不思議な少年




16世紀オーストリアの村に美少年サタンをマーク・トウェインは登場させた。おつきあいの相手は村の純真な少年たち。
サタンは万能だ。数時間先の未来も数百年、数千年先の未来も、しばらくまえの村のことも、数千年前の歴史も…

本が好き! 1級
書評数:68 件
得票数:505 票
ノンフィクションが好きですが、近ごろ児童文学や小説に目覚めています。




16世紀オーストリアの村に美少年サタンをマーク・トウェインは登場させた。おつきあいの相手は村の純真な少年たち。
サタンは万能だ。数時間先の未来も数百年、数千年先の未来も、しばらくまえの村のことも、数千年前の歴史も…



「指輪物語」を連想させる表題。宇宙の有機体は別個に存在するようでありながら実はつながっていると考えさせてくれる。
一万年の時を隔てて、地球に棲まう人々が描かれる。両者はまったく関係がなさそうであっても、時を超えてつ…


少女ナンシーが読み解き、感じつつ解く探偵物語。彼女の友人、家族みなすばらしい
ナンシーが解き明かす少女探偵シリーズが第八作とはすごいことだ。それだけ多くの少女たち(少年もあるかな…




じんわりと温かくなるこの小説。言葉の海は深く広い。ひとはこの本を読むと言葉を大切にしたいと思えるようになる。
玄武書房刊『大渡海』が欲しくなってきた。 『大渡海』の箱も、本体の表紙とカバーも、夜の海のような…



美しいことは素晴らしい。しかし美しいことは悲しい。「私」は何を整形したのだろうか。
冒頭で著者は、絶世の美女であることは幸せな人生につながるのか、と問題提起しているように思えた。 女…




圧倒的に、読ませる筆力や虜にする魅力をもっている本だ。タブーか芳醇か、あなたはどちらを採る?
圧倒的に読ませる筆力というか、次へ進みたくてたまらない魅力を持っていた。一方で、この世界から早く逃れ…




ことばを丁寧に紡ぐとはこのことだ。読む者に自分を振り返らせ、ロマンにひたらせる。本当の「嘘つき」は人を幸福にする。
ことばを丁寧に紡ぐことには多くの福音があると思う。 自分の考えが整理される。生き方を検証する。…



失敗しても方針ややり方を柔軟にかえてみて、モニタリングしていきたい、自分が分かっていることと分かっていないのは何かを常に考えていきたくなる本だ。
「確証バイアス」という概念を知った。福島の原発事故でもそうだ。先日の北朝鮮衛星と称するミサイル発射の…




三部作を読み終えてわからなくなった。何が真実で、なにが真実でないのか、何が嘘で、なにがうそでないのか。こころが分裂してしまいそうな気分だ。
「悪童日記」では名前がなく「ふたりの証拠」では名前がついた。いっそうわからなくなった。何が真実で、な…




千年生きてきた王さま。お疲れか、寿命が尽きかけている。ノウサギとまじない師は必死に王さまの命を救おうと懸命だ。ネジマキ草の特効薬が手に入るまで、毎夜物語を語れ。
千年生きてきた王さま。寿命が尽きかけている。かつて周囲にいた動物たちの召使いは今はいない。今の召使い…




名前のなかった「悪童日記」の二人に、この続編では名前がついた。名前がつくということはアイデンティティが明らかになることだ。一人は西側の隣国へ、もう一人は祖国に残る。さらに続編「第三の嘘」が楽しみ
名前のなかった「悪童」ふたりに、この続編では名前がついた。名前がつくということはアイデンティティが明…



説得力とは「相手に対して、自分をいい意味で印象づけ、自分の思いや考えを説明して、納得させ、行動させる能力のこと」と。相手方と相互にウインウインの関係をつくっていくためのノウハウを細かに著者は述べる。
著者の髙嶌氏は、冒頭で「説得力」についてずばり定義する。この定義を実現するために、相手方を自分のペー…

簡潔にして自在、的確な文章でいい話、楽しい話を読者に提供する。山田太一の「ながらえば」の紹介など、笠智衆が思い出されて目頭が熱くなる。




魔女に体を奪われた少女カーリーの物語。毎日は宝物のように貴重な贈り物。なりたい自分を思い描きながら大切に生きていこう
魔女に体を奪われた少女カーリーの物語。魔女はカーリーにこう言う。魔女もなかなかいいことを言うものだ。…



悪童が自分たちの行状をあますことなく記録したノート。あらゆる苦痛に平然と耐え、がっちり稼ぐ強力な生活力。彼らがどう大人への階段を上っていくのか。続編が楽しみだ。
ぼくらの体臭には、堆肥、魚、草、茸、油煙、ミルク、チーズ、泥、水底の泥、土、汗、尿、黴の臭いが、入…



故郷を離れ祖国を追われた金宗烈の一生は、詩の可能性から祖国を求めるものであり、これからも続く。感覚を研ぎ澄まし、「未来はおれなのだ」と信じつつ、未知なる未来をあきらめない。
祖国とはなんだろうか。今や崩壊したがかつて希望の星だった社会主義はなぜ個人崇拝へと変質していくのだろ…





人間が持つ不安や躊躇、服従心や恐れといった陰の部分だけでなく、人間のきらびやかさや恋や向上といった陽の部分。とりまぜて描かれた勧善懲悪のファンタジーがとうとう集大成された。
ハリーポッターシリーズはファンタジーの枠を超えて、もう一歩で名作文学の仲間入りをするのではないかと思…




太陽エネルギーでのみ暮らしていた江戸時代の人人。それでもなお人口3千万人を擁し、江戸は当時世界で最も大きな都市だった。反面現代は化石エネルギーをふんだんに使い、原子力まで。どこまで続くのか。
太陽が地球に蓄えてくれた多くのエネルギー。太古からからのものは石炭、石油。数ヶ月、数年、数十年の単位…




ひとが苦しむことがなくひたすら安穏に暮らせるということは、果たしていいことなのか。愛の衝動も激しい雷雨も自然のきらめきもないとしたら、ひとは生きるに値しない。
主人公ジョーナスは12歳を迎えた節目に、「記憶を受け継ぐ者」に指名される。養育係、道路清掃係、環境美…




危険な本です。「読むな」と警告しておきます。それでも読みたい人はどうぞ! 電車で読めば変な人だと思われること間違いありません。肩を揺らして笑います。
この本『ツチヤの口車』は危険な本だ。わたしの警告にもかかわらず内容を知りたいひとのために、そのわけを…