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yamamomo

yamamomo さん

本が好き! 1級
書評数:49 件
得票数:645 票

異界ものとか童話とか好きです。多分趣味が偏ってます。

書評 2ページ目(49件中 21~40件目)

森へ行きましょう

  

森へ行きましょう

不思議なパラレルワールドを描く。混沌の人生の「森」に迷いながら、運命と理不尽に翻弄されるふたりのルツの姿、けれどその中で何かを意志的に選び取ってゆく、それはあらゆる女性の姿を描いたものでもある。

最近、長編を出すごとに常にさまざまな新しい冒険、実験をしているように思える、安定したスタイルに安住し…

投票(14コメント(0)2018-06-07

真鶴 (文春文庫)

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真鶴 (文春文庫)

世界が変わった、というのではない。でもちがう場所に行ってしまった。時々刻々と、いる場所は変化した。変わって、変わって、どこまで行くのかとおののいて、それからまた戻ってきた。けれどまだ、戻りきれていない

川上弘美のしっとりといろっぽく、少し怖いようなひらがなの使い方にぞくぞくしている。…「真鶴」再読、読…

投票(11コメント(0)2017-09-06

ぼくの死体をよろしくたのむ

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ぼくの死体をよろしくたのむ

さまざまなテイスト、さまざまな趣向を凝らした18篇からなるオムニバス。 (川上弘美のこういう面が好き、これはあんまり、とか、同じ川上弘美ファンであっても、どの作品を好むか意見が別れるところかも。)

さまざまなテイスト、さまざまな趣向を凝らした18篇からなるオムニバス。 (川上弘美のこういう面…

投票(21コメント(0)2017-04-07

僕は、そして僕たちはどう生きるか

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僕は、そして僕たちはどう生きるか

テーマは「見えない暴力」だ。戦争と性的暴力とをめぐる権力と悲劇の構造のアナロジー。それは「普通」という大義名分を正義としてかざすことによって、弱者、搾取される側の自責の念を利用する、モラハラのことだ。

クラシックな道徳の教科書みたいな少年小説を下地に、意識的にか、少し生硬な思想、テーマがゴリっと硬く浮…

投票(13コメント(0)2016-08-23

パスタマシーンの幽霊

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パスタマシーンの幽霊

「クウネル」に連載されていた作品、短編集。 前作「ざらざら」に出てきた魅力のある登場人物も登場。 ほんのりしつつもさらりと読める、何だかんだで、川上弘美。きちんと余韻と深みをもった味わいの優しさがある。

クラシックに味わいのある魅惑の雑誌「クウネル」に連載されていた作品、短編集。 前作「ざらざら」に出…

投票(14コメント(0)2016-08-13

真珠のドレスとちいさなココ―Slaaf Kindje Slaaf

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真珠のドレスとちいさなココ―Slaaf Kindje Slaaf

これはひどい。ぞっとする。あまりにも怖い。 植民地時代の奴隷制度の中で、人を人として感じることのできない精神性の愚かしさが醜い残虐があぶり出されてくる異様にシニカルに冴えた手法。後味の悪さ天下一品。

これはひどい。ぞっとする。あまりにも怖い。 マリーアが、12歳のお誕生日に愛する家族からプレゼ…

投票(8コメント(0)2016-08-02

ドミトリーともきんす

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ドミトリーともきんす

世界が、今目に見えているような気がするものとは別の多数の可能性を秘めたものであることを教えてくれる。それは奔放なアリスのワンダーランド、いきいきとさまざまに変容していく不思議、わくわくな発見の連続だ。

図書館でさあっと眺めた程度なんだけど、くらくらするような、なんとも不思議な読後感。 自然科学と…

投票(17コメント(0)2016-07-31

これでよろしくて?

  

これでよろしくて?

…これは、もう、漱石の「明暗」だ。 決してお勧めはしたくない、触れたくない部分、そのざらりとした不快さ。 だが、何て、素晴らしいのだろうか。何もかもをきちんと抉り出すまっすぐな眼差し。恐るべし、川上弘美。

ギシギシと、胸が痛む。 何だか、泣きそうになった。 涙が出そうなほどに、痛ましく、切なく、か…

投票(14コメント(0)2016-07-22

f植物園の巣穴

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f植物園の巣穴

問い直し、生まれなおし、生きなおしてゆく。沼の底、心の底、封印された深い闇の部分までもぐってゆき、戦い、自分自身を、その一部を打ち砕く。「さらばだ。あれもまた、私を形作っている何かには相違なかった。」

濃度の高い液体の中、ゆらり、ふわふわと、夢の中のような幻想を泳ぎ渡る感覚と、文章の、センスのよい小気…

投票(15コメント(0)2016-07-18
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