神も仏もありませぬ
そりゃあさびしいことだって、ないとは言わない。長生きしちゃったらどうしよう、ボケちゃったらどうしよう、考えたってしょうがない。あっけらかんと、老いていこうよ、佐野さんのように。
”しかし生きている人間に絶対に確実なのは死ぬ事だけだ。生まれて来ない人はいるが死なない人はこの世に…
本が好き! 1級
書評数:253 件
得票数:704 票
約2年間、ありがとうございました。
ズレが大きくなってしまったので、ひとまず退会いたします。
献本に55冊応募して、いただいたのは9冊。ご参考まで。
またどこかでお会いしましたら、よろしくお願いします。
そりゃあさびしいことだって、ないとは言わない。長生きしちゃったらどうしよう、ボケちゃったらどうしよう、考えたってしょうがない。あっけらかんと、老いていこうよ、佐野さんのように。
”しかし生きている人間に絶対に確実なのは死ぬ事だけだ。生まれて来ない人はいるが死なない人はこの世に…
毒舌、と言ってしまっていいだろうか?相変わらず冴え渡る。隅の隅までぎっちりやり込めてくれる筆の冴えに、溜飲を下げまくりなんである。
まあ、罵倒したい時というのは、対象への悪感情のみが増大して、どう言ったら最も効果があがるか、完膚なき…
ショッキングなタイトルである。それくらい著者は訴えたかったに違いない、とりまく状況の激変で、本が悲鳴をあげていることを。
極論すると、結局 ”本を殺す” のは「読者の劣化」だと、私は個人的に思っています。 もちろん、”本…
結婚、浮気、離婚、妊娠、家族、恋愛、再会…アラフォーにも、いろいろあります。こんなにどろどろせずにいられれば、そりゃあどんなにいいことか。
「泣かなくなった物語」「粉」「虫歯の薬みたいなもの」「犬と椎茸」「他人の島」「きっとね。」「ダッチオ…
人にとって、スポーツ選手にとって、食べることはやっぱり大事! 環境の異なる地で、国の代表として闘ってくるのであればなおのこと。それを支える熱意と誇りが伝わってきます。
そうなのだ、ウキウキ楽しく旅行に行くわけではない。 おいしいものを見つければラッキー、珍しいものを…
突然解雇された女性教師の謎を追う。追うほどにエレガントで妖しく、霧の中の出来事のように幻想的。余韻が、残り香のようにいつまでも漂う。
女子学院の女性教師、キャメル色の床にふかふかのラグ、白いカーテン、山桃のエキスの緑色のキャンドル、メ…
センスや感性という言葉でくくったら何も見えてこない。なんでいいのか、何をいいと感じるのか、この人は突き詰め、楽しんで解いていきます。ジャズを知らなくてもOK。知っているなら、ますます聞きたくなります。
菊地成孔さんは作曲します演奏します、音楽家ってやつですね。映画や流行にも詳しく、文章も書く。おまけに…
あまりにもシンプル。だからこそ、幾千の言葉よりはるかに雄弁。何かを見つけても、見つけたのに違っていても、或いは見つからなくても。大丈夫、ぐるぐるころころ、探していることを楽しめばいいさ。
単純な線、単純な言葉。 あまりにも何もかもが単純で、最初読んだ時は、え?これでいいの?と驚いたくら…
なんだか隙だらけで。その隙を、ふわふわ、ゆらゆらと行ったり来たり。ま、いいか、とか、こういう恋愛もいいもんだよね、と、気持ちを鎮めてくれる7本。
「一実ちゃんのこと」「ユモレスク」「金と銀」「エイコちゃんのしっぽ」「壁を登る」「夜のドライブ」「天…
愛想のないタイトル、愛想のない書き出し。主人公とその母の、あまり見返りのない日々を淡々と描いて、しかし、ぐいぐい引き込まれていく。恐ろしい新人だったんだ、清張さん。
「昭和十五年の秋のある日、詩人K・Mは未知の男から一通の封書をうけとった。差出人は、小倉市博労町二八…
「てだれ」のメンツぞろいの、お買い得のお値打ち品。中でも宮部みゆき「博打眼」がダントツの出来で、横山秀夫「未来の花」はシメにふさわしい。カッパノベルスリストを眺めているだけでも、充分楽しめる。
いずれ劣らぬ豪華なメンツ! 宮部みゆき「博打眼」。 この人はいつも、善と悪の描き方、さじ加減…
猫のピートが探している夏への扉を、恋人も会社も失った「ぼく」もまた探している。甘さとほろ苦さが、SFというジャンルを越える。
「ぼくの飼っている猫のピートは、冬になるときまって夏への扉を探しはじめる。家にあるいくつものドアのど…
電車の中で読んではいけません。突然吹いてしまい、「へんな人」になってしまうこと請け合います。他人を揶揄せず蔑まず、知力で勝負。それでいて、サイケでポップ。
主人公を突き詰めて行くことが、結局は筆者自身を突き詰めていくことになっている、類い稀なるノンフィクションの(文字通り)金字塔。
吸血鬼やゾンビに、現実の町中を歩いていてほしいわけじゃない。ホラーを観ながら、覗き込んでいるのは、自分の中にある恐怖や不安なんだ。
ホラーを楽しむ、というのはとても高度な心の作用である。 つまり、これは完全にフィクションである…
ウンベルト・エーコとジャン=クロード・カリエールという、読書界の巨人2人が、紙の書物について縦横無尽に語りまくる。超一級の書物愛!
面白かった! 前半は、技術の革新と紙の書物の関係、紙の書物の特性や魅力を語り合い、紙の書物はな…
どの教室にもあったかもしれない人間関係と出来事を、精密に、緻密に、容赦なく辿っていく。10年後だから辿れる。10年後なのにざわつく。
いつの時代の、誰の、どの教室でも、多かれ少なかれあったような人間関係と出来事。 精密で、緻密に、容…
もしこの中に読んだことのない作家さんがいたら、幸いです。 これを読んでから読むと、きっと幸福な出会い方が出来ます。
ヘタウマ感漂うキノコとかね。独特の、まぎれもないヤンソンワールド。あなたが思っているアリスとは、きっと違うよ!
バスラの1人の女性図書館員が、戦火から図書館の本を守ろうと、3万冊の本を運び出す。世界のあちこち、見えないところで、本を守ってくれている名もなき人が、きっときっといるはず!…と思うと勇気がわいてくる。