時の睡蓮を摘みに
第13回アガサ・クリスティー賞大賞受賞作。
令和の時代の百科全書派が現れた。 読み進むに連れ、そういう思いが強くなった。 はじめて久生十蘭を…
本が好き! 1級
書評数:129 件
得票数:2086 票
長野羊。SF、幻想文学好き。
もっと本を読みたいけど、酒酔いと寄る年並みに勝てず、さっさと寝てしまう日々。
第13回アガサ・クリスティー賞大賞受賞作。
令和の時代の百科全書派が現れた。 読み進むに連れ、そういう思いが強くなった。 はじめて久生十蘭を…
美しく、ロマンティックな西部劇の傑作。
国境三部作の完結編。 二作目の「越境」が一作目とは関係性が薄かったので、大戦時代のメキシコ国境とい…
文章の洗練さは三島由紀夫と並ぶものだと思うけど、津原泰水のユーモア感覚は澁澤龍彦に近い。
幽明志怪シリーズの二作目。 一作目の「蘆屋家の崩壊」では、「三十路を越えて定職につけずにいるぐうた…
現代音楽のよくわからないタイトルのつけ方は、高橋悠治がクセナキスに、「ちょっとわからない部分を残しておくのがいいと」教えられた話が面白い。
読みたいと思っているうちに、何十年も過ぎてしまった。 古本屋でみかけたときに買えばよかったと後悔し…
「わたしは本書を読んで、移住者が身寄りのない少女を、つまり、弱いものがさらに弱いものを、支配し搾取する構図に、現代性を見るように思った。」桜庭一樹
「ロリータ」は現代文学の古典。 はじめて読んだが、ケルアックの「オン・ザ・ロード」と雰囲気がよく似…
しばらくはこの体操を続けてみようかと思っています。
私も長年、腰痛に悩まされています。 この本にも書かれているとおり、病院に行っても強めの湿布を渡される…
読書家デヴィッド・ボウイが最も影響を受けた100冊。
2013年にロンドンで回顧展が開かれたとき、デヴィッド・ボウイは自分が「最も影響を受けた本100冊」…
評判通りの変なお話。
評判通りの変なお話。 というか、ここまで小説が絵本のような荒唐無稽な領域に踏み込んでいるものを読ん…
異形の都市伝説に彩られた不気味な物語。
団地、少年犯罪、そして大地震。 心の襞に染み入るような闇の事件と心理劇の数々。 この小説には現在…
「発達障がいを生きない」という抵抗的なタイトルが、自閉症と診断された彼女のこころをよく表現している本だと思います。
Aju(あじゅ)という、発達障がいの女性が自らのペンで彼女自身が生きる世界と彼女とともに生きる人々を…
「物理学者 寺田寅彦の方法序説ともいえる『物理学序説』を、現代物理学の視点から新たに読み解いていきます」
寺田寅彦の方法序説ともいえる未完の『物理学序説』を解説した本。 解説自体は簡潔なもので、原文は…
日本ハードボイルド小説の歴史に残る傑作。
作俊彦の長編第一作。 最近の矢作俊彦の小説とはかなり違っていて、とてもスピード感がある文体になって…
著者独自の大胆な視点で日本農業の歪みを直視し、その危機の本質を見極めつつ、あるべき日本農業の将来像を考える良書。
この著者は、日本の農業の現在進行形の現状と問題を危機感を露わに、そしてわかりやすく描き出している。 …
【第165回 芥川賞受賞作!】
「記憶を失くした少女が流れ着いたのは、ノロが統治し、男女が違う言葉を学ぶ島だった――。不思議な世界、…
とても長い物語で、主人公たちと一緒の光景を見ている気になる。
前作の『すべての美しい馬』とは登場人物は違い、また物語につながりはない。 通底するのは、アメリカ南…
現代にも通ずる欺瞞の系譜。
満洲国の崩壊の原因を分析しているが、まず、理論解説から入るのがすごい。 このポジティブ・フィードバ…
美輪明宏と三島由紀夫のコラボレーションと言ってよい本では。
江戸川乱歩の原作にもとづく三島由紀夫の戯曲と対談や関連エッセイを収める。 乱歩原作の「黒蜥蜴」の劇…
マッカーシーの数ある傑作のうちで、もっとも心を揺さぶる作品だ。著者は彼の世代で最高の作家の一人だと証明してみせた。(スティーヴ・エリクソン)
前評判として「子連れ狼」みたいな、というふりがあったのだが、それを持ち出すのは、ちょっと違うというか…
日本映画を愛する人の必携テキスト
この頃、日本の古い白黒映画や最近の台湾映画をよく観るようになった。 とくに意味はなく、インターネッ…
「この小説は、自分の行いのためにあまりにも厳しく罰せられた人々についてのものだ」
何十年かぶりの再読。 こんなにぐだぐだした内容だったんだっけ、と思うことしきり。 ディック読みが…