スプーンと元素周期表―「最も簡潔な人類史」への手引き



元素にまつわる裏話を紹介する軽妙な科学史の本。
表題の「スプーン」は、周期表上でアルミニウムの下に位置するガリウムを用いたいたずらに由来する(原題は…

本が好き! 免許皆伝
書評数:1828 件
得票数:50056 票
分子生物学・生化学周辺の実務翻訳をしています。
本の大海を漂流中。
日々是好日。どんな本との出会いも素敵だ。
あちらこちらとつまみ食いの読書ですが、点が線に、線が面になっていくといいなと思っています。
「実感」を求めて読書しているように思います。
赤柴♀(もも)は3代目。
この夏、有精卵からヒヨコ4羽を孵化させました。そろそろ大雛かな。♂x2、♀x2。ニワトリは割と人に懐くものらしいですが、今のところ、懐く気配はありませんw



元素にまつわる裏話を紹介する軽妙な科学史の本。
表題の「スプーン」は、周期表上でアルミニウムの下に位置するガリウムを用いたいたずらに由来する(原題は…




先頃、世界記憶遺産に登録された山本作兵衛の炭鉱画を中心に、作兵衛自身の文による記録、関係する人々による解説を加えた画文集。
明治から昭和に掛けての炭鉱の記録。 美しい絵とは言えないが、詳細・的確で味わい深い絵である。炭鉱(…




ナショナルジオグラフィック発行の絶滅が危惧される動植物の写真集。
黒か白をバックにそれぞれの生物たちがクローズアップされる、スタイリッシュな作りである。とりあえずいろ…




第二次大戦を挟んで4度の脱獄を果たした主人公を軸に、戦中・戦後の刑務所史を見渡す記録小説。
無期刑囚・佐久間が最初に投獄されたのは準強盗致死の罪を犯したためだった。昭和11年、青森刑務所で服役…

元ナチ親衛隊将校の一人語りによる、戦争と自身の歴史の告白。 自らがどのようにナチ将校となり、どの戦線で何を見たのか、(おそらくは)膨大な資料を基に語りおこされた物語。
2006年ゴンクール賞・アカデミー・フランセーズ文学大賞W受賞という作である。 読むのがし…

柿の季節。収穫の後に木に1つ残す実を「木守柿」と言い、秋の季語になっているという話を聞いて、ふと、この本を思い出しました。
子どもの頃に読んだ絵本で、もう絶版のようなのですが、図書館で借りて読み直してみました。 自…



弁護士でもある作者による、犯罪に関する短編集。 乾いた語り口は、なぜ犯人が犯罪を犯したか、真相を語っているようでもあり、さらなる闇を映し出しているようでもある。
弁護士の「私」がときどき顔を出すが、ストーリーは実話とも想像ともつかない。寡黙な男が強い酒を前に語る…

京都で400年近く、薄茶のための干菓子を作り続けている亀屋伊織。 その若主人が語る、伊織の菓子の歳時記。
一見すると何屋なのかもわからないその店の商うものは、茶道で薄茶に添えられる干菓子、いわば脇役の菓子で…




「語源ハンター」と自称する筆者が、普段何気なく使っている言葉にゆかりがある場所を求めて、ニッポン各地を東奔西走。「なるほど」と「へぇー」が詰まった旅行記である。
「語源が知りたい」と思うことはしばしばだが、自分の場合は、辞書やインターネットでさらさらっと調べて終…



ハーバード大学を卒業したユダヤ系青年が、刑務所図書室の司書となる。本書は、司書兼創作クラスの講師として働く彼が出会う様々な受刑者のあれこれと、彼自身の思いを叙情豊かに綴っていく「記録」である。
あとがきで訳者も述べているが、ありそうだけれど考えたことがない存在というものがある。刑務所の図書…




厳しい冬の始まりのある日、突如、冬眠しそびれた羆(ヒグマ)が村を襲った。人は羆を斃すことができるのか。
日本史上、最悪の獣害を描く、迫真の記録小説。 舞台は大正時代、北海道天塩山麓の小村、六線沢。前に入…

石巻日日新聞社は石巻市に根ざす日刊夕刊紙である。 震災後、社屋は倒壊しなかったものの、津波の被害で電源はなく輪転機が動かない。だが記者らは何とか水没を免れたロール紙で壁新聞を作ることに決める。
取材し、何を伝えるかを取捨選択して、マスターを作成した後、手書きで何部か書き写し、避難所やコンビニな…



汗と涙と鼻水の公務員お仕事物語第2弾。 トッカン=特別国税徴収官とは、悪質な税金滞納者から取り立てを行う国税局職員。主人公はトッカンの下で働く徴収官、ぐー子である。
前作では新米ぺーぺーだったぐー子だが、本作では働き始めて4年目。職場での自分の「売り」を見つけね…



トッカン=特別国税徴収官とは、悪質な税金滞納者から取り立てを行う国税局職員。 「死に神」とあだ名されるトッカンの部下として働く新米徴収官、通称「ぐー子」が、奮闘・成長していく物語である。
トッカン=特別国税徴収官とは、悪質な税金滞納者から取り立てを行う国税局職員。 国税局から京橋地区税…



時は中世。少年ランドルは叔父の城に預けられ、騎士の修行に励んでいる。ある日、城を訪れた魔法使いマードックが操る魔法に心奪われたランドルは、魔法使いになるべく、城を飛び出してマードックの後を追う。
子どもに読み聞かせつつ読みました。 時は中世。少年ランドルは叔父の城に預けられ、騎士の修行…




1匹の猫を縦糸に、子を流産した主婦、社会にうまくなじめない男子高校生、妻に先立たれた初老の男をそれぞれ主人公にした3つの物語が、20年に渡ってゆるりとつながれた連作集である。
書評で見かけて読んでみた。著者は主婦・僧侶・会社経営者といった異色の経歴の持ち主らしい。 …



北村薫のシリーズ物。本作が一作目で、『玻璃の天』、『鷺と雪』と続く。 舞台は古き良き昭和。主人公は女学校に通う良家のお嬢様、英子。そしてお嬢様付きの、曰くありげな女運転手、ベッキーさんである。
収録されているのは「虚栄の市」、「銀座八丁」、「街の灯」の3編。出歩くのに制約があるお嬢様が、新聞で…

鬼哭とは浮かばれない亡霊が泣くこと、またその声。 著者の江成常夫は戦争花嫁や中国残留孤児、満州など、日本の負の遺産を一貫して追ってきた写真家という。
本書は戦地となった太平洋の15の島々を周り、フィルムに収めた写真集。各島で生き残った戦争体験者の証言…




ビルマの難民支援に奔走していた大学院生が、難病に冒される。「困ってる人」を助ける側にいた彼女は、一転、自ら「困ってる人」となる。
ビルマの難民支援に奔走していた大学院生が、難病に冒される。「困ってる人」を助ける側にいた彼女は、一転…




堅実な水産学者のもとに、ある日突然飛び込んできた、途方もない案件とは。驚愕のプロジェクトの行方を見届けよ!
イギリスの国立研究所に勤務する、ごくごく堅実な水産学者、アルフレッド・ジョーンズ博士のもとに、ある日…