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ぽんきち
レビュアー:
実験器具キャラクターたちと楽しむ化学実験の世界
『科学道100冊』の1冊。

変わった著者名だが、名前の通り、上谷さん夫妻によるユニットである。夫が元化粧品メーカー研究員、妻は元体育会系だそうで、2人で理系イラストレーターとして活動している。イラストは夫がメイン、着色などの作業は妻が行っているとのこと。
タイトルの「ビーカーくん」とは夫がメーカー勤務時代に作り出したキャラクターで、本書の前作に当たる「ビーカーくんとゆかいな仲間たち」には130以上の実験器具キャラクターが登場するのだそうである。
著者名には出ていないが、奥付によれば、時折挟み込まれる少々長めのコラムはサイエンスライターの山村紳一郎氏が書いているようである。

本作ではさまざまな実験器具たちが、いろいろな化学実験を紹介する。
つくる実験
はかる実験
観察する実験
分ける実験
に大別されるが、小中学校でやったような実験もあればかなりマニアックな実験もあって、なかなかおもしろい。器具もビーカーやメスシリンダーのようなメジャーなものもあれば、キップの装置とか比重ビンとか、特殊な用途にしか使わないと思われるものもあり、へぇぇと感心する。

「つくる実験」は、気体を発生させたりせっけんを作ったりと割と内容に予想のつきやすいものが多い。
「はかる実験」では、質量の変化や中和滴定、凝固点降下などを扱う。
「観察する実験」では、ブラウン運動や発光、炎色反応などを見ていく。
「分ける実験」は、ろ過や抽出、蒸留などを解説する。
小難しいようだけれども、各実験を漫画と図鑑で紹介しており、これがちょっとすっとぼけた味わいでなかなかおもしろい。実験や実験器具の特性がレーダーチャート(図1)であらわされるのだが、全実験共通の「危険度」、「マニアック度」、「かかる時間」はいいとして、下方2つの「リトマス紙の色が変わるときのじわじわ感」とか「臭いのキツさ」ってなんですかw

簡潔にではあるが、実験手順や材料にも触れられており、実験を行う参考にもできそうである。
実験の多くは、器具も特殊で薬品も多いため、一般家庭では難しいものがほとんどと思われる。実際に行う場合は、小中学校あるいは高校の化学クラブ・サークルあたりを想定しているのだろうか。
    • 図1
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ぽんきち
ぽんきち さん本が好き!免許皆伝(書評数:1828 件)

分子生物学・生化学周辺の実務翻訳をしています。

本の大海を漂流中。
日々是好日。どんな本との出会いも素敵だ。

あちらこちらとつまみ食いの読書ですが、点が線に、線が面になっていくといいなと思っています。

「実感」を求めて読書しているように思います。

赤柴♀(もも)は3代目。
この夏、有精卵からヒヨコ4羽を孵化させました。そろそろ大雛かな。♂x2、♀x2。ニワトリは割と人に懐くものらしいですが、今のところ、懐く気配はありませんw

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