昭和が明るかった頃




日活映画を材料に高度成長前半期日本の時代精神を探る!
文庫本解説の証券アナリスト、増田悦佐がうまいことを言っている。戦後の日本で、姓を省いて名のほうでだけ…
本が好き! 1級
書評数:329 件
得票数:3631 票
若いころは雑読系を自認してました。最近は齢のせいか、根気が続かず、哲学、思想、科学の本だとつい敬遠してしまいます。みなさまの書評を読むことは、視野狭窄にならないためのサプリだと気づきました




日活映画を材料に高度成長前半期日本の時代精神を探る!
文庫本解説の証券アナリスト、増田悦佐がうまいことを言っている。戦後の日本で、姓を省いて名のほうでだけ…




ウクライナ侵攻を見事に予見!?「無自覚な二重スパイ」にキャリアを危うくされたベテラン諜報部員の緻密な頭脳戦!!
この人の新作をワクワクして待つのもそろそろ終わりかと思うと、長年ファンの端くれを自認してきた者として…





月並みな賛辞しか思い浮かばないのが悔しい
混じり気のないダイヤのような透明感を感じさせる作品。めったにお目に掛かれそうもない。アメリカ文学のエ…




息子を「罪人」と呼ばざるを得なかった肉親の苦悩
いくつか違う読み方ができる作品と思う。タイトルに「国家権力」と入っている以上、著者が日本の死刑制度や…




大本営で握りつぶされた一通の電報
敗軍には必ず敗因がある。対米戦争中、大本営に届いた一通の電報が、陸軍参謀本部の作戦参謀と海軍軍令部参…




いっそ清々しい“欲望民主主義”の賛歌
戦時中の日本社会は、国家総動員法で窒息しそうなほどに縛られ、終戦でそれがハジけると一気にカオスに呑ま…




米英の賞総なめも納得!殺人を命じられた黒人少年たち……読者を逸らさない2000マイル東への旅
「黒人小説」というジャンルがあるとすれば、これはひとつの山頂かもしれない。物語は犯罪小説風に始まり、…




冒険と宝探しに生きる富豪のスーパー・カップル!!彼らを待ち受ける危険な罠
ロマノフ王朝の財宝を巡る小説やノンフィクションは、どうしてこんなにも人を惹きつけるのか。自分はその吸…





粛清の嵐を予感できず、1930年代、「革命の祖国ソ連」に引き寄せられた日本人たちの哀れな末路に、誰がいったい責任を負うのか
1930年代、日本からドイツに官費留学していた東京帝大医学部助教授、国崎定洞がソ連に亡命したあと、モ…




PTSDで休職中の刑事がローカル色豊かな事件に放つ謎解きの矢
北海道と一口に言っても、三つの海に面し、大平原もあれば大山地もある。場所ごとに拓いた先人のルーツが違…




「暗愚の天皇」という旧聞に大幅な書き換えを迫るセンセーショナルな一冊
東京の明治神宮はその名の通り、崩御した明治天皇を祀るために造営がすすめられ、大正9年に創建された。神…




文豪が描く冒険風味の青春ラブコメディ
文豪の手になる長編だからといって、身構える必要などまったくなかった。軽妙洒脱な冒険風味の青春ラブコメ…




凄味を増した実録私小説!最後の無頼派の早世を惜しむ
西村賢太がタクシー内で変調し、突然死してから間もなく一年になる。いかにも西村らしい死ではなかったか。…




同胞の生き血を吸う金王朝崇拝の一神教…。異形の巨大カルト、朝鮮総連がやってきたこと
昨年暮れにルポライターの野村旗守(はたる)の訃報を聞いた。野村の名は知る人ぞ知るだが、在日ではない朝…




地下鉄サリン事件の捜査で警視庁が手一杯だったころ、代官山で女性店員が殺され、17年後、見込み違いの捜査が露見した……
率直にいえば、相棒の聞き込み物語だ。相棒といっても、警部補の男と巡査部長の女は初対面。男女だからとい…




ソ連の囚人移送船遭難とウラジオへのカミカゼ攻撃
10篇の掲載作のうち「ソ連船インディギルカ号遭難の謎に迫る」が興味深い。昭和14年12月、大しけのオ…




国際謀略小説の巨匠が綴る「輪廻転生の悲恋劇」
収録2作のうち、『時をこえる風』が圧巻だ。これまで読んだことがない「歴史の俗説に挑戦する本格ウエスタ…




良き家庭人が買う「売られた喧嘩」…米エドガー賞候補作家の意外な素顔
小説を読むとき、作者の性別を気にすることはほとんどない。商業ベースに乗る書き手ともなれば、下積み時代…




なにげない淡々とした日常に入り込む「魔」の怖さ
目に見えて良いほうに転がってゆく、そんなうらやましい人生もあるだろうが、大抵の人の日常はありきたりで…




きっと元気が出る!がらっぱち刑事の仕事人生はちょっとユーモラスでハートウォーミング
北海道警の一刑事だった通称サダこと菊池貞幸は、世間的には全く無名の団塊世代。自分の手掛けた事件とその…