君たちはどう生きるか



りっぱな大人になること。日中戦争直前のこの時代にしては平和主義的な内容であり、チャレンジ作品と思われます。中学生に読ませる道徳の教科書にちょうどいいような内容となっています。
1937年初出版のです。このころはちょうど盧溝橋事件が勃発しており、この後日本としては日中戦争、太平…

本が好き! 1級
書評数:2238 件
得票数:30339 票
「本を褒めるときは大きな声で、貶すときはもっと大きな声で!!」を金科玉条とした塩味レビューがモットーでございます。



りっぱな大人になること。日中戦争直前のこの時代にしては平和主義的な内容であり、チャレンジ作品と思われます。中学生に読ませる道徳の教科書にちょうどいいような内容となっています。
1937年初出版のです。このころはちょうど盧溝橋事件が勃発しており、この後日本としては日中戦争、太平…





20年前から始まり、今や宗教的に信奉されている「褒めて育てる」ことが正しいという考え方。その深刻な弊害を明らかにし褒める教育に否を突き付ける教育書。一から十まで納得の痛快な論旨に溜飲が下がります。
新人類と呼ばれる世代のころからちょっと嫌な感じがしていたのですが、Z世代の今のご時世になって顕著に…

このような啓発本を読んで、「第2の人生をよりよく過ごそう」と思いつく人はそもそも「みっともない老い方」をしない人たちじゃないかと思います。
本書は定年後、第2の人生を送る老人たちの「正しい」生き方を指南するというコンセプトで書かてれいますが…




百田は当たりはずれの波の大きい作家。本書は自分のフィールドである出版界の内幕をネタにした当たりの作品です。
永遠のゼロ にしても カエルの楽園 にしても 風の中のマリア にしても百田作品はとかく何かしら…



3億円の宝くじが当たった男の悲劇。小説のネタとしてはありそうなのに、読んだことなかったなあ。
世の中にギャンブル小説は数多くあるものの、その勝者の顛末を主題にしたストーリーっていうのはあまり思…


中学生の墜落死にまつわる謎をめぐって、教育現場の闇と問題点を浮き彫りにする力作。真相は中学生による模擬裁判で明らかにされますが子供たちよる裁判ごっこですのでに法廷小説としてはインパクトが弱くて残念。
多くの登場人物による複雑な人間関係がバックグラウンドにあり、謎が謎を呼ぶ展開のためにここまでの「事…




中学校で起きた死亡事件。動揺する生徒、腰が引けている教員、積極介入しない警察、傍観者の父兄、そして煽るマスコミ。真相はあいまいにされる中第二第三の事件が起きます。中学生たちの気持ちは妙にリアル
全6巻3000頁に及ぶ大作の第一部「事件」についてのレビューです。さすがに長丁場ですので登場人物も…



整体師ミステリー3作目は父親から性暴力を受けていた恵が主役。傷ついた新人タレントを軸に恵と小松崎の視点で物語が進んでいきます。
合田整体院で助手を務める恵と歩は異父姉妹ですが、姉は義父から性暴力を受けセックス依存症に、そんな姿…





リアルなインテリジェンス小説。スパイというと映画などでは派手な活躍でワクワクしますが、本作ではひたすら目立たず地味に暗躍します。陰謀や犯罪に立ち向かう影の軍団のミステリ連作です。
007、ミッションインポッシブルといった派手なアクションで見せるのは2流。目立たず正体を隠して罠を仕…





「転校生」や「君の名は。」でモチーフ化されている入れ替わりもの。伊坂の手にかかると虐待や暴力犯罪をからめてとブラックで悲壮で読みごたえありです。
「魔王」「陽気なギャングが地球を回す」「SOSの猿」など伊坂作品には特殊能力を持った主人公が活躍する…




池井戸さん得意の金融ミステリーの短編集なのにいきなりバラバラ死体が出てくる殺人事件で始まり、連続殺人事件で終わりますます。初期の作品ですからこういう趣向もあったのですね。
5編の短編はいずれも銀行内で起こる事件で、現場が銀行だったり銀行員が犯人だったり、相変わらず銀行にま…

一目で義妹に惚れちゃう主人公・伯朗ですが、彼女は弟の嫁。しかし謎解きが進むにつれて怪しくなる楓。疑いつつも惹かれてしまう伯朗・・・ドタバタコメディーなのか。肝心の遺産相続と殺人と人体実験はどーなる?
当代一のストーリーテラー東野にしては、なんと的の絞れないというか、ぼんやりと書いた小説でしょう。読…





罪を償うということはどういうことか。この命題に正面から取り組んだ日本版「レ・ミゼラブル」。でも登場人物の関係が複雑すぎてちょっと辛い。
犯罪小説を多く書く東野ですが、いわゆるトリック推理小説ではなく、ヒューマンドラマとして罪と刑罰につ…




大いなるマンネリと安定調和。その実なかなか手の込んだ事件。際立っだキャラ設定。テンポのいい展開。これらが合わさった「迷著」であり本作が「本屋大賞」を獲得するのに納得です。
今回は本書が売れた理由を分析します。 1. キャラ設定 生粋のお嬢様なのに警視庁で刑事をして…




今野敏さんの警察小説のなかでは異質な構成です。そのゲームソフト「蓬莱」には「日本」そのものの未来が予言されている?ゲームと日本史と陰謀を絡めたスケールが大きい小説になっています。
ゲームにはまり過ぎてリアルとヴァーチャルの区別がつかなくなって…というSFホラーっぽいミステリは過去…


推理ものでなく、ヒューマンドラマでもない東野圭吾は面白くないなぁ。そのうえ過去のゲレンデシリーズはトホホな内容だし・・・悪い意味で期待を裏切りません。
ゲレンデではみんなスキーウェアに身を包み、ゴーグルで顔を隠しているので年齢や顔や体型がわかりません…




勧善懲悪とか復讐劇といった「倍返し」の痛快さが池井戸の味だという印象ですが、本作のような悪人不在のヒューマン物語も爽快でいいです。
主人公は、倒産した町工場の息子・山崎瑛(ビンボーあきら)と、名門海運会社のオーナー一族の御曹司・階…



半沢直樹の原点ここにあり。罠にはめられ大手銀行を追い出された男が「仇敵」を倒す現代の仇討ち物語です。昔の作品ですのでこなれてない部分はありますが、このころから池井戸節は健在です。
東都南銀行で庶務行員を務める恋窪商太郎が主人公の8編からなる連作短編集。話が進むにつれて恋窪の過去…





ユーゴスラビア(さよなら妖精)に次いで今度はネパールが舞台のミステリー。この2国が舞台というだけでこのシリーズ大好きです。異国でに殺人事件に巻き込まれた女記者の推理と活躍を堪能できます。
「さよなら妖精」 に引き続きクールな才女・大刀洗万智が活躍するシリーズで 「Berufシリーズ」…


「やっと海戦が始まったぞっ」てわくわくの第4巻ですが、兵士たちの戦闘が漫画的で、しかも姫の活躍が神がかりすぎで、ちっとも面白くない!!村上海賊たちもっと姫をサポートしろよっ!!海洋小説論パートⅡです。
海戦の醍醐味は、風向き、海流、天候、地形といった戦闘海域の自然状況を味方につけ、彼我の戦力(艦船数…