偶人(からくり)館の殺人 (ノン・ポシェット)



  

史実とリンクさせて作り上げられている。本書の欠点としては、犯行のからくりトリックが唸るほどのものではなかったこと。犯行前に紹介されるからくりの数々の方がよっぽど魅力的で、尻すぼみに感じました。
					本が好き! 1級
					書評数:118 件
					得票数:103 票
					
平安末期~鎌倉初期が好きですが、好きなジャンルだけに偏らないよう千差万別に本は読みます。



  

史実とリンクさせて作り上げられている。本書の欠点としては、犯行のからくりトリックが唸るほどのものではなかったこと。犯行前に紹介されるからくりの数々の方がよっぽど魅力的で、尻すぼみに感じました。



  

ステーシーのその後は、いらなかった。個人的には見たくありませんでした。謎は無理に解明させない方が、ステーシーズの世界観があって良かった。なんだか中途半端に付け加えられていたような気がして、急にSF。


  

実はシリーズもの?な作品なので、謎が多すぎて頭が混乱します。今回は東の果て半島がどうしてあのようになってしまったのか謎の一部が解明されますが、小出しも良いところ。気になって物語の内容が入ってきません。


  

魔法使いが登場しましたが、百発百中のアルダ・ココの占いが一番最強。ある種、アルダ・ココの占いも魔法の一種になるのかもしれませんね。しかし、カード占いと石占いの違いがいまいちよく分かりません。


  

これまで著者が書いた二つの作品とおなじ世界観でありながら、本作品はそれらとは異なる国を舞台とした物語となっています。実はシリーズもの?って感じで、前作を読んでいない人には優しくない部分があります。


  

結末が予想に反してシンプル。剣たちが二年になる前で終わっているので、結末というよりまだその過程に過ぎず、これまでの集大成のような、もっと奇天烈怪奇なエンディングの方がこの作品にはよかったと思います。



  

次期青桃会役員を決める選挙期間の話。ついに!な回であり、これまで剣が知らない振りをしていたことが判明したと言っても過言ではないような…。このシリーズに飽きてきた方でも楽しめると思います。



  

当時の人にとってどれほど絵画が神聖なものであるか、自由に見ることが叶わなかったか素晴らしく書かれている。パトラッシュとルーベンスの絵を見れたネロは、自分のことを不幸せとは思わなかったことでしょう。



  

奇跡的に伊集院がほぼ出ません。あとがきを読んで担当さんナイス!と思いました。朱雀が今までとは違った方法で剣にアタックしていたのが実におもしろかったです。

  

末尾の参考文献一覧を見て、かなり熟考を重ねられて書かれているのが伺えました。しかし、キャプションが悪いせいで、中身との差に疑問符が浮かぶ部分が少なくありません。



  

学園もの小説なのに学園外での話の方がおもしろく感じるのはいかがなものなのでしょう。剣と伊集院の出番が短いほど良い作品になると思います。伊集院が腰巾着のように毎回付いてくるのはどうにかならないものかと。



  

推理に三毛猫がどう関わってくるのかと思っていましたが、ちょっと拍子抜け。連続殺人の犯人は伏線からすぐに分かりました。動機が単純だけど、2つの事件が同時進行で繰り広げられていくのはおもしろかった。

  

前編・後編にするほど内容の濃い話ではありません。頑張って長くしたような感じがあります。また、コメディが毎回おなじパターンなのでつまらない。朱雀も変なキャラへと進化しているし、まともなキャラが全滅。


  

本来焦点を当てられない女性たちにも触れていて好感が持てました。本書は宮尾さんの考えを文字に起したようなもので史実の中に宮尾さんの私見が多いのが特徴。

  

全ての話が時代モノかと思えば半数以上は現代の話。後半はよかったのですが、それ以外がしっくりきません。寄せ集めと言ってはなんですが、本にするとき収録する話をいくらか選り分けたほうがいいと思いました。



  

就職活動は生きていくうえでなにに重点を置くのかが求められます。優柔不断な人はその罪で断罪される機会のように思いました。就職活動は働く意義を見出すためのもの。


  

さまざまな野菜が出てきます。オーソドックスなものからオシャレな野菜まで。野菜畑って色とりどりで見ているだけでも素敵。恋と野菜の育て方は一緒だと思えませんでしたが、おもしろい恋愛観だと思います。


  

読んでいると本来知らないであろう情報を知っている情報として発言している場面がありました。また、事件を大袈裟に捉え無理矢理恋愛に発展させる意図が不明瞭。もうすこしテーマが理解しやすいもであればよかった。



  

どんな世界にも表に見えにくい上下関係が存在して、本当に実力があるのか分からない上司に屈さなければならない。正義感や矜持だけでは覆ることのない人生だから人には生きがいが必要になってくるのでしょう。


  

前半は幸せそうな円満夫婦でしたが、後半になるにつれ、沙可奈と勘吉にズレを感じました。勘吉はいつか一人暮らしに戻っていくんじゃないだろうか。そう思わせる最後でした。