流浪の月
『愛ではない。けれどそばにいたい。』 真実を知っている読者だけが、読後、満月を愛でるような幸福感に浸れる。
読みながら、ソワソワ、ザワザワして、読む手が止まらない。 更紗(さらさ)が暴走していく・・・ …
本が好き! 1級
書評数:719 件
得票数:3824 票
50歳代
好きなこと:ランニング、読書、映画鑑賞、献血
好きな作家:伊坂幸太郎
『愛ではない。けれどそばにいたい。』 真実を知っている読者だけが、読後、満月を愛でるような幸福感に浸れる。
読みながら、ソワソワ、ザワザワして、読む手が止まらない。 更紗(さらさ)が暴走していく・・・ …
芸人・オードリー若林による、雑誌『ダ・ヴィンチ』の好評連載コラムを、2013年に単行本化。 さらに、2013年4月以降の分追加して、2015年文庫化した本書『完全版』。
Official髭男dismの、ギターリスト・小笹大輔さんが、 ラジオ番組『FM802 LANTE…
水墨画という「線」の芸術が、深い悲しみの中に生きる「僕」を救う。 第59回メフィスト賞受賞作。
あっという間だった。 この美しい水墨画の世界に引き込まれたのは。 一人の男子大学生・青山霜介…
多摩川沿いを血まみれで歩いていた女子大生が、父を刺殺した容疑で逮捕された。彼女は、『動機はそちらで見つけてください』と挑戦的なセリフを言った。果たして、この家族には、どのような闇があったのか?
直木賞受賞作品ということで、読んでみた。 事前知識無く、タイトル名から、純愛物語を想像していた。 …
「私には父親が三人、母親が二人いる。 家族の形態は、十七年間で七回も変わった。 でも、全然不幸ではないのだ。」 血の繋がりを超えた家族愛を爽やかに描いた著者会心の感動作。
「困った。全然不幸ではないのだ。」 いきなりの冒頭。 進路指導の懇談での主人公・優子が思った言葉…
引きこもりの作家・加賀野の元へ、生まれてから一度も会ったことのない25歳の息子・智が突然訪ねてきた!果たして、世間知らずな父との同居生活はどうなるのか?著者らしさ溢れた、読後にほっこりする物語。
引きこもりの作家・加賀野の元へ、生まれてから一度も会ったことのない25歳の息子・智(とも)が突然訪ね…
ラジオパーソナリティの恭太郎は、ものすごく素敵な声ながら、冴えない容姿。ある日行きつけのバーに現れた美人に、殺人計画を加担させられるはめになった。優しい嘘が、驚きの展開へ、感動の結末に涙する。
幼き頃、自分だけの空想の世界で見えた透明なカメレオン。 蝿がいなくなったのは、カメレオンが食べたん…
「黙って見過ごすなんてできない」臨店指導班の跳ねっ返り・花咲舞が、正しいと思った正義を貫く痛快連作短編集。ひょんなことから、銀行組織の闇に踏み入ってしまった。このまま握りつぶされてしまうのか!
臨店指導班・花咲舞。 曲がったことが大嫌い。 金融機関をめぐる不祥事に物申す。 女版・半沢直樹…
「盲目で、耳が聞こえず、口も利けない少女」がいた。絶望の両親が託した女教師が奇跡を起こす。信念、覚悟、決意を持って献身する女教師の姿に涙した。生きる希望を与える日本版ヘレン・ケラー物語。
予備知識もないまま、読み進める。 去場安(さりば あん)なる女性の視点の進行で、 「盲目で、耳が…
日本の詩人、童話作家である宮沢賢治の生き様を父視点で描かれた物語。家長として、地元の紳士として、威厳を保つ反面、父親として息子へ愛情を注ぎたい思いが交錯し、『決断と反省の往復する姿』に共感した。
宮沢賢治。 詩人であり、童話作家。 日本人なら、著作を読んだことがなくても、名前くらいは知ってい…
ある日突然部屋の鏡が光り始め、くぐり抜けた先は城の中。不登校中学生7人が集められていた。自分を信じてくれる存在を知った彼女たち。救いを求める側から救う側へ、その時人は救われると気づかせてくれる物語。
不登校の子どもたちに、どう寄り添っていけば良いのか、参考になる物語だった。 「いじめられているの?…
クリスマスにもたらされるささやかな奇跡の連鎖。倒産会社整理中に起きた誘拐身代金要求事件。相手を責め、自分を責めて、不幸の連鎖は起こる。「不幸を比べるな」相手を思いやりすぎる二人が下した決断の末路は!
