そうきゅうどうさん
レビュアー:
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本書から分かることは、本気で起業したり成功したい人は、成功セミナーに出たり成功本なんか読むより、トキソプラズマに感染しろ、ということだ(´∀`)ケラケラ。
「あなたはだれ?」──本書はこんな問いで始まる。この問いはすぐに「わたしはだれ?」という問いに転換されるが、本書『生命とは何か 溶けていく「個体」の境界線』の中で著者の中屋敷均が「生命とは何か」を通じて本当に問うているのは、哲学における独我論の問題に通じる問いである。
本書は第一話から第八話と終話の全9話構成で、生物のさまざまな生存戦略が描かれる。例えば第一話「怒れる大神」で紹介されるトキソプラズマ原虫の戦略はこんな感じ。
中屋敷は哲学者ではなく、カバー袖の著者紹介によれば神戸大学大学院農業研究科教授で専門は細胞機能構造学。なので、本書も自身の専門分野である生物学の観点から「生命とは何か」というテーマについて純粋に科学的に論じているのだが、それが進めば進むほど哲学的な独我論の問題に接近していくのが興味深い。これは例えば、物理学の量子論(の解釈論)が宗教的なものと結びついていくのと非常によく似た構造で、純粋な科学は究極的には哲学・宗教へと収斂していくのかもしれない。
私は以前、『ウィルスは生きている』のレビューで「中屋敷均に外れなし」と書いたが、本書もまた「中屋敷均に外れなし」である。
本書は第一話から第八話と終話の全9話構成で、生物のさまざまな生存戦略が描かれる。例えば第一話「怒れる大神」で紹介されるトキソプラズマ原虫の戦略はこんな感じ。
トキソプラズマ原虫は、大きさが数㎛程度の半円~三日月形をした小さな細胞を持つ真核単細胞生物である。マラリアの原因となるマラリア原虫などと近縁の生物であり、宿主の細胞内でしか増殖できない偏性細胞内寄生(絶対寄生)と呼ばれる生態を持っている。(中略)この原虫は多くの温血動物に感染するものの、ネコ科動物を本来の宿主(終宿主)としており、ネコ科動物の中でしか卵(オーシスト)を作ることができない。つまり有性生殖をしてオーシストを作るためには、どんな動物に感染していても、ネコ科動物の体内に戻ってこないと生活環を完結できないという宿命を持っている。それはヒトでも同じで、
これを実現するために、この原虫はなんとも巧妙で恐ろしい戦略を展開する。それは感染した宿主の行動を操るのである。たとえばトキソプラズマに感染したネズミは、ネコを恐れなくなる傾向があることが1980年代から観察されてきた。(中略)つまりトキソプラズマに感染したネズミは、リスクを恐れなくなり、ネコに引き寄せられ、捕食される。そのことによりトキソプラズマ原虫は晴れてネコ科動物の体内への帰還を果たすのだ。(p.20-22)
2028年に発表された米国コロラド大学の研究によれば、(トキソプラズマ)感染者は非感染者と比べて失敗を恐れる気持ちが低く、独立して起業する指向性が強いことが報告されている。(中略)起業イベントに参加した社会人197名においても、起業に成功した人の感染率は、そうでない参加者と比べて1.8倍高かった。さらに、過去25年間の42ヵ国におけるトキソプラズマ感染と起業実態の国別データを分析すると、トキソプラズマ感染の有病率が高いほど、起業活動や起業志向が高い傾向にあったと報告されている。(p.29)ここから分かることは、本気で起業したり成功したい人は、成功セミナーに出たり成功本なんか読むより、トキソプラズマに感染しろ、ということだ(´∀`)ケラケラ。…とまぁ、それはともかく、これは「自由意志とは?」という問題とも繋がり、更に話数を重ねていくと「『個体』とは一体何か?」あるいは「そもそも『個体』など本当に存在するのか?」という疑問が浮かび上がってくる。
中屋敷は哲学者ではなく、カバー袖の著者紹介によれば神戸大学大学院農業研究科教授で専門は細胞機能構造学。なので、本書も自身の専門分野である生物学の観点から「生命とは何か」というテーマについて純粋に科学的に論じているのだが、それが進めば進むほど哲学的な独我論の問題に接近していくのが興味深い。これは例えば、物理学の量子論(の解釈論)が宗教的なものと結びついていくのと非常によく似た構造で、純粋な科学は究極的には哲学・宗教へと収斂していくのかもしれない。
私は以前、『ウィルスは生きている』のレビューで「中屋敷均に外れなし」と書いたが、本書もまた「中屋敷均に外れなし」である。
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「ブクレコ」からの漂流者。「ブクレコ」ではMasahiroTakazawaという名でレビューを書いていた。今後は新しい本を次々に読む、というより、過去に読んだ本の再読、精読にシフトしていきたいと思っている。
職業はキネシオロジー、クラニオ、鍼灸などを行う治療家で、そちらのHPは→https://sokyudo.sakura.ne.jp
この書評へのコメント
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- keena071511292026-05-09 16:00
>『ブルーロック』には猫カフェを併設することを強く進言する
これも良いですね
日本はネコのトキソプラズマ感染率が低いそうなので
トキソプラズマをカプセルにして売ってくれんかなクリックすると、GOOD!と言っているユーザーの一覧を表示します。 
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- 出版社:講談社
- ページ数:0
- ISBN:9784065429983
- 発売日:2026年02月19日
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