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Toru Kobayashi
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初学者が普通の数学書を読む際に、どこで遭難するのか、をちゃんとわかっていて、つまづきそうなところをあらかじめ整備し、さらにつまづく寸前に手を差し伸べて助けてくれている。まさに懇切丁寧とはこのこと。
あのデザインパターンの本、いわゆるところのGoF本(正式には『オブジェクト指向における再利用のためのデザインパターン』)は、界隈ではほとんどバイブル的な扱いを受けていて、確かにすごい本だとは思うが、正直なところあまり読みやすいとは言えず、ちゃんと内容を理解できたのかと問い詰められるとちょっと微妙だったりもする。
そんな時にものすごく助かったのが『Java言語で学ぶデザインパターン入門』だった。
実際のところわたくしはほとんどJavaは使ったことがなかったのだけど、それでも非常にわかりやすく、デザインパターンの本質的な理解にずいぶん役立ったものだ。
そんなことがあって、わたくしにとっては結城浩さんというのはソフトウェア関係の人、ということになっている。しかしながら、少なくとも最近は、おそらく「数学ガール」シリーズに代表される、数学をわかりやすく解説する本の人であるらしい。
最近、群論に関する本を2冊ほど読んだ。けれどももうひとつすっきりせず、もうちょい何か良いのがないかな、と探していると、あの結城さんが書いた『群論への第一歩』というのがあるではないですか。
ちょっと分厚いな、と少しためらいつつも、前記のデザインパターンでの安心と信頼の実績をもとに、手を出してみた。
読んでみると、これはもうさすが、という感じだ。初学者が普通の数学書を読む際に、どこで遭難するのか、をちゃんとわかっていて、つまづきそうなところをあらかじめ整備し、さらにつまづくであろう寸前に手を差し伸べて助けてくれている。まさに懇切丁寧とはこのこと。
そういう意味で、これは群論の初歩を解説しつつ、数学の本の読み方、学習の仕方をガイドする本でもある。
言ってみれば補助輪付きの自転車みたいなもんで、少し慣れてきた人、多少わかってきた人にとってはだんだんとクドく、まどろっこしく感じるかもしれない。でもそこに値打ちがあるんですよ。
そんなわけで、この本でわたくしもやっと、群論の基本的な概念が理解でき始めた気がする。少し前にかじってみた複素関数論なんかと比べると、かなり抽象度が高い。複雑な計算はほとんど無くて、とにかくロジックの世界だな、という感じ。
でもそれが、やたら面白い。ひたすらロジックを突き詰めて行くのだけど、とにかく実際に手を動かすことで、その感覚を身に付けていく、というあたりも含めて。
次はそろそろ補助輪を外してみようかなと思います。
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Toru Kobayashi
Toru Kobayashi さん本が好き!1級(書評数:601 件)

サービス終了となったブクレコから漂着いたしました。
とりあえずブクレコのレビューをサルベージしてどばどば貼り付けてます。
てことでひとつよろしくお願いしますです。

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