白いおうむの森―童話集

死者の喪失のかなしみ、いたましさを瀰漫させながらもそれを包み込むような優しい寂しいうつくしさを感じさせる。いつもながら引き込まれる安房直子作品の魅力である。
白いおうむは死者の世界への道案内である。 この物語は終始、柔らかく優しい言葉で描かれているようでい…

本が好き! 1級
書評数:53 件
得票数:708 票
異界ものとか童話とか好きです。多分趣味が偏ってます。

死者の喪失のかなしみ、いたましさを瀰漫させながらもそれを包み込むような優しい寂しいうつくしさを感じさせる。いつもながら引き込まれる安房直子作品の魅力である。
白いおうむは死者の世界への道案内である。 この物語は終始、柔らかく優しい言葉で描かれているようでい…

美しい絵本だ。 繊細に描かれた、モノクロームに近い静かな色調。 星と月の明るい夜空に照らされたひろいひろい空と大地の寂しい風景の中、一本の夜汽車が走ってゆく。過去から、遠い未来へと、ひたすらにその時空を。
モーリシャスドードー(1681) ブルーバック(1800) オオウミガラス(1844) …

読んだつもりになっていた。これは未読だったんだ。 難解ではあるが、風景、心理描写のいちいちが心を震わす悼ましさとうつくしさをもっている。魂の奥から湧き上がってくるこころの震えの渦、意味以前の意味の奔流。
読んだつもりになっていた。これは未読だったんだ。 文学作品として難解ではあるが、風景、心理描写…



代表作とまで言われてるのに、読んだことなかったんだな。児童書の名作とされている。もちろん大人にとってだって名作だ。
実は、ヤービシリーズや裏庭でも思ったんだけど、彼女の作品の中で、特に児童書ジャンルに関してはなんとい…

三世代にわたる女性たちの、それぞれの繊細な感情のひだを切なく震わせ、ポリフォニイとして歌い上げるうつくしい短編だ。(中編か。)
読了。やはりよかった。 三世代にわたる女性たちの、それぞれの繊細な感情のひだを切なく震わせ、ポリフ…





すべて素晴らしいうつくしいファンタジー七編。今回はこのなかで「火影の夢」について語ってみたい。
縁あって「銀のくじゃく」再読してしまったものだから、そのまま安房直子さん解禁モードに入ってしまった。…




…やっぱり素晴らしいな、川上弘美。 最初入りにくかったけど、「七夜物語」はむしろこの作品のために書かれたのだ、とすら思える。
読んだ本 第一声。 …やっぱり素晴らしいな、川上弘美。 最初入りにくかったけど、…

家族の問題。 もつれてどうしようもなくなって傷つけあう夫婦や親子のしがらみの中、他者が介入することによる家族解体と再生の物語。役割ではなく人間として解放されるための自家中毒からの脱却のための模索。
お姉ちゃん、というのは固有名詞だった。 ものごころついたとき、「お姉ちゃん」はお姉ちゃんとして…

世界との関りからつきはなされたときの喪失恐怖あるいは解放。まさに世界中の人間たちが皆「俺」だらけになるこのテーマは自分や他者が信じていたアイデンティティのなんたるやという問題を我々に突き付けている。
自分が自分であることの証明、信じていた基盤がすべてもろもろとくずれたとき自分とは何なのか。言語を失う…




五山送り火の今宵、ちょうど再読を始めた「有頂天家族」で下鴨一家が五山送り火納涼船を出そうとする章に差し掛かる。セレンディピティ!
(※注・大分前に書き始めたものを寝かせながらぼちぼち書いた記事である。) 五山送り火の今宵、ち…

まさか森見登美彦のコレを再読することになろうとは思わなかった。独特のナンセンスと切れ味の鋭いエスプリ、自虐的諧謔に満ちた文章の饒舌っぷり。入り込むと実に読みごたえがあっておもしろい。
まさか森見登美彦のコレを再読することになろうとは思わなかった。 独特のナンセンスと切れ味の…

舞台は、郊外の小さな駅のベットタウン、平和な新興住宅地だ。ここに、ある朝突如ペンギンの集団が出現した。アオヤマ君は、いつものように妹たちと一緒に集団登校をしていたとき、この異様な風景に遭遇する。
論理。 迷宮。 ナンセンス。(「鏡の国のアリス」から謎の怪物ジャバウォックのモチーフ) 根…




子供の時読んで強烈な印象をもっていた。忘れてしまったのでもう一度。ラストシーン、ユリアのかなしみのなか、響き渡るパイプオルガンと魔法の美しい都が滅んでゆく風景が忘れられないのだ。
さて、主人公のユリアはどこの国の子供なのか意図的にぼかしてある。まあ既にファンタジーの領域ではあるん…




1899年、政変から第一次戦争に流れる前にトルコに留学した考古学者村田君の青春の日々の記録。村田君は「家守綺譚」「冬虫夏草」にも主人公綿貫への手紙の主として登場している、綿貫の帝国大学時代の学友だ。
ディスケ・ガウデーレ。楽しむことを学べ。 鸚鵡の生命力とエスプリを根こそぎ奪い取り、魂をうちひ…


幽霊のいる村、女性だけの村、微妙にすれ違う夫婦、突然透明になってしまった犬…繊細で不可思議な世界にふわりと引き込まれる4編。
さて初めての作家さんです。 献本の本の紹介で、あ、読んでみたいな、幻想短編集かな、と思ったもの。 …

本作はロンドンで初めて蝋人形館を設立したマダム・タッソーの伝記という名目だが、「アイアマンガー」で見られた筆の力業による病理に歪んだ独自の世界展開、圧巻の残虐と汚穢の描写は共通だ。見事な面白さである。
「アイアマンガー三部作」では、まずは設定のあまりの想定外な独自性、とっつきの悪さ、陰惨で奇妙な世界観…

壮大な糠漬け小説である。 うねるように押し寄せるこの梨木香歩節に翻弄され引きずり込まれ圧倒され打ちのめされる、その至福の読書空間体験。
壮大な糠漬け小説である。 うねるように押し寄せるこの梨木香歩節に翻弄され引きずり込まれ圧倒され打ち…




実験映画のような特殊な手法で描かれる文体による風景。その特殊な視点。他の春樹作品に比べ、壮大で強固なテーマや物語性を構築していないように見えるこの手法で描かれるこの作品、こんなにおもしろいとは。
最初の一行から開かれるのは、ちょっとびっくりする文体。今までの春樹になかったものだ。非常に冒険的な、…



なにしろものすごいスペクタクルである。ジェットコースターのように雪崩れ押し寄せる激しい世界のアクション、その勢いにひたすらゴンゴン背中を押されてページを繰るしかない。とにかく猛烈な面白さに圧倒された。
ということで読了いたしました。 第一部読了時点のメモも掲載しております。 一旦ハマったらかな…



さて、「荻原規子が夢中になった長編ファンタジー」という雑誌の記事があった。あの希代のストーリーメーカー荻原規子さんが挙げた本、間違いないに違いない、と手を付けたら、さすが。期待は裏切られなかった。
さて、「荻原規子が夢中になった長編ファンタジー」という雑誌の記事があったというワケなんである。うむむ…