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献本書評
かもめ通信
レビュアー:
常々「絵本のレビューは難しい」と思っていたので、勉強のつもりで手にしたのだが……これはねえ!目から鱗がボロボロ落ちたよ!おまけに紹介されている本がどれも面白そうで……ついついあれこれ手が伸びる!
昔から絵本が好きだ。
それはもちろん“子どもの頃から”という意味でもあるが、
“大人になってからもずっと”という意味でもある。

子どもの頃、
愛読していた本の多くは、絵本も児童書も
妹へと引き継がれた後、従妹や知り合いの子の元へに行ったり
親の手でバザーに出されて誰かの元にもらわれていったりしてしまったが、
大人になって、
再び巡り会って手にした絵本もあれば、
新たに出会って愛読するようになった絵本もある。

インテリアとして飾っている本もあれば、
時々思い出しては本棚の奥から引っ張り出して手にとってみる本もある。

そういう意味では私にとって絵本は
思い出の中のものでも
誰かに読んであげるためのものでもなく
年に1、2度、誰かへのプレゼントとして選ぶ以外は、
純粋に自分で楽しむためのものなのだ。

けれども、絵本のレビューを書くのは非常に難しく
何度も書きかけてはやめ、また書きかけて……を繰り返してきた。

そんなわけで“絵本入門”。
この本をきっかけに、絵本のレビューを書けるようになればいいなあという
ごく単純な動機から、献本に応募したのだが、
これがもう、目から鱗がぼろぼろ落ちる衝撃的な本だった。

2部構成のうち
第Ⅰ部・絵を読むこと の導入部は、難しい論文調で、
(これは最後までついて行けるか?!)と
正直ちょっと心配にもなったが、
気を引き締めてよく読めば、色や余白や線の使い分けなど
なるほど、こんな工夫がなされているものなのか!と関心納得。
読み進めるに従って
絵がどうやって物語を語っているのかがつまびらかにされていく。

続く第Ⅱ部・さまざまな作品の絵を読む では、
海外と日本、古典と現代にわけて
具体的な作品をあげてその秘密に迫る。

『スーホの白い馬』の絵を描いた赤羽末吉さんは
こんな経歴の持ち主だったのか!

『かもさん おとおり』のマックロスキーの
こだわりの仰天エピソードときたら!

何度眺めたかわからないあの『旅の絵本』
まだまだ私の知らない秘密があるとは!

あの本もこの本も、
こんな風に読み解けるのか!
こんな仕掛けがあったのか!!

この本もその本も
なんて面白そうなんだろう!!

と、ちっとも「絵」を読み込めていなかった自分を恥じ入るとともに
絵本の魅力を再認識。

だがしかし、
文字で表現されていないことを
レビューで紹介するのはまた
なかなか難しいことなのであった。
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かもめ通信
かもめ通信 さん本が好き!免許皆伝(書評数:2237 件)

本も食べ物も後味の悪くないものが好きです。気に入ると何度でも同じ本を読みますが、読まず嫌いも多いかも。2020.10.1からサイト献本書評以外は原則★なし(超絶お気に入り本のみ5つ★を表示)で投稿しています。

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この書評へのコメント

  1. かもめ通信2018-08-22 09:29

    この本をきっかけに読んだ絵本のレビューもぼちぼちアップする予定。

  2. かもめ通信2018-08-23 06:38

    まずは『とらのゆめ』で書いてみましたが、やっぱり難しい(><)
    http://www.honzuki.jp/book/183928/review/210378/

  3. No Image

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