アンと青春




和菓子が彩る季節感も素敵な、瑞々しく温かいお仕事小説。
大福みたいなまん丸ほっぺがチャームポイントの杏子は、みんなに“アンちゃん”と呼ばれています。ふくよか…
本が好き! 免許皆伝
書評数:862 件
得票数:25660 票
「本が好き!」に参加してから、色々な本を紹介していただき読書の幅が広がりました。




和菓子が彩る季節感も素敵な、瑞々しく温かいお仕事小説。
大福みたいなまん丸ほっぺがチャームポイントの杏子は、みんなに“アンちゃん”と呼ばれています。ふくよか…





ひりひりする孤独を抱え成長する少女の姿を通じ、人生の痛みと生き抜く強さを描く。
その事件はローズの9歳の誕生日に起きた。ママが作ってくれたレモン味のバースデーケーキを食べたとたん、…



記憶が一日しかもたない男を主人公にした、斬新なミステリ。
男は通勤途中の駅で階段から転落し後頭部を強打した。救急搬送された病院で昏睡状態から覚醒するが、脳の海…




作者は丹念に煉瓦を積み上げ、一瞬で崩壊させて見せる。一歩前から奈落を覗きこむような緊迫感みなぎる短編集。
思わずしてしまったことが、まさかこんな結果を招くとは。本書の七つの短編は、その後の人生をガラリと変化…





硝子戸の外では季節がゆっくりと流れ、漱石の心には過ぎ去りし日々が流れゆく。
体調がすぐれず家に籠りがちな漱石は、世間と自分とを隔てる書斎の硝子戸の中(うち)からぼんやりと庭を眺…




「本はナチスと戦う武器である。」第二次世界大戦中のアメリカ戦勝図書運動と、戦地に送られた兵隊文庫をめぐるノンフィクション。
1930年代、ナチスドイツでは焚書が行われ厳しい思想統制が敷かれた。また第二次世界大戦中には、連合国…




脱力系の可笑しさと捨てられない夢への切なさが交差する、胸キュン青春記だ。
「田舎にいたら、田舎に飲み込まれちまう」 東北の海辺の町に住む二子の夢は、オシャレな漫画家にな…




遥か古代の歴史物語が幻想的な群像劇に生まれ変わった。ケン・リュウ版「項羽と劉邦」、開幕編。
司馬遷の『史記』に記された項羽と劉邦の話からは、過去にも小説や漫画など多くの作品が生まれている。秦の…




すべての年代の乙女たちよ。あなたの心はガラスじゃなく、マジパンでできているかい?
<時間旅行者の系譜>タイムトラベルファンタジー最終巻は、いよいよサンジェルマン伯爵の陰謀と不老不死の…





伸びやかで鮮やかなエッセイに、私の胸はキュンキュンだ。
小泉今日子さんの文章を雑誌や新聞で目にするたびに、なんてピュアでキュートなんだろうと思っていた。この…




維新直後の横浜で、マルセルは16歳の少女に恋をした。ふたりのフランス人海軍士官と古美術商一家の心温まる交友記録。
明治8年に日本を訪れた、若きフランス海軍士官の手記である。約1年の滞在期間中、著者デュバールと友人マ…




世界一の園芸都市、お江戸へタイムスリップ。
1860年、ロバート・フォーチュンという英国人が未知の植物を求め来日した。フォーチュンは中国からイン…




万年筆を使いこなせない漱石の姿は、スマホに買い替えて戸惑うオジサンに似ている。
皆さん、万年筆を最近使っていますか?今はキーボードで字を書くことが圧倒的に多いのですが、明治の頃には…




感性の水晶プリズム屈折率高し虹が見えるよこの本の歌
歌人の穂村弘さんが『ダ・ヴィンチ』に投稿された短歌に寸評をつける人気連載、本になった「短歌ください」…




作品はその人の魂を表し、食の嗜好はその素顔を表す。
美食家の作家たちの料理に関わる文章の抜粋と、愛したメニューの再現写真に、家族や友人のコメントが添えら…




「この世は生きるに値するか?」と聞かれたら、大きな声で「はい!」と答えたくなる。これはそういう小説である。
婦人公論が1954年に連載した『女性に関する十二章』は、男性作家・伊藤整から人生に悩む女性へのアドバ…



「余り金持になっていそうには思われない。」 森鴎外、夏目漱石を語る。
「森鴎外が夏目漱石を論じているとは!」と驚いて読んでみたら、たった4ページの随筆・・・というか、質問…





富める者も貧しき者も、叶わぬ夢の前では同等に敗者である。
☆上下巻合わせた書評です。 長い歳月を登場人物と共に歩んだような感慨と、胸を締めつける寂寥感を…




「海苔弁は、人を無防備にさせる。」平松さんの食べ物エッセイは、私を鼻息荒くさせる。
「ひとはなぜ目玉焼きを相手にすると狭量になるのか」 「ちくわは穴を食べるものだという気がする」 …





百年たっても醒めぬ夢。
昨夜見た夢を覚えていますか? この作品は文章で描かれた十編の「夢」です。美しく不気味でどこかユー…