大貧帳―内田百けん集成〈5〉 ちくま文庫
なんといってもタイトルがよい。こんなタイトル、ほかの誰にも思いつけない。現実がどうにも鬱陶しくなった時、無性に読みたくなる1冊。
本が好き! 1級
書評数:253 件
得票数:704 票
約2年間、ありがとうございました。
ズレが大きくなってしまったので、ひとまず退会いたします。
献本に55冊応募して、いただいたのは9冊。ご参考まで。
またどこかでお会いしましたら、よろしくお願いします。
なんといってもタイトルがよい。こんなタイトル、ほかの誰にも思いつけない。現実がどうにも鬱陶しくなった時、無性に読みたくなる1冊。
その因果、その波乱、その苦悩と誠実、プライド…ものすごく面白い。ヘタな小説そこのけの「裏フランス革命史」。なるほど、荒木飛呂彦の帯が。
お下品でお下劣でハチャメチャなブコウスキーの中では、上品でおとなし目のほう。全くとんでもないじいさんだったけど。
ほかの数々はともかく、これだけは漫画で読んではいけない。滅びゆくものは、具象ではなくイメージとして漂うからこそ尊い。乙女チック太宰、全開。
胸の奥深く、こんな本を1冊持っているのは、大事なことである。誰にも知られない、しみじみと素直な、柔らかな場所に。
21歳で一生が完結してしまったことは、その後の衰退や醜態なども味わわず人にも見せずに済んだという意味では幸運で、繊細なきらめきを一層際立たせる。ご存命ならば、どんなおばあさんに?などと想像してみる。
本にお世話になっているのに、作る過程、作っている人のことをあまり知らない。それを平易な言葉でしっかり教えてくれる楽しさと、読み物としての面白さ。そして何より、本への愛をたっぷり感じる。
いつまでたっても、いくつになっても、やっぱり席は見つからず、うろうろおろおろ、リバーズエッジをたどるばかりなのだった。「ふがいない僕は空を見た」とセットで。
1本めのエロに負けてはいけない。そして、おやおや、また「あられもない孤独」もの?と思う。2本め、3本め…と読み進むうちに、1作めの性描写がどんどん色あせていく。孤独以上。エロ以上。
鞄の中に図書館。図書館1つぶらさげて、旅する男。愛着のある懐かしい本が多いのも楽しい。ちょっとほろ苦かったり切なかったりもして。
「本屋さんに行きたい病」が、必ずや発症してしまうであろうことを予言する。あそこもここも、行ってみたい書店がてんこ盛り。
そうだ、ここまで読み込まねば本読みとは言えない?! 作品への熱い愛に、身が引き締まる。本読みとしての恩田さんと山田さんに、あらためて敬意をかきたてられます。
雑誌内雑誌として綴じ込まれたStory Sellerも、もちろん読みであり。しかし今号はなんといっても、たまたま福島県を訪れていて震災に遭遇した記録、彩瀬まるさんの「川と星」。
彩瀬まる「川と星」。 言葉になんてならないだろう、もしなるとしても時間がかかるだろう、そしてどんな…
彼女の若い頃の写真を見ると、なぜこんなにきれいなんだろう?と思う。そして次にきっと思うはず、誰が撮ったのだろう? 答えはここに。
いつもいつも思っていた。 向田邦子の若い頃の写真は、とてもきれいだ。表情、光の加減、まるで女優さん…
37人の玉子アンソロジー。森茉莉、石井好子、林芙美子、伊丹十三、向田邦子、田辺聖子、松浦弥太郎…と並べながら、黄色いふわふわと暖かな匂いを想像しただけで既にヨダレが。玉子って、なんかシアワセだよね。
ひとりで暮らす自分と向き合い、時間があれば丁寧に、無ければ無いでテキトーに…の手料理。ひとりで生きていく自信と技術を持っていた彼女。たまにめくって、襟を正し、力をもらわないとね。
そうなんだ、なんかヘンだと思ってたんだ。有意義とかやりがいとか体にいいこととか。どうもしっくりこなかったんだ。多分そんなことのために生きているのではないんだ。そうかそうか、ぐずぐず生きてていいのか。
米澤「追想五断章」+門井「お探しの本は」+大崎威風堂書店シリーズ…にピンと来た方は、いますぐ書店で、これを求められよ。
新しい本ももちろんいいのだけれど、人の手を渡ってきた本もまたいいものである。 図書館や古本屋の本を…
難病で自由がきかなくなった自分の体を「潜水服」に、それでも自由にはばたく自分の意志や想像力を「蝶」にたとえる。なんと魅力的で、どこまで洒脱なのだろう、この人は。脱帽以外にない。
「こわカワイイ」「きもカワイイ」の先駆者はこの人ではなかろうか。「きゅうりさん そっちへいったら あぶないよ ねずみがでるから」と何べん言われたって聞きゃしません。