八月の銀の雪
もう限界。主人公たちにあるのは、閉塞感。そんなある日、光が差した。出会った人たちが語る科学の蘊蓄。日常は、地道に研究される科学の恩恵だった。知りたいという、素直さが、明るい気持ちなれる。
日常を陰で支えているは、科学だった。 表題を含む全5話の短編集 各話の主人公たちに漂うのは、…
本が好き! 1級
書評数:719 件
得票数:3824 票
50歳代
好きなこと:ランニング、読書、映画鑑賞、献血
好きな作家:伊坂幸太郎
もう限界。主人公たちにあるのは、閉塞感。そんなある日、光が差した。出会った人たちが語る科学の蘊蓄。日常は、地道に研究される科学の恩恵だった。知りたいという、素直さが、明るい気持ちなれる。
日常を陰で支えているは、科学だった。 表題を含む全5話の短編集 各話の主人公たちに漂うのは、…
「期限つきってのは、どう?」留学先での恋愛。別れ間際に書いてもらった人物画は、時間という旅をする。赤と青、対極にあるがゆえに、惹きつけ合う。二度読み必至は確かだった。仕掛けに満ちた傑作連作短篇。
これから始まる、という高揚感。 恋愛も同じ。 しかし、その恋愛は期限つきだった。 始まれば…
「あなたの名前は?」話せない少年は書いた。「ムシ」と。母親から虐待を受けている彼の「助けて」という声に気づいたのは、同じ境遇を持つキナコだった。息苦しさを感じながらも、感涙しながら、一気読みさせる。
仲間には聞こえない高周波の声で呼び掛けを続けるクジラがいるという。 「52ヘルツのクジラ」 世界…
東京は寒村だった!?日本一の都への道のりを描いた歴史小説。年表や合戦だけが歴史ではない。都市開発や貨幣流通などの社会基盤がいかに重要なことかと教えてくれた。
「江戸を大坂にしたい」 殿ご乱心を! 「関八州をやろう」 秀吉から、国替えの命を受けた家康…
ランタンのように光をシェアしたい。そう願った少女は、神職の家に生まれ、勉強嫌いだった。クリスチャンになり、アメリカに渡った彼女は誓った。自分の学校を作る。シスターフッドの精神で道を切り開く女子大河小説
「いつか、自分だけの、生徒を直接指導できる学校を作りたい」 「それも、選ばれし者だけでなく、もっと…
将来の夢は外交官だった。彼女を変えた、戦争が。常軌を逸する過酷な状況下を生き抜いて、殺し続けて、勲章をもらって、誇れるはずの生き方が、平和になってからは、日常を壊すことになった。真の敵は誰なのか?
『同志少女よ、敵を撃て』 表題が、強烈な印象を与える。 国家が、戦時下に、国民を鼓舞するような表…
一匹の白い迷い犬が、見守り続けた高校生の想い。昭和から平成へと時代が変化する中で、時代ごとに、若者たち各自の悩みがあった。そんな、甘酸っぱい気持ちを思い出させてくれる、青春小説。
この本を読むのなら、初春がいいな。 春の白いまばゆいキラキラした光。 高校3年生、18歳の決意、…
賢い犬だ。新しい飼い主は皆そう言った。野良犬なのに、惹き込まれて、引き取る飼い主。けれど、ふとしたとき、一定の方角を向いていた。会いたい人がいるか?どこを目指しているのか?感涙の連続短編小説。
犬には、不思議な能力があるという。 最たるは、癒やし。 また、飼い主の気持ちを理解する。 そし…
吸い込まれるように入った先は、町の小さな図書室のレファレンスカウンター。『何をお探し?』自分は何を探していたのだろうか?思いもよらない選本で、閉塞感が解き放たれるハートウォーミング小説。
『何をお探し?』 自分は、何を探していたのだろうか? 自問自答。 負の感情のスパイラル…
