書評でつながる読書コミュニティ
  1. ページ目
詳細検索
タイトル
著者
出版社
ISBN
  • ログイン
無料会員登録

薄荷さん
薄荷
レビュアー:
こんな細かいコトバにこだわってたのって、私だけじゃないんだ!
☆クリーニング屋をやっていると、見たこともない服がやってくることが多々あります。お客さんに教えてもらって、
輪っか状の幅広マフラー=「スヌード」
にょろっと長い前開きチョッキ=「ジレ」
・・・とお客様用伝票には書き込むわけですが、クリーニング工場用の出荷伝票には「輪マフラー」「長ベスト」と書いてます。
分かりやすさ優先の結果ですが、そんな今風なコトバを使うのがこっ恥ずかしいという理由もこっそりあります。

ですので、著者の「ズボン」=「パンツ」問題
パンツといえば、どうしても下着のイメージから抜け出せないし、こっちがズボンの話をしているのに、相手に下着の話と受け取られないか心配なんだけれど・・・。

・・・に、目頭を押さえつつ共感の嵐!

☆お店屋さんには、いろいろな人がやってきます。
1万円札を持ってきたヤツが、「両替してください。5千円札入っていいです
お客様が笑顔で私に、「いつも元気そうでいいですねー」
エステのセールスがやってきて、「こちらみたいにこじんまりしたところで働かれてると疲れるでしょ~?」
気を使ってる・・・と思っているのは言った本人だけで、言われた方は大変イラッとします。

ですので、著者の「思ってたより」問題
「思ってたより」という出だしのあとのコトバは、用心しなければならないのだった。これは、思っているより危険なのである。

著者が言われがちな「思ってたより、普通の人ですね」「思ってたより、ちゃんとしてる」・・・褒め言葉に見せかけた侮蔑ですから、大変イラッとするのは当然です。

☆先日当方にかかって来た電話いわく、
「おきゃくさまのおとちでおこまりごとはございませんか?」
色々不備のあるセリフの中でも、特に「おとち」というコトバが謎・・・。
こちらの誰何に不動産会社を名乗ってきたので、ようやく「お土地」に脳内変換できました。
なんでも「お」を付けりゃ丁寧だと思ったら大間違いだぜ、おニイちゃん!と言いたいところでしたが、「ウチ、借地なんでー」でガチャ切りされました(笑)

ですので、著者が提案する親しみやすい「お侍ジャパン」や、「お野菜」の「お」がちょっと照れくさいと言うのも、「お」のなせる業だねぇとニヤつきました。

さて、最後に「お」をつけると意味合いが違ってくる言葉で遊びましょうか。

休憩・・・・・仕事や運動などを行っている途中に少しの間休むこと
お休憩・・・お城のような外観のホテルの看板で見かけた
      例)「お休憩 5000円」

ビール・・・・麦芽,ホップ,水を原料とし発酵させて作る発泡性の酒
おビール・・・夜の蝶がお客さんにお酌するシチュエーション
       例)「おビール、お1つドーゾ」

フランス・・・・ヨーロッパ西部、大西洋と地中海に面する国
おフランス・・・ハイソな外国
        例)「おフランスの子供はおフランスパンを食べるザマス!」

ソース・・・・洋風の液体調味料
おソース・・・おしゃべりザウルス(知ってる人いる?)
       例)「おソース、どうぞー♪」

今更気付いたんですが「お」をつけると妙な感じになるコトバって、そこはかとなく昭和感が漂いますね(笑)。
そんなわけで昭和感が身に染みている皆様に、本書をお勧めいたします。
お気に入り度:本の評価ポイント本の評価ポイント本の評価ポイント本の評価ポイント
掲載日:
外部ブログURLが設定されていません
投票する
投票するには、ログインしてください。
薄荷
薄荷 さん本が好き!1級(書評数:510 件)

スマホを初めて買いました!その日に飛蚊症になりました(*´Д`)ついでにUSBメモリーが壊れて書きかけレビューが10個消えました・・・(T_T)

読んで楽しい:19票
参考になる:14票
あなたの感想は?
投票するには、ログインしてください。

この書評へのコメント

  1. 薄荷2021-09-15 18:08

    本書はぽんきちさん主催「2021年夏文庫フェアに挑戦!(2) ナツイチ https://www.honzuki.jp/bookclub/theme/no402/index.html?latest=20 」参加作品です。

    9月末が締め切りだそうなので、ぜひ皆様ご参加ください♡

  2. ぱせり2021-08-30 09:20

    共感したり、あ、私もそれ言ってるかも…と思ったり(^-^;
    こんなに笑ったのに、「読んで楽しい」以上のおボタンがないのが残念です。

  3. Roko2021-08-30 10:05

    ラフランス(洋梨)を見ると、頭の中で「おフランスざんす」と変換されてしまうわたしです(笑)

    フランス語を使うとおしゃれだと勘違いしてファッション業界が大量にジレーとかブルゾンとかといった言葉を導入しちゃったんですよね。

    おフランス・コンプレックスが日本人にはあるのかもしれません。

  4. 薄荷2021-08-30 19:09

    >ぱせりさん
    お楽しみいただけて良かった~(^-^;
    「読んで楽しい以上」おボタン(笑)押していただけて嬉しいです♡

  5. 薄荷2021-08-30 19:17

    >Rokoさん
    ラフランス→おフランスざんす・・・大変共感です!特に「ざんす」のとこが(笑)!

    フランス語=お洒落の公式が、日本人にゴリゴリ刷り込まれてるんでしょうねぇ。
    ちなみにブルゾンは、工場伝票でもちろんジャンパーです(^^)v

  6. たけぞう2021-08-30 21:53

    >薄荷さん
    なぜ、おフランスだけ用語があるのか、いまだに謎です。ほかの国にはつけないんですよね。実際、使っている人がいて、つっこみずらい微妙な気持ちになりました。
    ところで、こんな例はいかがでしょう?
    ・シャレ
    ・お洒落
    なんでこんなに意味が違うのか、気づいてしまった日本語の謎です。

  7. 薄荷2021-08-30 22:30

    >たけぞうさん
    おフランスだけ・・・言われてみれば!?Σ( ̄□ ̄;)
    おアメリカ、おイギリス、おドイツ・・・言わないですね!今更ビックリ(笑)です。

    シャレVSお洒落・・・なるほど。
    「そいつぁ、シャレにならねーな」と「そいつぁ、お洒落にならねーな」は全然違いますね( ̄▽ ̄)

  8. Roko2021-08-30 22:38

    「おフランス」はイヤミの遺産ですよねぇ。すごいなぁ、赤塚先生(笑)

  9. 薄荷2021-08-30 22:51

    >Rokoさん
    なるほど!「イヤミの遺産」ってコトバにちょっと泣けてくるのは、昭和生まれの涙もろさでしょうか・・・(^-^;

  10. No Image

    コメントするには、ログインしてください。

書評一覧を取得中。。。
  • あなた
  • この書籍の平均
  • この書評

※ログインすると、あなたとこの書評の位置関係がわかります。

『言えないコトバ』のカテゴリ

フォローする

話題の書評
最新の献本
ページトップへ