ピンクとグレー





アイドルの著作という色眼鏡と、それならばなおさらのこと、評価され、映画化もされたストーリーへの興味との狭間で過ごしていました。待ちに待った文庫本化のおかげでやっと読みましたが、すごかったです!
芸能界で頂点に上りつめた「ごっち」の姿を自宅のリビングで眺める「りばちゃん」の独白から始まる物語は、…

本が好き! 2級
書評数:46 件
得票数:152 票
ここ数年急に増えてきた読書量。それでもなかなか冊数は伸びないものの、確実に増す「本」への愛情。手にとって響くもの、読んで沁み入るもの。ひとつひとつを大事にとりこみたいと願いながら読んでいます。





アイドルの著作という色眼鏡と、それならばなおさらのこと、評価され、映画化もされたストーリーへの興味との狭間で過ごしていました。待ちに待った文庫本化のおかげでやっと読みましたが、すごかったです!
芸能界で頂点に上りつめた「ごっち」の姿を自宅のリビングで眺める「りばちゃん」の独白から始まる物語は、…



この本を読んだという事実を忘れずにいさえすれば「初対面」という名のハードルはぐっと下がるはず。
かつて「どうしようもないくらい人見知り」で「アガリ性で、緊張するタイプ」だったという著者が、アガリ性…





単行本『学生時代にやらなくてもいい20のこと』。文庫化にあたり3編を追加、改題されたもの。読み損ねていたが、読めて本当に良かった。文庫化万歳!
5月の朝日新聞be『作家の口福』欄が秀逸だったため、どうしても朝井氏のエッセイがよみたくなり、探し…



『作者自身にも把握できていない、無意識の領域からの、未分化の、奔流のような表現』がみてみたい。
又吉氏が書く過不足のない卓越した文章のファンなので、すぐに読みたいとは思ったものの、いざ発売されて…





冒頭の描写で兄弟の立場と性格を浮き上がらせる手腕はさすが。きれいすぎと感じるところもあるけれどこれが学生時代の作品だなんて!作者が自身のやさしすぎる部分に苛立ち『何者』が生まれたという解説に納得。
『ばらばらになってしまった体内のパーツを正しい位置に戻しながら』という2行目で「この話好き!」という…


近未来、DNA捜査システム、電トリ……、想像もつかない理系科学の世界へ連れて行ってくれるのかと期待したのにどんどんヒューマンな様相を呈してきて、先が読める展開になってしまった。映画的過ぎて残念でした。




夏休み中の中学校の図書室から借り出してきました。中学生の娘が理科の自由研究に悩んでる、という借りた理由もぶっとぶこの勢い。面白すぎます。
静岡市にある、私立女子中学一年生の理科実験レポート集。 表紙の『Oさんは万歩計をつけて寝て…





映画化という情報のおかげで手にしたら、すごく好きな一冊になった。高良のイメージ(これがまたはまりすぎ)のせいか元々なのか、世之介の魅力がずば抜けてる。これほど読み終えたくないと思った本は初めてかも。
『この若者、名前を横道世之介という。大学進学のため、たった今東京へ出てきたばかりの十八歳』 …



異世界への扉がどこそこにもあると思えた懐かしい時代。昭和育ちの身には「わかるわかる」と頷かされ感じ入る話ばかりでした。
朱川湊人の本は初めて読んだ。 この作家の本ばかりを何冊も掲げ持って「すごくいいよ」「貸すよ…


![文藝春秋 2012年 03月号 [雑誌]](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/5176%2BbDJHAL._SL160_.jpg)
受賞作全文掲載につられて購入。今回は特に単行本を買う必要を感じなかったので、この雑誌で読めて良かったです。
この雑誌は受賞作全文掲載の時しか買わないけど、読んでみると全般面白いというのが毎度の感想です。今回は…




期待以上の面白さ。戦乱後の太平の世、己の勝負を欲しながらそれが何であるかわからず切ない思いに囚われ「春海」と名乗った若き算哲の焦燥感が、時代を超えてリアルに伝わる。





死刑確定のニュースを受け再読。一読目と同様、加害者こそが本村さんに救われたのではないかという感想でした。
2012年2月20日の死刑確定を機に再読。 テレビ画面を通して見る本村さんは、感情が昂ぶっ…


読んでみたいと思っていたのが『後味悪くて読んで後悔<読まないと後悔! 』という帯を見て足止めをくらった。勇気を出して読み終えてみれば……「≦」くらいかなあ~?
「売れてる本」として新聞で紹介され気になっていたところで平積みになっていたのを発見。「読んで後悔<読…



評価が分かれると思う。物語性を期待して読むとがっかりするのでは。「flowers」の方がわかりやすく吉田修一らしさが感じられて良かった。「嫌いな奴のことが、そんなに嫌いじゃない」というセリフが残った。

風に煽られるような生き方をしてきた若者が着地点を見定めようとする。自分だけの場所はどこかにあるはず。「今やれること、一生懸命やってみろ」という父親の言葉がシンプルで良かった。




細部を凝視する者の視線によって、忘れよう隠そうとしている事柄が否応なく明らかにされる恐ろしさに身震いする。独特の色と匂いを醸す世界。この皮膚感覚は癖になる。苔の緑と赤ん坊の赤のイメージが残像になった。




解明されるべき点が伏せられたまま納得させられる、解説通りの「心地よいもどかしさ」。無敵の活躍の可能性を秘めながら目立つことを嫌い「小市民の星」を摑みたいと願う二人の老獪ぶりを逆にフレッシュに感じる。


すれ違う時に平気でぶつかってくる他人を見るような冷淡な関係を思い浮かべながら読んでいたけど、ラストでは、人間関係とは至極単純なものかもと思った。そこは収穫かもしれません。
きれいな空気だけが取り柄の、夕方6時に「グリーンスリーブス」が流れる閉鎖的な田舎町で、ある夏の日、ひ…



原作も映画も面白かった「ちょんまげぷりん」。その続編を今この時期に(「絶賛公開中」の帯付きで)出版するというのはいかがなものかと一瞬躊躇するも結局買ってしまったのだが、前作同様のスピード感躍動感衰え知らず、一気に読まされた。
6歳の時に江戸時代からタイムスリップしてやってきた木島安兵衛と出会った友也が、8年後、今度は自分が江…





映画「悪人」も話題になってきたところでやっと書きあげました。原作で一番泣かされるのが房枝と佳男の場面。上映が始まったら映画も是非観たいけど、この二人の場面が一番楽しみです。特に房枝(樹木希林)のところかな。
上巻ラスト近くでやっと約束を交わした祐一と光代が初めて出会うところから始まる下巻は、上巻でその人とな…