健康で文化的な最低限度の生活(9) (ビッグコミックス)【Kindle】




貧困ビジネスが根絶されない要因に住まいの取得が困難という住まいの貧困がある。賃貸時に保証人や保証会社を要求されることは住まいの取得のハードルになる。保証人や保証会社は賃貸住宅市場を不透明にする要因。
貧困ビジネス編が始まる。貧困ビジネスの実態を見ると、生活保護を現物支給にすべきとの主張ももっともに思…

本が好き! 1級
書評数:3170 件
得票数:15365 票
歴史小説、SF、漫画が好き。『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』はマンションだまし売り被害を消費者契約法(不利益事実の不告知)で解決したノンフィクション。




貧困ビジネスが根絶されない要因に住まいの取得が困難という住まいの貧困がある。賃貸時に保証人や保証会社を要求されることは住まいの取得のハードルになる。保証人や保証会社は賃貸住宅市場を不透明にする要因。
貧困ビジネス編が始まる。貧困ビジネスの実態を見ると、生活保護を現物支給にすべきとの主張ももっともに思…




大衆的な料理のグルメ漫画であり、高価な食材で解決する話ではなく、消費者感覚で楽しめる。カレー店の不動産を狙う業者が敵役である。グルメ漫画は地上げ屋・追い出し屋との対立が王道展開の一つになっている。
ふなつ一輝『華麗なる食卓』はカレーライスのグルメ漫画。大衆的な料理のグルメ漫画であり、高価な食材で解…




貧困ビジネスはコロナ対策の給付金も不正受給を企む。現実世界がコロナ禍になっているから漫画でもコロナ禍を描くというだけでなく、コロナ対策の給付金の不正受給も描くところが優れている。
柏木ハルコ『健康で文化的な最低限度の生活』(小学館)は生活保護の現場を描く漫画。ケースワーカーが主人…




茶室は最小の空間に豊かな広がりを与える世界に誇る日本の伝統建築である。茶室が豊かな広がりを有する理由は、露地とつながっている点に求められる。露地は心の入れ替えをするための通り道である。
茶室は最小の空間に豊かな広がりを与える世界に誇る日本の伝統建築である。茶室が豊かな広がりを有する理由…




豊臣家が日本国王家となることで、豊臣秀頼の権威が高まり、秀頼が幼くても豊臣家の不可侵性が高まるだろう。それにもかかわらず、慶長の役を始めたことは豊臣家の没落を決定付けた。
二度目の朝鮮出兵である慶長の役は明との講和交渉の破綻で起きたとされる。朝鮮出兵は無益な戦である。伝統…




江戸時代の農民は虐げられるだけの存在ではなかった。お上に従順な奴隷根性の日本人は明治以降の国家主義が作ったものと言えるだろう。
宇江佐真理『通りゃんせ』(角川文庫、2013年)は会社員が江戸時代にタイムスリップする小説。ライトノ…





食事も常に凝った料理ではない。焼き鳥屋さんで買った焼き鳥を夕食にした日もある(179頁)。よく行く食材の買い物先は「コープさん」である。消費者感覚があふれている。
高山なおみ『帰ってきた 日々ごはん 10』(アノニマ・スタジオ、2022年)は料理家で文筆家の日記風…




味吉陽一は大衆食堂・日之出食堂で料理を出す。値段と味が比例しないことを実践している。「高けりゃ良いってものじゃないぜ」との台詞もある。無駄に金を使って金を回すことが経済発展という昭和の発想を否定する。
寺沢大介『ミスター味っ子』は料理漫画の古典である。主人公の味吉陽一は大衆食堂・日之出食堂で料理を出す…




値段と味は比例しない。高級料理より焼き芋が好きでも何らおかしくはない。コストパフォーマンス(コスパ)の高い生き方である。他人からの評価よりも自分が好きなものを素直に好きと言えることが大切である。
藤子・F・不二雄『ドラえもん』の源静香は焼き芋が好きである。しかし、恥ずかしくて人には隠している(『…




