東京湾景

悪人は読んでないんですけど、すみません。文学とエンターテイメントの間の絶妙なバランスだと思います。けど苦手でした。ごめんなさいごめんなさい。
惹かれあっている男女。女性の勤める「お台場」と男性の働く「品川埠頭」の距離はたったの1km。 …

本が好き! 1級
書評数:112 件
得票数:69 票
レビューは約300文字縛り。
でも時々約束を破っちゃいます。
村上春樹さんは新刊でもつい買ってしまいます。
よしもとばななさんはハードカバーでも持ち歩いちゃいます。
川上弘美さんはやっぱり最後には開いてしまいます。

悪人は読んでないんですけど、すみません。文学とエンターテイメントの間の絶妙なバランスだと思います。けど苦手でした。ごめんなさいごめんなさい。
惹かれあっている男女。女性の勤める「お台場」と男性の働く「品川埠頭」の距離はたったの1km。 …

季節は夏です。夏の本を読もう。文体が独自であろうとなかろうと、響くものはすんなり心に入ってくるっていうことを教えてくれた一冊。
一人で住むには広い部屋に、何人かが集まってくる。そしてちんたら生活する。そこにはその人たちでしか出…

遅れてきた岡崎京子ショック。だって見た目が怖い本が多いんだもの。儚いものが好きというわけではないけれど、突きつけられるとやっぱりひるんじゃうじゃない。
実は、岡崎京子の著書は「ヘルター・スケルター」と「うたかたの日々」しか読んだことがない。本屋に行け…

さまざまな作家が家族というテーマで小説を書いている。それぞれに良い話があるけれど、総体として「家族」を書く江國さんはとてもスキなんだ。
犬山家の3人姉妹のそれぞれの物語。タイトルは家訓である「人はみないずれ死ぬのだから、そして、それが…

映画も見て見たいと思いつつ、今日に至る。どうしてこの人の描く日常はこんなにもドラマチックでスリリングなのに静寂に包まれているんだろうか。
どきり、とする言葉がいくつもあった。例えば「どういうわけだかわからないけれど、私は聡に対して飢餓状…

映画も好きです。江國さんの描く家族はおかしいようでいて、全然おかしくない。でもこれが当たり前で無数にあふれていると思うと、温かいようなぞっとするような、深い可能性に萎縮します。
まるでトトロのような兄弟の物語。 世の中にはたくさん「ありえない」人というのがいる。見た目が「…

7年後に読み返すと、それはまた違った趣でした。そっちのレビューは外部リンクにのっけました。絶望しないで生きて生きたい。
どこが好きか。この突き放した視点。この独特の距離感は一度でも「気づけば引き離されていた」人にしかわ…

読んだのはかなり昔。絲山秋子さん、たくさん本を出されて……。追いつくには時間がかかります。これはなんとも、居心地の悪いようなよいような。
心の風邪をひきっぱなしの、ある女の話である。 とても中途半端だ。救済も結論もない。あるのはそこ…

わたしは瀬尾まいこが好きだ、と改めて思った。家族の体をなしていないようで、完璧な家族である女の子の話。
最終的に力づくで泣かされてしまうような場面はあるものの、そこから回復への過程の物語のパワーがすごい…

上司が「これ……」とおもむろに持ってこられたのがこの本だった。「どうかなー、ちょっとなー」と仰っていたのでこわごわ読んでみたのだが。
一途だ。とにかく一途。恋に溺れるということが実に具体的かつ主観的に書かれていて、痛々しい。ところど…

初めての小説だったけれど、興味深く楽しめた。というのも、この単行本に含まれる短編小説があったからだと思う。もしグランド・フィナーレだけだったとしたら、瞬発的なインパクトしか残らないかもしれない。
初めての小説だったけれど、興味深く楽しめた。というのも、この単行本に含まれる短編小説があったからだ…

「死」を考え直す。もともと無神論がちな日本人として、無神論者であるということはどういうことなのか知りたかった。
「死」を考え直す。 主人公たちは、物語が始まった時点で既に死んでいる。彼らの屍は風に腐らされ…