オペレーションZ




財務省のプロパガンダながら、かなり読ませる霞が関・永田町界隈の群像劇
文庫本で600ページを優に超す大作。官僚小説といえば城山三郎を懐かしく思い出すが、本書で描き出される…
本が好き! 1級
書評数:329 件
得票数:3631 票
若いころは雑読系を自認してました。最近は齢のせいか、根気が続かず、哲学、思想、科学の本だとつい敬遠してしまいます。みなさまの書評を読むことは、視野狭窄にならないためのサプリだと気づきました




財務省のプロパガンダながら、かなり読ませる霞が関・永田町界隈の群像劇
文庫本で600ページを優に超す大作。官僚小説といえば城山三郎を懐かしく思い出すが、本書で描き出される…




インディオの血を引く美貌の画家の純粋な魂に触れる評伝
あのピカソも激賞したメキシコ絵画の女神フリーダ・カーロの評伝。著者である美術史家堀尾真紀子の妥協を排…




3/11の衝撃から生まれたミステリー仕立ての深層心理小説
「気にかかる人物が勝手に自分の“内部”に入り込んでくる」とか、「自分のやり方をもう一人の自分が疎まし…




耳年増の小役人並み!!凡人の証明
この独白録は終戦の翌春、松平慶民宮内大臣以下の天皇側近5人が計5回にわたり、当時44才の昭和天皇に終…




黒幕は?共産党政権下のポーランドでカトリック神父が惨殺された!秘密警察員が法廷に引き立てられた驚くべき実話……
まさに衝撃のノンフィクション。これほど歯ごたえのある読書は久しぶりだ。本作は冷戦下、鉄のカーテンの向…




「リーガル・フィクション(法的擬装)」が理解できなかった高偏差値の愚将たち
軍国主義者の恨み節か、と誤解されそうなタイトルだが、そんなことはない。実に精緻な近現代史の分析で、ロ…




アマだからプロに勝てた波乱万丈の復讐譚
東西冷戦の終結から30年以上が経つ。当時、スパイ小説は早晩消えるのではないかとささやかれたものだが、…




ベテラン宗教学者が掘り起こす「映画のなかのイニシエーション」
本書は「通過儀礼」という宗教学の概念を使って、東西の映画に隠されたメッセージを読み解こうとする意欲的…




中卒の駆け出し巡査デカと東大卒の公安警部補の異色コンビ!!衝突を繰り返しながら、戦後大阪に広がる巨大な闇に迫る
直木賞候補作で、単純に分類すれば警察ミステリーのいわゆるバディもの。よくあるパターンに思えるが、大事…




吉田調書、吉田証言、池上コラムの三重苦で危機に立つ朝日新聞!!社内の暗闘でスケープゴートにされた元スター記者の懺悔と反論
玉石混交のyoutube空間にあって、政治解説サイトのSamejima Timesは真っ当に思える。…




見返りを求めない“全身侠客”の献身……キリストへの傾斜
読了したばかりだというのに、もう一度冒頭から読み直したくなっている。それほど魅惑的な小説だ。月刊誌の…




ひたすらキーボードを叩くだけの記者、崩壊する支局、心病む社員の激増!デジタル・ツールに振り回される新聞の一線現場
新聞の長期低落が止まらない。製作コストの抑制に大ナタが振るわれていることは部外者にも容易に想像できる…




猛毒入りの処世訓 神技並みの超マイクロ書評百冊!!
近ごろトンと聞かなくなった言葉に「通(つう)」がある。「彼はその道の通だから」などと使ったものだが、…




親ソ派軍人が焚きつけた「ソ連仲介による終戦幻想」の罪深さ
ロンドンの英国立公文書館は、世界の近現代史研究に欠かせない一次資料保管の総本山だ。本書は、新聞の現地…




経験知に流されない女性中堅刑事の洞察力
善悪の境界は曖昧なものだ。事件の背景を知ってしまうと、加害に及んだ過程に共感を覚えることもあるし、ま…




外国信仰という特有の心根に毅然と「NO」を突き付ける
明治の成島柳北に始まる日本の辛口コラムの伝統にいま逆風が吹く。それはそうだろう、筆者の私見だとことわ…




時間超えリアリティ増す三島の遺言
事件発生、その時……。高校の現代国語の時間だった。直前までテレビにくぎ付けだったというベテラン教師が…




ハードボイルド調に酔う
釧路に生まれ、釧路人の小さなドラマを巧みに掬い上げて、文壇に船出した桜木紫乃。本作は、かつて「夜の市…




コミンテルン内の非合法活動組織OMS(オムス)の闇に迫る
マルクス主義者を自任する少数派が、世界で初めて旧体制を転覆させ革命政権を樹立したのは、マルクス当人が…




ここまでバラしていいのか!?日本版スパイ・キャッチャー、覚悟の告白
「あなたを信用して打ち明けるので、くれぐれも他言しないで」。そんな個人間のやり取りは、ままあることだ…