燃えつきた棒さん
レビュアー:
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※あくまでも、一個人の感想です。
バルガス=リョサや久野量一さんのファンの方は、気分を害するおそれがありますので、この駄文を読まないことをお勧めします。

※あくまでも、一個人の感想です。
バルガス=リョサや久野量一さんのファンの方は、気分を害するおそれがありますので、この駄文を読まないことをお勧めします。
そのかわりに、作品社がnoteに「訳者あとがき」の全文を公開していますので、そちらをお読みになることをお勧めします。/
【試し読み】マリオ・バルガス゠リョサ『激動の時代』「訳者あとがき」/全文公開中!
[[https://note.com/sakuhinsha/n/n7e6350caa00f」]]
【長い歳月が過ぎ、流浪の亡命生活にあったハコボ・アルベンス・グスマンは、権力の座についていたあの短い三年半を振り返り、共和国議会にかけるに先立って閣議に農地改革の草案を付議した、あの一九五二年四月から五月の数週間が自分の政府にとって最も重要な経験だったと思い出すことになる。】(本書)/
この部分、なぜかあの作品の書き出しにそっくりだ!
《長い歳月が流れて銃殺隊の前に立つはめになったとき、恐らくアウレリャノ・ブエンディア大佐は、父親のお供をして初めて氷というものを見た、あの遠い日の午後を思いだしたにちがいない。》
(ガルシア・マルケス『百年の孤独』鼓直 訳/新潮社/2006年)/
ひょっとして、この小説、『百年の孤独』にオマージュを捧げたものだろうか?/
◯描写について:
登場人物がやたらと多い反面、それぞれの人物の描き分けがやや足りないような気がする。
風景描写や人物の周囲の物(家具・調度などの)などの描写が少ないので、映画のシナリオのように感じてしまう。
あるいは、書き割りのなかで演じられる芝居のように。
また、主人公のマルティータ(マルタ)・ボレロ・パラ(ミス・グアテマラ)に代表されるように、登場人物の名前が長くて、しかも()内で示したようなその時々で異なった略称で呼ばれている箇所も多くて、頻繁に登場人物一覧を確認しないと誰なのか判然としなかった。/
《バルザックは次のように述べる。(略)人間は、(略)みずからの必要に適合させたすべてのもののなかにその慣習や思考や生を表現する傾向がある。
(略)長編小説を書くということは、人間の行動の総体を組み立てるばかりではなく、その登場人物たちの近くにあることによって、あるいは遠くにあることによって、彼らと必然的に関連する物の総体を組み立てることでもある》(ミシェル・ビュトール『レペルトワールⅡ』/石橋正孝 監訳/幻戯書房/2021年)/
この小説には、バルザックいうところのその人物をよく表しているはずの周囲の物がほとんど描かれていない。たとえば、ユイスマンス『さかしま』におけるデ・ゼッサントが収集したの品々のような。/
この小説は、アメリカの一時間一話完結ドラマのように、ほぼ会話とストーリーだけで成り立っている。
血と裏切りとアメリカ=CIAによるクーデターの歴史も、イザベル・アジェンデ『精霊たちの家』(木村榮一訳/国書刊行会/1989年)などで既に見た光景であり、やや退屈さを感じざるを得なかった。
いったい人間には、性欲、金銭欲、権力欲の三つしか無いのだろうか?
深作欣二の『仁義なき戦い』シリーズを五本一気観してしまった後のような深い虚脱感を感じた。/
長い間、僕にはなぜなのか分からなかった。
アメリカがやることは、なぜこれほどまでにプーチン・ロシアの野蛮な振る舞いと酷似しているのだろうか?
それは、たぶん信仰を同じくしているからではないか?
アメリカ合衆国憲法修正2条には、「規律ある民兵は自由な国家に必要であるから、人民が武器を保持し携帯する権利は奪われない」と規定されている。
何人の大統領が銃で殺されようとも、銃による大量殺人でどれほどの国民が命を奪われようと、暴力への信仰はアメリカにおいては崇高にして不可侵の価値なのだ。
フランシス・フォード・コッポラが『ゴッドファーザー』シリーズでアメリカを描いたと言ったとき、実をいうと最初はあまりピンと来ていなかったのだが、アメリカが「自由世界の盟主」、「世界の警察官」などの美名の陰で行ってきた数々の蛮行を知れば知るほど、コッポラの言葉が真実だということが分かって来る。
銃で奪ったものは、必ずや銃で守らなければならないのだ。
そして、アメリカを手本としこれに追随する者は、必ずや戦争への道を歩み始めるだろう。/
以前、同じリョサの『世界終末戦争』(旦敬介訳/新潮社/1988年)を読んだときにはその迫力に引きずり込まれたが、この作品にはあまり入り込めなかった。登場人物たちの「それぞれの声」が聞こえてこないのだ。
たとえ、ノーベル文学賞受賞者の作品だったとしても、小説というものは長く書き続ければそれだけで素晴らしい作品が生まれて来るというものではないような気がする。
たぶん、リョサにはもっと素晴らしい小説がたくさんあるのではないだろうか?
