村上海賊の娘(三)




2巻に引き続き「海賊の娘の話のくせに3巻まで読んでまだ海戦シーンがないぞっ!!!」と怒りたいところですが、後半になってやっと盛り上がってきました。村上水軍のボス・村上武吉が放つ「鬼手」発動!!
信長と本願寺の争いは、雑賀党や真鍋海軍が入り混じって一進一退の膠着状態。依然陸戦がメインでつまらな…

本が好き! 1級
書評数:2238 件
得票数:30346 票
「本を褒めるときは大きな声で、貶すときはもっと大きな声で!!」を金科玉条とした塩味レビューがモットーでございます。




2巻に引き続き「海賊の娘の話のくせに3巻まで読んでまだ海戦シーンがないぞっ!!!」と怒りたいところですが、後半になってやっと盛り上がってきました。村上水軍のボス・村上武吉が放つ「鬼手」発動!!
信長と本願寺の争いは、雑賀党や真鍋海軍が入り混じって一進一退の膠着状態。依然陸戦がメインでつまらな…


アイデアとしては面白いのですが、読後に違和感が残る小説です。こういう小説って時々で会いますが、登場人物たちの関係がよく説明されていないとか、筋立てに無理がありすぎる場合です。本書の場合は前者です。
読後感って大切ですよね。一番うれしいのは滂沱の涙とともにエンディングを迎えるパターン。2番目は成程…



自閉症という障碍を持った人が自身の考えを述べます。それだけに説得力十分。
註:今回は障碍者の話に触れますので一般的な物差しではやや不適切用語があるかもしれませんが、差別的に使…


現役でラグビーにかかわっている塩味は、もちろん「ラグビー愛」満点ですが、小説中のラグビープレーヤーを持ち上げすぎで、「こんなにいい人ばかりじゃないぞ」とオブジェクション。
企業ドラマと青色吐息の企業スポーツという構成で読者の共感と感涙を呼ぼうという点では 「ルーズヴェル…





本小説は前半の100ページで犯人も方法も動機も全部明らかになっています。「ええっ!!残りの260ページどうなるの???」。驚きの大逆転真相という痛快なドンデン返しが待っています。
推理小説の面白さは 1.フーダニット(犯人は誰だ!!!) 2.ハウダニット(どうやってやったの…


ずいぶん前の東野作品を初読です。たぶんこの頃は売れっ子で多作な時期だったんじゃないかしら。この作品には東野さん特有のキレがありません。コクがありません。残念作品です。
札幌と東京で別々の家庭で育ったのに容姿顔貌が全くそっくりな氏家鞠子と小林双葉。お互いに相手のことを…





一つの殺人事件を中心に据え、全く別の問題を抱えて生きている市井の人々を描いています。そして最後に事件解決につなげるという高等テクニックを使っています。人情刑事のハートウォーミングストーリーに拍手。
一風変わったスタイルの推理小説です。古き下町気質が残る日本橋で、善良な40代の女性の絞殺体が発見さ…




時は戦国嵐の時代でっかい心で生きようぜ♬(アニメ「風の藤丸」主題歌)。織田信長が破竹の勢いで天下統一を進めていた頃。伊賀忍者にとって絶対的なものは銭という視線でとらえた裏「天正伊賀の乱」です。
アニメの影響で忍者といえば「ハットリ君」「ナルト」というイメージです。超人的スピードと、多彩な武器…




ヒューゴー賞、ネビュラ賞を受賞しているのでまぎれもないSF小説ですが、「本作は知能指数を高める手術」が唯一のSF的ギミックであり、まったくSFっぽくありません。
知的障害を持つチャーリイは、大きな体に子供の心を持った優しい性格の青年です。魯鈍ですが周囲の人々か…

