みちのくの人形たち




プリミティヴで、奇妙で、エロチック。そして、底辺にはおかしみが流れている。
民話や伝説、昔からの風習等は、たくましく大らかで、どこか秘密めいている。性的な事柄も開けっ広げで、公…

本が好き! 1級
書評数:102 件
得票数:1076 票
熊本在住、1957年生まれ、男性です。黒人音楽を聴くのが好きです。音楽関連の他興味あるのは以下の通り(読んでない人も含む)。
思想・・・小林秀雄や池田晶子。民俗・・・柳宗悦や宮本常一。小説は寓話性の高いもの・・・中上健次やトニ・モリソン。文豪・・・夏目漱石や谷崎潤一郎。その他、歴史的なもの、日本的なもの(日本語を含む)にも興味アリ。井上ひさしや松岡正剛。
どうぞ宜しくお願いします!




プリミティヴで、奇妙で、エロチック。そして、底辺にはおかしみが流れている。
民話や伝説、昔からの風習等は、たくましく大らかで、どこか秘密めいている。性的な事柄も開けっ広げで、公…




小説作品の皮を剥いで、ナマ身の、未整理の、事実・事物を見せられたようなリアリティーを感じる。読み取るのではなく感じるのだ。
ルポルタージュならぬ文学作品だ。自身のルーツである新宮初め、紀伊半島を自らの足で回り、さまざまに考察…




自立した国民が国家を「操縦」する必要がある。政治家に任せっきりではダメなのだ。
国民が自立しないと国家は自立しない。同じような事は福沢諭吉も言ってたな。 自立した国民が国家を…




非凡のクリエイターは自信を持って旧制を打破する
チャップリン登場までの喜劇はドタバタした動きで笑わせていた。 チャップリンは可笑しみだけでなく…




福沢は特定の思想に拘らず、人間の本質的な部分を掴み、ヒューマンな位置から話している
ここでいう「学問」とは「実学」の事だ。知識人になれと言っているのではない。人々が「働かされる」のでは…




我々は「真理」ではなく「ほんとう」を見つめなければならないのだ
これは講演の記録であり、話し言葉で書かれている。従って池田さんの思考の流れみたいなのも見えて、面白い…




鋭い批判はあるが偏見など皆無。深い温かみを感じる。母性的な温かさというより、作者と同じ目線に立つ、友情とイコールの愛情のような温もりである。
同時通訳、作家、エッセイスト、書評家・・・さまざまな顔を持つ米原さんの基底は一つ。徹底した正義感と優…




哲学を難しいと思うのは哲学者の思考についていこうとするからだ。思考するのはあくまで自分自身でなければならない。自分の経験に照らして自分で納得する事だ
池田晶子さんは、私の目のウロコをボロボロ落としてくれた一人。そのキッカケとなり基盤となっている一冊だ…




死者の目から見た風景や感慨をリアルに描く事で何の抵抗もなく死の世界が覗ける感じ。描写力の凄まじさは、ページが閉じられないほどに惹き付けられる。
吉村昭というと、ドラマチックな長編のイメージがあるが、これは純文学的要素が強い。読み応え的には結局一…





意見が極端という見方もあるが、それは強引さではなく熱意だと思う
ブルースを礎に発展して行った黒人音楽の姿を丁寧に解説してある。 特に私はジャズに弱いので大いに…




タイトルはありがちだが、中身は予想以上に素晴らしかった。
どの作品も、小説世界の無限の広がりを感じる。最後の編者の断想を読むと理解が深まる。 何とかベス…




人種、性別から地球と宇宙・・・取り入れるのではなく「成り変わる」という発想
「擬装」をキーワードにアメリカの音楽史を語る。人種、性別から地球と宇宙・・・取り入れるのではなく「成…




最も印象に残った言葉は、小説で重要なのは、書かれているテーマより書き方だというもの
若い頃に読んだ本を再読(&精読)する試みをテーマにした、NHKのテレビ講義録と、朝日新聞に連載した「…





筆者の、事実と真実を扱う姿勢と言葉の力が、中上健次の人間性を輪郭付けてくれる
作家になるべくしてなったといわれる中上健次。 しかし安易な道ではなかった。安易な道ではないから…




戦争は、人間の馬鹿さ加減の証明か?
中華思想の下では通常の貿易は成立せず。彼らにしてみれば、取引ではなく、朝貢。これに大英帝国意識が従う…




ハードボイルドには「臭い」がつきまとう。ハードボイルドには「痛み」がつきまとう。ハードボイルドには「微苦笑」がつきまとう。
最初にタイトルが気に掛かった。 『私が殺した少女』とは、①本当に殺した②殺した事にされてしまう…




それにしても、山田詠美という作家・女性も人間が好きなんだなあと思いました。登場人物の恋愛・交感の結果がどう終わろうとも、皆愛おしく思えてきます。
山田詠美の『ソウル・ミュージック・ラバーズ・オンリー』読みました。 ソウルの曲名をタイトルとした八…




主人公は本好きの刑事で、腕は立つがはみだし気味。こういう時は予想通り相棒は淡々とフォローするタイプ。何年も追いかけている敵役は、社会的弱者を蔑みいたぶるサディストで実に憎たらしい。
本好きの方は『本の雑誌』という雑誌を御存知かと思いますが、私も25歳ぐらいまで読んでいました…




宮廷音楽の対立項としての大衆音楽が「地理上」どのような移動をして影響を与えてきたか
著者は文化地理学の先生で、音楽が専門というわけではないです。宮廷音楽の対立項としての大衆音楽が「地理…




山口さんは自伝を書くに当たって、完全には執筆には納得していなかったのですが、資料として満映時代の自分の作品を観て、あまりの「国策」ぶりに愕然とし、謝意の気持ちもあり、本著を書こうと思ったそうです。
社会で生活している以上、全く社会の存在を無視して日々暮らす事はできません。いくらガソリンの価格を半分…