100分間で楽しむ名作小説 走れメロス
『人間失格』へと至る道。太宰は無頼派なのか世俗まみれなのか。
この短編集は、『走れメロス』(1940年)『富嶽百景』(1939年)『東京八景』(1940年)という…
本が好き! 免許皆伝
書評数:2349 件
得票数:40143 票
片道45分の通勤電車を利用して読書している
アラフィフ世代の3児の父。
★基準
★★★★★:新刊(定価)で買ってでも満足できる本
★★★★:新古書価格・kindleで買ったり、図書館で予約待ちしてでも満足できる本
★★★:100均価格で買ったり図書館で何気なくあって借りるなら満足できる本
★★:どうしても本がないときの時間つぶし程度ならいいのでは?
★:う~ん
★なし:雑誌などの一言書評
※仕事関係の本はすべて★★★で統一します。
プロフィールの画像はうちの末っ子の似顔絵を田中かえが描いたものです。
2024年3月20日更新
『人間失格』へと至る道。太宰は無頼派なのか世俗まみれなのか。
この短編集は、『走れメロス』(1940年)『富嶽百景』(1939年)『東京八景』(1940年)という…
世間の雨から守ってくれる屋根に上ったとき、はじめて少年は大人になる。
幼少期、私は父に連れられて平屋の実家の屋根に上ったことがある。斜めになった屋根におっかなびっくりした…
「袋物屋の三島屋は、筋違橋先の神田三島町の一角にある。」名作は冒頭で決まる。ここに三島屋変調百物語がスタートする。
袋物屋の三島屋は、筋違橋先の神田三島町の一角にある。 三島屋変調百物語シリーズの冒頭の一文…
人が神を殺し、神は人を囲う。そして和製ゾンビが男女をつなぐ。人の世も人ならぬ世も道理は通らぬ。
しのぶやかな小雨が江戸の町を覆う (「賽子と虻」) 秋晴れの好日、午前に、三島屋の勝手口に出入…
弟のいる世界、弟のいない世界。それをつなぐのは「夜市」。
「今宵は夜市が開かれる」。妖怪たちが様々な品物を売る不思議な市場では望むものが何でも手に入る。小学…
プラスチックをあれだけ気にしても、ナイロン入りの毛糸で編み物をしてしまう。だって人間だもの。 #カドイカさんとひらけば夏休みフェア2024
群ようこが日常を過ごすうえでお勧めする品物を紹介するエッセイ集。 ちょうど父の日の前に読んでい…
「自己責任」では片づけられないグレーゾーン&軽度障害者の生きずらさ。
『累犯障害者』 から10年。普段は本を読まない人や中高生でも読める内容にまとめられたのが本書。 …
一番大切な人とはなんなのか。大切な人がいなくなるとはどういうことなのか。
少しずつ大きくなっているような気がするのよねえ、とその人は言った 大きくなっているのは「地…
私は本当の月光を知らない。知ってしまったら、本当に狂ってしまうのかもしれない。
老眼の私にも読みやすい大きな文字で印刷された100分間で楽しむ名作小説シリーズ。 表題作の『人間椅…
将軍家からの入り婿を短期間で隠居させることはできるのか。
この小説の舞台は石見国の竹坂家・加瀬津藩。加瀬津藩は、将軍家から養子・斉晴を迎えており、先の藩主継親…
編み物が悪を明らかにし、心の闇を解き放つ。何言っているかわからないと思うけど、本当にそういう話。
編み物作家。文筆家。NPO法人LIFEKNIT代表。チューリップ株式会社顧問。株式会社日本ヴォーグ…
料理の作り方はわかっても小説の作り方を披露するのはいかがなものか。
専業主婦の西脇千晶は、夫と高校生の娘1人の3人暮らし。結婚前に働いていた花屋で知り合った夫は不倫をし…
小説は「虚」現実は「実」。本当にそうなのか。曲亭馬琴の半生と南総里見八犬伝を並走させて山田風太郎はその本質を描き出す。
アラフィフの私にとって南総里見八犬伝といえば、1983年に公開された薬師丸ひろ子主演の 里見八犬伝 …
今本当に必要なのは偏差値45~55の高校生向けの「それでも日本人は戦争を選んだ」ではないのか。
この本の基礎にあるのはジャン=ジャック・ルソーが18世紀に説いた 戦争とは、相手国の憲法(最…
障害者総合支援法下での最新情報が欲しい。それでもおそらく障害者を取り巻く環境は多くは変わっていないのだろう。
刑務所が知的障害者の福祉施設化していることを告発した本の文庫版が出版されたのは2009年。すでに15…
吉原をみつめた絵師・喜多川歌麿。典型的美人画だからこそ少しの表情の違いで見ているものを鷲掴む
最近では「奇想の系譜」絡みの歌川国芳がもてはやされているが、少なくとも四半世紀前までは人物を描いた浮…
誰もが習字をしたことがあるからこそ、「書」とどう接するのかを改めて考える。
日本で教育を受けたことがある人なら「書道」の時間に筆をとり和紙に字を書いたことがあるはず。それなのに…
建築はその土地の環境と歴史に由来する。だからこそ権力者はそこに介入することで権威を誇示する。合理性でも遊びだけでもない世界の建築
著者である多摩美術大学の教授・岸本章が実際に見て回った世界(日本)中の建築を「ランドスケープ」「イン…
エリック・カール「はらぺこあおむし」のシゲタサヤカ的な続編なのかもしれない
エリック・カール「はらぺこあおむし」はおそらく日本人の多くの子どもたちが一度は読んだ・読んでもらった…
アールヌーボーでもアールデコでも江戸切子でもないガラスの世界
日本でガラスに関する本を探すと、エミール・ガレのアールヌーボーかルネ・ラリックのアールデコばかり、日…