ゴースト・ハント




時代は第一次世界大戦前後がメインだが、そこはかとなく漂うモダンな雰囲気。英国スタイリッシュの片鱗を覗かせるような、あえて語りきらない恐怖への誘い。
遠く海の向こうイギリスと我が日本、相違点は色々とあるけれど、似通ったところも多少はある。その一例は、…

本が好き! 1級
書評数:116 件
得票数:688 票
翻訳小説ばかり読んでいます。
その内いつか、日本の作家の作品も読みたいのですが、今のところ時間がなく。。。
過去に読んだ作品はblogにアップしていますので、覘いてみて下さい!




時代は第一次世界大戦前後がメインだが、そこはかとなく漂うモダンな雰囲気。英国スタイリッシュの片鱗を覗かせるような、あえて語りきらない恐怖への誘い。
遠く海の向こうイギリスと我が日本、相違点は色々とあるけれど、似通ったところも多少はある。その一例は、…



雑誌丸ごと発禁処分とまで言うから、果たしていかなる?と少々ドキドキ(笑)しながら読み始めたのだが、何のことは無い・・・。日本ってやはり初心な国だったのねぇ(笑)。
言文一致の流れが出た頃の作品を読んでみたくて、だとしたらやはり森鴎外かなぁ?という思考。雑誌丸ごと発…





これは面白い。完全なる独白形式。主人公が裁判所を出てから、目の前の駐車場に止めてある車に行くまでの思考を追ったものだ。だから非常に短いが、内容は濃い。
単なる呟きの連続でコミカルな作品かと思ったらとんでもない!実に巧みな構成で物語としての膨らみは長編と…




かなり評判の良かった本作、割りあいと多かった観想は、『厚さの割にはあっという間に読み終わった』というもの。確かに、私も1日で半分読み終わってしまった。
これは恐らく、『5歳のジャックが語るひらがなばかりで表現が拙く、それ故に言葉が多くなる文章』であるが…




面白かった!軽妙洒脱という言葉が即脳裏に浮かぶ。それでいて、深く考えればなかなかに痛烈な批判も持っている。
さすがに、無駄にボヘミアンを自称して、大酒を飲んで破天荒な人生を送って、あたら早死にしたワケじゃない…





愛らしい装丁、P・ギャリコという作家の印象から、愛すべきハリスおばさんや、ジェイニーなどと言った穏やかなる物語を想像していた。お子様が読んでウキわくしちゃうような、楽しい冒険活劇かな?くらいに。
なんのどうして!『ポセイドン・アドベンチャー』なんかも書いてる作家だったっけ。わたし個人としては、こ…





それはそれは力作の感想を書ききったのだが、なぜだか保存できずに消えてしまった・・・。余りにも残念で書き直す気になれず。
前作『犯罪』に引き続き、変わりなく面白い作品集だった。 強いて言うなら、ラストの滑稽な終わり方に、…





好きだわ~こういう短編たち。これもまた、ラストでふっと読者を突き放すような距離感がありながら、最初から最後までじっくりと物語に引き込んでくれる奥行きがある。
良い短編というのは大抵そうなのだが、物語が始まった途端、その舞台となる世界にいとも簡単に引き込んでく…





ジュブナイルで清い感動を求めていただけに、図書館も随分タイミングが悪いなぁ・・・と。まさか、これほどまでに面白く、あっという間に読み終わってしまうとは予想だにしなかった。
カニバリズムの話なのは知っていたがそれだけに、いささか読むのに躊躇した。しかも、気分も全くカニバリズ…



なんとも綺麗な印象の作品。登場人物の奥深くまで入っていきそうで、このお上品さがその追求を許さないと言った印象があった。
これは、祖父、父、息子の親子3代記であると同時に、『父ハワード』の物語なのだな?ジョージは死の床で身…



若手作家が『頑張りました!』感は伝わってきたのだが?これはもう、本当に『ごめんなさい』なのだが、『大学』が登場した瞬間から私の脳内を占めたのは先に読んだ『夢宮殿』。
文章運び、雰囲気、構成などを総合して、個人的好みは『夢宮殿』の方が上だったので、どうしてもいちいち文…





原案S・ダウドと聞けば、これは読む義務があると感じる。前作『ボグチャイルド』は今でも、片鱗を思い出すだけで感動を追体験できるくらいだ。
この名著に対する我が感想文を読み返してみても、いかに熱い思いを感じていたかがわかる、少し気恥ずかしい…



レーモン・クノーと言えば『地下鉄のザジ』。『地下鉄のザジ』と言えば・・・最後まで観られなかった映画・・・。どっぷり私の苦手なタイプのフランス映画・・・。
しかし本書を読んで良く解った。きっとこの方の作品は映画にするのが難しい! 読書中ずっと頭に浮かんで…





子供の頃の愛読書・・・と言えば語弊があるが、幼い頃は読書が大嫌いだった私が読んで、心に残った数少ない作品の1つ・・・のシリーズファイナルである。
大人になって完成版を読んで初めて、この作品の面白さに目覚めたわけだが、実直で威勢が良くて大らかで短気…





これは面白い!出会う作品に真新しさを感じられなくなった飽和状態の脳と心に、ガツンと何かしらを注入された感じ。
とにかく全体的に『汚い』、何もここまで描写しなくても、何もここまで訳さなくても・・・と苦笑いしてしま…



私・・・だぁいぶ荒んでいるみたい・・・。物語としては良い話だと思うし、読みやすくて楽しいと思う。ただ・・・、この物語の楽天的なところはどうも・・・。
とは言え、著者自信がサンチャゴのように世界を旅した経歴の持ち主。私も無駄に長年生きてきて学んだことは…



私個人としては、この作品を爽やかな青春小説だとか、感動的な再生の物語だとかは受け取れない。ジェンマは最初から最後まで救い難いし、最初は同情したタールも、次第に単なる腑抜けに感じられてきた。
本作と『トレインスポッティング』を比較する方が多いようだが、あの同調不能の狂気の中に隠された良く練ら…



読む前に幾つかの観想を読んだところ、『結末がありきたり』という評が多かった上に、作品紹介でジョンに対する嫌疑を現してしまっていただけに、ある程度の予測が立ってしまった。
なので、訳者や解説者が盛り上げようとしているような、緊迫感あるサスペンス、驚きが連続のラストは全く感…



J・P・トゥーサンの新境地!・・・もともとこれくらいの才能は十分に持っていた人だとは思うけど、やはりちょっと、複雑な気持ちだなぁ。
文体はまさにトゥーサンなのだが、土地柄もましてや登場人物すらもはっきりとしないまま飄々と進むこれまで…




須藤元気、大分以前に偶然に彼のHPを見て、その日記の面白さにひっくり返った(笑)。以来、時折須藤氏のサイトを覗いては、彼の的確かつ巧妙な面白日記を楽しんでいる。
初めて読んだ時は、余りの文章の上手さに経歴を調べ尽くし、なるほど、挌闘家にして無類の読書好き(そして…