メキシコの麻薬カルテルに君臨した、バルミロ・カサソラ。対立組織との抗争の果てにメキシコから逃走した。再起すべく、資金稼ぎのために、臓器ビジネスを始める。アステカ神話の神・テスカトリポカの力を借りて。
話題の作品である。 第165回直木賞受賞。 第34回山本周五郎賞受賞。 著者の過去の作…
「たった三度出会った人が、誰よりも深く愛した人だった」四十代を前に出会った二人。運命なのか、運命の悪戯なのか?揺れ動く心の様を、繊細に美しく描いた恋愛物語。
波長が合う、と感じたこと私にもあった。 また会いたい。 そんな、昔のことを思い出させてくれた。 …
生きる哀しみ。淀んだ川の流れのように、心に溜め込んでいってしまう。登場人物たちの閉塞感。しかし、みんなつながりあっている。淀みがある者たちだからこそ、わかりあえる。最後に生きる喜びを感じる時代小説。
江戸時代を舞台とした時代小説。 表題「心淋し川(うらさびしがわ)」を含む、全6編の短編集。 …
厳格だった父の法要を前に、父の不倫が発覚した。父親のせいで人生が狂った。成人した3人兄妹は、抑圧されて育った意味を知るべく、父親の足跡をたどることにした。それは、自分を見つめなす旅だった。
柏原野々は、彼の下で同棲しながら、ストーンマート店でバイトをしている。 そんな彼女の元に、妹から、…
ひとがつながり、まちができる。平凡な青年のなにげない日常めぐる生活に、ほのぼのとした読後感が気持ち良い。村から出てきた、東京の下町に、僕の帰る場所ができた。
幸せな読後感が残る。 劇的な場面があるわけではない。 けれど、主人公をずっと、追っていきたい。 …
たった一人になった。でも、ひとりきりじゃなかった。両親を亡くし、大学をやめた二十歳の秋。 見えなくなった未来に光が射したのは、コロッケを一個、譲った時だった。
じわっと効いてくる、漢方薬のような。 極寒の中、握りしめた、缶コーヒーの温かさような。 感涙する…
山中で発見された白骨死体。遺留品は名匠作の名駒。叩き上げの刑事とかつてプロ棋士を志していた新米刑事が、厳冬の山形県天童市、竜昇戦の会場に降り立った。世紀の対局の先に待っていた、壮絶な結末とは。
タイトルから謎めいている。 盤上とは、将棋盤。 そこに、向日葵とは? 序章から惹き込まれる…
警察官にとって、本当の正義とは何か?正義感あふれる新人の上司となった男は、暴力団と癒着があると噂される、凄腕マル暴刑事だった。ハチャメチャな捜査方法に、憤りを懐きながら、たどり着いた結末は?
暴力団の抗争ものは、苦手だ。 だが、この物語は、別次元だ。 正義とは、こういうことなのだ。 …
恋をした女子高生は、その好きすぎる感情が高まりすぎて、暴走していく。想いを寄せる男子高生が別の女子高生と恋愛関係にあると知った女子高生の三角関係を描く。
2021年10月 ラジオ番組で、映画化されたと聞いて、原作を読んでみようと思った。 原作は2012…
何度転んだって、あきらめずに、真面目に生きていこう。逆境にもめげずにいれば、大逆転が待っているかもしれない。そんな読後の爽快感を感じる、表題作を含む短編5編。
キャッチコピーは、 『敵は、先入観。世界をひっくり返せ!』 表題作のほか、スロウではない、非オプ…
猟奇殺人鬼の一家で育った彼女は、母と兄が死んで、残った父に疑いの目を向けるが、一家には更なる秘密があった。とてつもない発想と筆致に、グロテスクながらも、読む手が止まらない。第62回江戸川乱歩賞受賞作。
タイトルの「QJKJQ」とは何なのか? キャッチコーピーは、 市野亜李亜(いちのありあ)は十…