かもめ通信さん
レビュアー:
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「ぐるるる、がるるる…」もしかして、あなたのうちにもおおかみが?!
あるひ、いもうとの バージニアは めがさめると、
おおかみみたいに むしゃくしゃしていた。
最初のページを読んだとき、わたしはおもった。
(バージニアったらもしかして
桜町通り17番地のバンクスさんのところのマイケルみたいに
“ベッドのわるいがわから”おきてしまったのではないかしら?)って。
おねえちゃんのバネッサは
あれこれと気をつかって世話やくけれど
オオカミになったバージニアときたら
ぐるるる、がるるる
なだめようにもなだめられない。
いったいどうしたらあかるいきもちになれるのかしら?
“ブルームズベリー”に行けたらね。
“ブルームズベリー”?
“ブルームズベリー”ってどこかしら?
“ブルームズベリー”ってどんなところ?
(ああ、バネッサ!わたし知っている!
行ったことはないけれど
ブルームズベリーがどこにあるか!
ブルームズベリーにどんなひとたちがいたのか!)
だけど本を読んでいるわたしの声は
本の中のバネッサには届かない。
あれこれしらべて
あれこれ悩んだ末、
バネッサは……。
前々から気になっていた絵本だ。
なぜってこの本に出てくるバージニアは
“woolf”の“o”がぬけおちて
オオカミになってしまったのだときいていたから。
そうこれは、 わたしの大好きなあの本を書いたバージニア・ウルフと
彼女の姉で画家のバネッサ・ベルへのオマージュ作品。
けれども、この本を読み終えたとき
わたしが一番に思い浮かべたのは
バージニア・ウルフのことでもバネッサ・ベルのことでも
ブルームズベリー・グループの面々のことでもなく
今では滅多に会うことのない“お姉ちゃん”のことだった。
しかもそれはいつも仕事用スマホを片手にもって
せわしなく働いている忙しがりやの姉ではなく
おとうさんやおかあさんが仕事に出かけたあと
「学校に行きたくない!」とぐずるわたしをあれこれとなだめすかして
同じ小学生だったのに
「おなかがいたいといっているので、きょうの体育は見学させてください/姉」
などと連絡帳にかきいれていた
あの頃の“おねえちゃん”に
無性に会いたくなってしまったのだった。
※ 祝#やまねこ20周年記念読書会参加レビューです。
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本も食べ物も後味の悪くないものが好きです。気に入ると何度でも同じ本を読みますが、読まず嫌いも多いかも。2020.10.1からサイト献本書評以外は原則★なし(超絶お気に入り本のみ5つ★を表示)で投稿しています。
この書評へのコメント
- かもめ通信2017-11-01 06:32
この本の訳者小島明子さんは、この作品で第20回いたばし国際絵本翻訳大賞(英語部門)最優秀翻訳大賞受賞を受賞されたのですが、この絵本を出版するために、ひとり出版社「きじとら出版」を立ち上げられたのだそうです。
やまねこ翻訳クラブのHPにインタビュー記事があると教えていただきましたので、ご紹介しますね!
http://www.yamaneko.org/bookdb/int/akojim_i.htmクリックすると、GOOD!と言っているユーザーの一覧を表示します。 
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