夢十夜・草 枕
言葉のマジックのように何時の間にか夢に連れてゆかれ、覚めた時は現実でした。そんな一冊です。
どう言う訳か夏になるとお化け屋敷が賑わう。子供の頃、階下に住んでいる同級生と夏祭りに通った。当時は何…
本が好き! 1級
書評数:59 件
得票数:380 票
本は専ら図書館で借りていますが、特に気になる本が有ると本屋さんで買います。本の傾向として明治大正に書かれた本を読んでいますが、現代作家では小川洋子さん、綿矢りささんの本は殆ど読みました。それも全て図書館で借りて読みました。
言葉のマジックのように何時の間にか夢に連れてゆかれ、覚めた時は現実でした。そんな一冊です。
どう言う訳か夏になるとお化け屋敷が賑わう。子供の頃、階下に住んでいる同級生と夏祭りに通った。当時は何…
太宰が見た黄金色の月見草は、実は大待宵草でした。大待宵草は多年草、毎年、黄色の花が咲きます。黄色は黄金色にも見えます。
「富士には月見草がよく似合う。」 この言葉は太宰治が『富嶽百景』の中で述べた有名な言葉です。その富…
太宰は聖書も他の誰よりも愛し御言葉を読んでおられました。御言葉を読みこんでいたからこそ、聖書を題材に幾つかの小説も発表しました。この『律子と貞子』も聖書を題材に書かれました。
聖書では『マルタとマリヤ』と言う2人の姉妹の話です。22歳の律子はマルタのように賢く誰にでも心を配れ…
『弱者の糧』は太宰のエッセイです。エッセイとは何だと言えば自分の心内を書いたもので「自分の独りごと」ではないだろうか。文章は短いが太宰の性格の一端を知ることが出来ます。
太宰の書いた小説を読んでいると様々な形で彼が見られる場面がある。作家であったり、大酒飲みの夫であった…
時代の流れが速くなっても、この本はスロー・リーディングを勧めています。
「親の背中を見て子は育つ」とはよく言いますが、親の言葉からだけではなく、態度や毎日の生活習慣の中で子…
この『変身』はカフカ29歳の時の作品である。その3年後に出版された。
「ある朝、グレゴール・ザムザが気がかりな夢から目ざめたとき、自分がベッドの上で一匹の巨大な毒虫に変っ…
夢、ファンタジー、想像、空想、小さい頃は誰もが考えていました。小さい頃、毎日のように童話を読んだり聞かされたり、夢はやがて大きくなり実現しようと努力しましたが年齢を重ねる度に適わないことが分りました。
この小説を読んでいてカフカの『変身』や中島敦の『山月記』を思い出した。『変身』では布地の販売員してい…
「木村は官吏である。」と始まる『あそび』は森鴎外の作品です。分かりやすく書かれた出だしの文章は、特に印象が強く残ります。
定刻どおりに寝て、定刻どおりに起きる。定刻どおりに朝食を食べ、定刻どおりに家を出て、定刻どおりに発車…
お菓子箱の中身は15人の作家達の言葉です。歴史と重み、何時までも光り輝いています。
『ものがたりのお菓子箱』に入っているお菓子は全部で15個入っている。その中味は作家達の描いた短編小説…
毎週、日曜日午前10時から始まるTOKYO FM『パナソニックメロディアスライブラリー』は作家の小川洋子さんが選んだ本を紹介する番組で、2007年7月から始まった。それを元にして書いたのが、この本です。
本のまえがきに「未来に残したい文学遺産を紹介するラジオ番組」と、この番組を紹介していた。この文学遺産…
男の些細な意地が一家を滅ぼす結果になると誰もが思っていなかったことでしょう。ましてや犠牲になるのは何時も妻と子供達。意味のある意地は良いが。
「ひごもっこす」と言う熊本の方言の意味は、武骨で純粋で正義感が強く、曲がらず、一度決めたら梃子でも動…
忙しい現代男性の心の栄養剤としてビタミンFは必要です。子供を持っている男性には参考になる本です。
七つの栄養素、タンパク質、脂質、炭水化物、カルシゥム、ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンC等は肉体を…
親から大きく成長した子へ宛てた未来のメッセージ。有島武郎の私小説、それが『小さき者へ』です。
キリスト教の信者だった有島武郎が残したのは、それは祈りの言葉で有り、讃美歌の歌詞のようにも聞こえ、福…
出版社も翻訳者の数も、一冊の本としては珍しく多い。1943年に出版された『星の王子さま』(サン・テグジュベリ作 内藤 濯翻訳)は、今でも世界中の子供達に読まれています。作家の池澤夏樹もその1人です。
その理由は、今でもこの本の中から言葉が時々引用されているからです。その1つに「心で見なくちゃ、ものご…
『万両』『千両』『百両』『十両』、これらは樹木の名前です。『十二単』(じゅうにひとえ)、『水引』(みずひき)も列記とした季節の草花です。日本文化の特徴に樹木や草花にも生活言葉が使われています。
言葉とは、感情や意思を表現するだけではなく、固有の名前を付けたりして、そのものを呼ぶ。人の名前、地名…
『人間失格』は、語り手である小説家の太宰がある青年の手記(ノート三冊分と三枚の写真)を借りたことによって始まる。
太宰は、その経緯を「はしがき」と「あとがき」に詳しく述べた上で、手記を「はしがき」と「あとがき」とに…
人間の欲望と安楽死をテーマとしたのは森鴎外の書いた『高瀬舟』です。
今でも教科書にも載り短編小説にも関わらず現在にでも通じる社会問題を投げています。鴎外は『高瀬舟縁起』…
これさえ事前に読んでいれば聖書は難しくはありません。
著者の書いた本は今回が初めて。偶然、本屋さんを覗いたら目に着いたので、数日後に図書館で借りてきました…
聖書を読む前に、その下地となるのが、この本です。
初めて聖書を読んだのは大学4年の秋頃です。ちょうど就職のために忙しい時期でした。それまでは聖書は知っ…
太宰治は繊細な小説家です。
「毒をもって毒を制す」と言う諺がある。この意味も悪を除くために別の悪を利用すると言うことです。ヘビに…