戦国時代は武士を中心に考えてしまいがちであるが、それは支配者に偏った歴史観である。穴太衆には公務員感覚とは対極の職人の合理的精神がある。挨拶や儀礼に時間をかけるよりも、アウトプットを出すことを優先する
戦国時代・安土桃山時代の石垣造りを生業とする穴太衆を描いた歴史小説。2021年下半期の直木賞受賞作。…




冤罪被害者は決して忘れないと言う。非歴史的な日本人は焼け野原から経済大国にしてしまうような前に進むことしかできない姿勢をもてはやすが、過去をきちんと振り返る姿勢は健全である。
井上ひさし『四捨五入殺人事件』(中央公論新社、2020年)は東北地方の農村が舞台。講演会に来た二人の…




諸葛孔明が死後に現代日本に転生して、無名歌手をプロデュースする。渋谷のクラブが舞台であり、半グレ・ヤンキー文化に嫌悪する向きは読まず嫌いになりがちである。しかし、三国志を踏まえた内容になっている。
諸葛孔明が死後に現代日本に転生して、無名歌手をプロデュースする。渋谷のクラブが舞台であり、半グレ・ヤ…




冤罪を晴らすという点が文学性を高めている。「花杖記」は冤罪被害者自身が書いた書物のタイトルである。冤罪が明らかになったら前しか見ないで生きるのではなく、過去をきちんと振り返る姿勢は立派である。
山本周五郎『花杖記』(新潮文庫、1981年)は時代小説の短編集。表題作の「花杖記」は冤罪を晴らす物語…




ソ連軍将校も視点人物にしている。日本人から見るとソ連の卑怯な騙し討ちとなるが、ソ連将校も上の命令に振り回されており、望んで戦場に来た訳ではなかった。憎むべきは民族ではなく、官僚制である。
浅田次郎『終わらざる夏 上中下』(集英社、2013年)は占守島の戦いを描く歴史小説。占守島は千島列島…




シュテルンリッターのバンビーズは陛下への忠誠心で固まっていない点が魅力的である。陛下に会わせる顔がないというメンバーに対して、「気にしなくていいんじゃね。会ってもぼーっとしとけば」と答える。
久保帯人『BLEACH―ブリーチ― 65』(集英社、2014年)は主人公の黒崎一護が参戦する。シュテ…




浦原喜助は「息子の将来を親が奪うかどうかって話だ 何回も確認すんのが当然っス」と言う。一回の確認で終わらせない。公務員的なアリバイ作りの意思確認は自己決定権の尊重ではない。
久保帯人『BLEACH―ブリーチ― 51』(集英社、2011年)は死神代行消失篇。井上織姫は「どんな…




毒ヶ峰リルカは「大丈夫か」と問われて、「大丈夫じゃないわよ」と答える。「大丈夫か」と聞かれると反射的に「大丈夫」と答えてしまう人が多い。相手も単に「大丈夫」と答えて欲しいだけで質問することがある。
久保帯人『BLEACH―ブリーチ― 50』(集英社、2011年)は前巻から始まった「死神代行消失篇」…




フランス王国のルイ14世が絶対王政を確立できた要因として貴族が宮廷文化に骨抜きにされたことがある。これは現代の消費者にも勉強になる。自分が消費したいものを消費することが賢い消費者である。
ブルボン朝はフランス王家と言えばブルボン朝というくらい印象が強い。しかし、アンリ4世、ルイ13世、ル…





仏師が職業化した室町時代以降の方が語りたいことが多くないだろうか。仏師も世俗化したことで、仏像にも新しい傾向が生まれなかったのだろうか。
江里康慧『仏師から見た日本仏像史』(ミネルヴァ書房、2021年)は日本の仏像の歴史書である。仏教は朝…




GCSは評価者間の一致率が高い優れた基準である。唯一の欠点は複雑なことである。それ故に日本の救急現場ではJCSが多く利用される。あくまでもJCSの限界を認識した上でのものである。
患者の意識レベルの評価方法の代表的なものにJCSとGCSがある。 ジャパン・コーマ・スケールJap…