冒頭、いきなり、主人公が、拳銃で殺されそうな緊迫する場面から始まる。 惹き込まれて読んでいったが、…
マタギとは、単なる狩猟者ではなかった。自然に対する畏敬の念を抱く狩猟者だった。大正年間、身分違いの恋から故郷を追われたマタギの青年を描いた雄大な物語。読みながら、自然と同化していくような気分になる。
読むには厳冬期に限る。 主人公のマタギが雪深い山中、自然と同化して殺気を殺し、潜んでいる。 獲物…
『お嬢さん、よかったら俺を拾ってくれませんか?』思わず拾ってしまったイケメンは、家事万能のスーパー家政夫のうえ、重度の植物オタクだった。清き同棲生活する二人に芽生えた恋心、少女漫画的ほろ苦恋愛小説。
『お嬢さん、よかったら俺を拾ってくれませんか。 咬みません。躾のできたよい子です。』 イン…
1937年出版、吉野源三郎の名作「君たちはどう生きるか」を漫画化!勇気、いじめ、貧困、格差、教養、昔も今も変わらない人生のテーマに真摯に向き合う主人公のコペル君と叔父さんの姿勢に生き方の指針を学ぶ。
原作は、昭和12(西暦1937)年出版。 軍国主義が高まり、言論弾圧が厳しくなる中、 若者へ倫理…
仙台で人質立てこもり事件が発生。犯人の要求は、オリオン座に詳しい男を探し出すことだった。逃亡不可能の絶体絶命の事件は意外な展開へ。視点のループ、読み手のツッコミを先回りした語りで、ニヤリ感満喫だ。
白兎事件発生。 誰もそういわないけれど、とツッコミから始まる。 仙台で起こった人質立てこもり…
僕には調律の才能があるのだろうか?ピアノの音という、森で深い霧の中を彷徨うよう主人公。ピアノの環境、聴く場所、なにより、弾く人が求める音は何なのか?迷いながらも一歩ずつずつ成長していく姿に感涙した。
静かな物語だった。 それでいて、優しさと強さを持った物語だった。 羊と鋼の森とは、ピアノのことだ…
なんなんだ!この面白さは!初老男性の主人公が初対面した少女は、亡き娘との想い出を語りだした。ミステリーなのか、ホラーなのか、はたまた、ファンタジーなのか?『あたしは、月のように死んで、生まれ変わる』
衝撃的な始まりだった。 みるみる、はまり込んで読んでいる。 時間が経つのを忘れている。 東…
母国語とは、その人の人格を作り上げる、最も大切な要因であることを気づかせてくれた。アフリカ難民の女性が移住先のオーストラリアで、働きながら、英語を学び、人間としての尊厳を取り戻し、成長していく物語。
母国語。 そんな言葉さえ、ふだんは気にしていない。 本著を読んで、母国語が人格を作る最も大切な要…
まよパンシリーズ第6作にして完結編。真夜中に営業する不思議なパン屋。希実の母が亡り5年。店主やブランジェ、常連客たちは、それぞれ幸せになることに怯えていた。人の結びつきで、心のわだかまりが溶けてゆく。
正直、つまらなかった。 読むのが苦痛だった。 この作品シリーズの魅力は、人間不信の人たちが、…