ったく何だこの退屈な展開はっ!主人公が洗脳されているとか、記憶改竄されているとか、社会的な大がかかりな陰謀で勘違いさせられているとかいった ディック的な大舞台を設定できないのか!東野はっ!ドンドン!
記憶喪失もののミステリーです。記憶喪失ものは記憶を無くしても、苦悩しながらもそれを取り戻そうと自分…




「マスカレード・ホテル」が思いのほか面白かったので。その続編の本書を急ぎ求めて読みました。こちらは短編4作品。引き続きサッカリン・ビッテンによるレビューだっ!!
「マスカレード・ホテル」が思いのほか面白かったので。その続編の本書を急ぎ求めて読みました。こちらは短…




クールな竜崎署長が部下に恋をしていまい、浮かれ「ポンチ」状態。その冷静な判断に狂いがでてしまいます。こんな状態で米大統領来日の警備に。理性を失った竜崎は作者・今野が仕掛けたハニートラップを凌げるのか。
『隠蔽捜査』 、 『果断 隠蔽捜査2』 がいずれも面白かったのでずるずる続編を読んでいます。この…





融通が利かないエリート警官・竜崎が警察署長として野に下りました。このキャラが立ちまくり。しがらみの多い警察機構の中、正論で合理的に全てを進めていく姿が痛快。事件もどんでん返しを用意していて大満足です。
前作 隠蔽捜査 のレヴューの中で『そう「事件は現場で起きているのではない」のだ。』と手放しの絶賛し…




最後は大逆転で倍返しをすると解っていながらもついつい読んでしまう本シリーズ。遊びとは分かっていてもついつい入れ込んでしまうキャバ嬢にもさも似たり。結果が解っていても手を出すところが人間修行不足です。
半沢直樹の4作目ということでここまでの3作のおさらいから行きますよ。 『オレたちバブル入行組』…





こんなにスカッとする警察小説はなかなかお目にかかれない。事件そのものよりも警察庁のキャリア官僚の活躍を描く怪作。そう「事件は現場で起きているのではない」のだ。手放しの絶賛です。
警察小説の常と言えば内部の縄張り争い、悪徳警官の癒着や恐喝、犯人との手に汗握る頭脳戦または格闘です…



投資詐欺の被害者たちの悲惨な末路が語られます。社会問題を下敷きにした小説を書かせると大変面白い宮部さんですが、今回はインパクトに欠けました。シリーズものでなく単独作品として発表すればよかったのに。
685ページの大部の小説。ストーリーテラーとしては当代随一の宮部さんですから、厚い小説でも苦になら…




第135回直木三十五賞受賞作品「多田便利軒」を手にしました。ねっとりと心理描写を加えており、お涙ちょうだいぶりが浅田次郎テイストになっています。
何でも屋を営む バツイチ 多田啓介が、高校時代の同級生でやはり バツイチ の行天春彦と再会するとこ…




究極の悲恋物語!! 生きるための本質的な問題の食事と愛情。この2つが相反するジレンマは童話としては難しすぎるテーマだとは思いますが、無理なくこなしている作者の力量に拍手です。
今回は絵本のノベライズ小説版「あらしのよるに」です。元版が絵本で幼児向けですので、そのつもりであ…




若手のホープである課長とその下で働く中年ダメ係長。鬼上司とゆとり世代の部下と言いうありそうな構図とは逆の関係の2人の軋轢は?ノルマ達成のために課長の取った禁断の手段とは?企業小説であり犯罪小説です。
相次ぐ企業に関する不正のあれこれ、シャープや東芝は不正経理の問題でしたが、神戸製鋼、日産は検査不正…





妻を轢き逃げした男に復讐するために犯罪組織に潜入する主人公・鈴木。彼をめぐる3人の殺し屋たち。誰が味方で誰が敵なのか?鈴木は常に窮地に追い込まれつつ、4人の物語がだんだんと1本に収束していきます。
自殺に見せかけるのが専門の殺し屋・「自殺屋」鯨。ナイフ使いの殺し屋・蝉。交通事故に見せかけるのが専門…