犬とハモニカ
人は結局”ひとり”でしかない。どんなに分かり合えたつもりでも、どんなにふれあっていてもその向こう側に行くことは出来ないのだということ。それでも人は人を求める生き物なのです。
本が好き! 1級
書評数:249 件
得票数:919 票
読書は心のオアシスです。
人は結局”ひとり”でしかない。どんなに分かり合えたつもりでも、どんなにふれあっていてもその向こう側に行くことは出来ないのだということ。それでも人は人を求める生き物なのです。
こんなにも哀しく美しいお話しだとは思わなかった。「悪」は人間が作ったもの、自分自身でそれを認めたものだけが「鬼の芽」を持ち「人鬼」になる。愛する「民」のために千年も追い続けた小鬼の最後が涙を誘う。
いわゆるグルメ本ではない、日常の食に関するエッセイ。年代も近いせいか”あるある”的な…。でも育った地域の違いもあるし個々の家庭で全く違うっていうのも”食”にはあるんですよね。
表題作の「風に~」はNHKでドラマ化したりしていたので読んでみようかと…。その他の作品にも主人公たちの真面目さが共通している。「ジェネレーションX」は読み始めは違和感があったけど、読後感は良かった。
「出んでらりゅうば出てくるばってん…」の歌をつい口ずさんでしまいます。西洋と東洋の価値観の違いは悲しいかな、お互いの思いを擦れ違わせますが、それでも先生への尊敬は変わらない。
面白いストーリーなんだけど何故か登場人物が”入ってこない”。たぶん、これはシリーズもので前作を読んだ人には掴めている前提なのだろう。でも前作を遡って読んでみようか、とは今のところ…。
「はじめに」に、この本の読み方が書いてある。「こんな人はここから」というふうに…。私はどれにもあてはまらない気がしたので目次順に読んでみた。
この一冊で印象に残った文章をあげてみよう。 1.現代人はシナリオを与えられない。自分自身がシナリオラ…
母の思い出の味のレシピでも書かれているのかと思ったが全然違った。妻の死後突然現れて彼女の遺志を伝えて実行しようとする女の子と助っ人に現れた男の子。彼らは実は誰だったのか。ちょっとファンタジー。
主人公が完璧な天才ではなく若い頃に失敗し、挫折を経て目標に到達する姿には感動する。私的には、二人の妻との関係が微笑ましい。
本当に頭のいい人は、他人に優しくできるんですよね。虚勢を張る必要がないから…。昆虫少年だったという先生をまっすぐに育てられたご両親のお顔をぜひ見てみたい。
ミステリー色が濃い作品。四人それぞれの心の内が次第に明かされる。いろいろな伏線があり最後に「ああっ」と思わせるところも…。映像化するなら”環”は”カーネーション”の尾野真千子あたりが面白いかも。
パンとスープだけを出すお店を始めた主人公は仕事に夢中になる。そんな中、たった一人(一匹)の家族である猫が死に自分の家族や人生について考える。血のつながりだけが家族じゃない。人とのつながりって大切だ。
「舟を編む」を読んでからこちらを読んだので、ある意味微笑ましい作者の若さのようなものを感じます。三浦さんの作品で女性が主人公というものを初めて読んだのでそれもちょっと違う感じがした理由かもしれません。
言葉は想いを伝えるため、また思考の道具として人類が獲得した”術”である。これを使いこなすための手助けである辞書を作ることに情熱をかけた人々の記録。読んでいて清々しい気持ちになりました。
ペットを飼うということはその命に対して責任が必要で、去勢するにしても、外に出さずにおくにしても、飼い主の生命観を問われる行為なのですね。
タイトルの“猫なんか”というのは“犬は呼べばしっぽを振って来る”ということの反語でしょうか? 世…
このシリーズの大ファンです。あまり料理は得意ではないので料理を再現しようとは思いませんが、想像するだけで美味しそう。合間にある作品の裏話やエピソードも面白かった。
読み始めはあまりの辛さに読み続けられませんでした。ちょっと間をおいてから再びページを開いてみると、主人公が解放されていく場面に差し掛かり救われました。
仕事って何だろう、人間って何だろう。御巣鷹山・航空機墜落事故は今回の原発事故と共通するものを感じる。乗客の一人が事故機内で墜落間際に書いた”遺書”に目頭が熱くなった。
東京からでも見られますが麓に近づいていくとあらためて”でかっ”と思います。あの崇高なお姿はただの山とは思えません。富士山にまつわる4編のお話。遠くから近くから人々を見守っています。
作者はこの小説が2012年に読まれることを想定していただろうか?充分に楽しめるし、ある意味発見もあった。主人公のバイタリティーには圧倒される。それとタイトルがいい。邦題を付けた人のセンスも〇(マル)。