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この部分、なぜかあの作品の書き出しにそっくりだ!
《長い歳月が流れて銃殺隊の前に立つはめになったとき、恐らくアウレリャノ・ブエンディア大佐は、父親のお供をして初めて氷というものを見た、あの遠い日の午後を思いだしたにちがいない。》
(ガルシア・マルケス『百年の孤独』鼓直 訳/新潮社/2006年)/
ひょっとして、この小説、『百年の孤独』にオマージュを捧げたものだろうか?/
◯描写について:
登場人物がやたらと多い反面、それぞれの人物の描き分けがやや足りないような気がする。
風景描写や人物の周囲の物(家具・調度などの)などの描写が少ないので、映画のシナリオのように感じてしまう。
あるいは、書き割りのなかで演じられる芝居のように。
また、主人公のマルティータ(マルタ)・ボレロ・パラ(ミス・グアテマラ)に代表されるように、登場人物の名前が長くて、しかも()内で示したようなその時々で異なった略称で呼ばれている箇所も多くて、頻繁に登場人物一覧を確認しないと誰なのか判然としなかった。/
《バルザックは次のように述べる。(略)人間は、(略)みずからの必要に適合させたすべてのもののなかにその慣習や思考や生を表現する傾向がある。
(略)長編小説を書くということは、人間の行動の総体を組み立てるばかりではなく、その登場人物たちの近くにあることによって、あるいは遠くにあることによって、彼らと必然的に関連する物の総体を組み立てることでもある》(ミシェル・ビュトール『レペルトワールⅡ』/石橋正孝 監訳/幻戯書房/2021年)/
この小説には、バルザックいうところのその人物をよく表しているはずの周囲の物がほとんど描かれていない。たとえば、ユイスマンス『さかしま』におけるデ・ゼッサントが収集したの品々のような。/
この小説は、アメリカの一時間一話完結ドラマのように、ほぼ会話とストーリーだけで成り立っている。
血と裏切りとアメリカ=CIAによるクーデターの歴史も、イザベル・アジェンデ『精霊たちの家』(木村榮一訳/国書刊行会/1989年)などで既に見た光景であり、やや退屈さを感じざるを得なかった。
いったい人間には、性欲、金銭欲、権力欲の三つしか無いのだろうか?
深作欣二の『仁義なき戦い』シリーズを五本一気観してしまった後のような深い虚脱感を感じた。/
長い間、僕にはなぜなのか分からなかった。
アメリカがやることは、なぜこれほどまでにプーチン・ロシアの野蛮な振る舞いと酷似しているのだろうか?
それは、たぶん信仰を同じくしているからではないか?
アメリカ合衆国憲法修正2条には、「規律ある民兵は自由な国家に必要であるから、人民が武器を保持し携帯する権利は奪われない」と規定されている。
何人の大統領が銃で殺されようとも、銃による大量殺人でどれほどの国民が命を奪われようと、暴力への信仰はアメリカにおいては崇高にして不可侵の価値なのだ。
フランシス・フォード・コッポラが『ゴッドファーザー』シリーズでアメリカを描いたと言ったとき、実をいうと最初はあまりピンと来ていなかったのだが、アメリカが「自由世界の盟主」、「世界の警察官」などの美名の陰で行ってきた数々の蛮行を知れば知るほど、コッポラの言葉が真実だということが分かって来る。
銃で奪ったものは、必ずや銃で守らなければならないのだ。
そして、アメリカを手本としこれに追随する者は、必ずや戦争への道を歩み始めるだろう。/
以前、同じリョサの『世界終末戦争』(旦敬介訳/新潮社/1988年)を読んだときにはその迫力に引きずり込まれたが、この作品にはあまり入り込めなかった。登場人物たちの「それぞれの声」が聞こえてこないのだ。
たとえ、ノーベル文学賞受賞者の作品だったとしても、小説というものは長く書き続ければそれだけで素晴らしい作品が生まれて来るというものではないような気がする。
たぶん、リョサにはもっと素晴らしい小説がたくさんあるのではないだろうか?
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#名刺代わりの小説10選
「ユリシーズ」/「百年の孤独」/「砂の女」/「苦海浄土」/エミール・アジャール「これからの一生」/「失われた時を求めて」/「城」/「ダロウェイ夫人」/「薔薇の名前」/アンドリッチ「ドリナの橋」
#短編を10作品選んで史上最高の短編集を作れ
◯目取真俊:「群蝶の木」
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◯深沢七郎:「楢山節考」
◯黒島伝治:「橇」
◯フロベール:「純な心」
◯ナボコフ:「ロシアに届かなかった手紙」
◯ カテリーナ・モートリチ:「天空の神秘の彼方に」
◯ チェーホフ:「六号室」
◯カフカ:「流刑地にて」
◯ゴーゴリ:「外套」
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- ISBN:9784867931035
- 発売日:2025年08月06日
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