」
まるで少年の高揚した気分のようなこの文章は、「街道をゆく」シリーズの7巻めとなる『甲賀と伊賀のみち、砂鉄のみち ほか』に収められた「大和・壷坂みち」にある。
この時の城は奈良にある高取城で、日本三大山城の一つといわれる名城。司馬さんでなくとも城好きの人には名の知られた城といえる。
この城に限らず、司馬さんの「街道をゆく」では多くの城が登場する。城好きの読者にはそのあたりも魅力のシリーズといえる。
司馬さんは好きなのは城だけではない。
つづく「明石海峡と淡路みち」にはこうある。
「どうも海峡がよほど好きであるらしい。海峡という文字をながめているだけでも気持がさざなみだってしまう。」
こういう文章を読むと、こういう少年のような気持ちが司馬さんを旅にかりたてているのではないかと思える。
その旅は地球上の平面的なそれでもあるし、時空間を行き来するものでもある。
この巻のある「甲賀と伊賀のみち」では司馬さんが直木賞を受賞した『梟の城』に登場する「おとぎ峠」という名に魅入られたのも、少年の心だったのではないだろうか。
この巻の最後の旅「砂鉄のみち」では司馬さんがたびたび語っている鉄と日本人との関わりを山陰地方のタタラ遺跡を訪ねながら考察していく、重いテーマを持った旅といえる。
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ニックネーム「夏の雨」は、宮本輝さんの「朝の歓び」という作品の中の一節、「あなたが春の風のように微笑むならば、私は夏の雨となって訪れましょう」から、拝借しました。
「本のブログ ほん☆たす」という名前で、本についてのブログを運営しています。
ブログでは書評のほかに、その本を読んだ時の「こぼれ話」や本の話題など掲載しています。
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- 出版社:朝日新聞出版
- ページ数:0
- ISBN:9784022644466
- 発売日:2008年09月05日
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