終わらざる夏 中




占守島の戦いを描く歴史小説。「戦争が不幸なのではなく、事実を伝えられないのが不幸」との台詞がある(中巻200頁)。日本の公務員の隠ぺい体質への市民の不満は、この点にある。
浅田次郎『終わらざる夏 上中下』(集英社、2013年)は占守島の戦いを描く歴史小説。但し、下巻に入っ…

本が好き! 1級
書評数:3170 件
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歴史小説、SF、漫画が好き。『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』はマンションだまし売り被害を消費者契約法(不利益事実の不告知)で解決したノンフィクション。




占守島の戦いを描く歴史小説。「戦争が不幸なのではなく、事実を伝えられないのが不幸」との台詞がある(中巻200頁)。日本の公務員の隠ぺい体質への市民の不満は、この点にある。
浅田次郎『終わらざる夏 上中下』(集英社、2013年)は占守島の戦いを描く歴史小説。但し、下巻に入っ…




占守島の善戦は大本営のミスの結果であり、「日本凄い」ともてはやす話ではない。逆に占守島に精鋭を配備した結果、満州のソ連国境が手薄になり、ソ連軍は容易に満州を攻略した。
占守島は千島列島最北端である。日本の無条件降伏後にソ連が攻撃してきた。日本軍は占守島で善戦し、ソ連の…




様々な毒を幅広く紹介する。大麻は立派な毒である。大麻のタールは発がん性物質は煙草の3倍から4倍もある。この点でも大麻のような依存性ドラッグを煙草と同レベルに扱って相対化することは正しくない。
船山信次『毒 青酸カリからギンナンまで』(PHPサイエンス・ワールド新書、2012年)は毒の解説書。…

ミニマリストの料理生活を語る書籍。シンプルな道具を使ったシンプルな料理を推奨する。SDGs; Sustainable Development Goalsで合致する生き方である。
ドミニック・ローホー著、原秋子訳『少ないもので料理する シンプルな台所で、ミニマム・クッキング』(幻…




日本の刑事訴訟の有罪率の高さの不合理を指摘するエピソードがある。映画『劇場版 呪術廻戦 0』と映画『99.9-刑事専門弁護士 THE MOVIE』は公開時期が重なっている。
『呪術廻戦 18』(集英社、2021年)は日本の刑事訴訟の有罪率の高さの不合理を指摘するエピソードが…




中央集権だから問題である。中央集権化して官僚化したために有力な臣下が反逆すると、その下も反逆者に従う。「上官の命令は天皇の命令」の日本の公務員組織で不正が行われることと同じである。
フランス王国はカペー朝、ヴァロア朝、ブルボン朝の三王朝がある。日本では鎌倉幕府、室町幕府、江戸幕府を…





被疑者の権利保障の論考。取調べの可視化だけでなく、弁護人立会いが必要と指摘する。弁護人の立会いが認められないことは日本の司法の前近代性を示す。
岩波書店『世界』2022年2月号は「日本司法の“独自進化”」を特集する。「ゴーン被告が逃亡した時には…





『新たな出会い篇 映画公開前夜祭』は人を陥れて冤罪を作るパターンが描かれた。一見すると、それと真逆に見える。しかし、無実の罪をきせられ、獄中死することが許されることではない。
映画『99.9 刑事専門弁護士 THE MOVIE』はTBSテレビで2016年、2018年に放送され…

肥前国に進出した林田氏は高来郡(たかきぐん)千々石(ちぢわ)の領主になった。千々石は島原半島の北西の付け根に位置し、橘湾に面している。この一族は林田隠岐守を名乗った。
肥前国に進出した林田氏は高来郡(たかきぐん)千々石(ちぢわ)の領主になった。千々石は島原半島の北西の…





自白に依存する日本の冤罪事件に共通の問題を抱えている。昭和の村社会の厭らしさも明らかにした。冤罪主張者の家族を集落ぐるみで迫害し、村八分にした。近代的な組織でも日本型組織では起こることである。
名張毒ぶどう酒事件は冤罪が強く主張されている殺人事件である。1961年3月に三重県と奈良県にまたがる…





頑張ることに価値を見出す昭和の精神論根性論は障害になる。本書は昭和の精神論根性論を批判するスタンスが明快である。近時の論調には昭和のノスタルジーの先祖帰りのも散見されるが、本書は健全である。
吉田洋一郎『PGAツアー 超一流たちのティーチング革命』(実務教育出版、2021年)はゴルフスイング…




ラスベガスのカジノが舞台。作者本人と思われる作家自身が登場し、ラスベガスのカジノで楽しんでいる。日本では明治以来の富国強兵思想が残存しており、幸福を忘れてしまう。非日常のカジノで幸福を味わえる
浅田次郎『オー・マイ・ガアッ!』(集英社文庫、2004年)はラスベガスのカジノを舞台としたコメディ小…

チェーン店の利用は「値段と味は比例しない」の実践である。美味しさは値段で決まらない。値段と味や品質は比例しない。高かろうが安かろうが、チェーン店だろうが何だろうが、自分が気に入ったものを選択する。
チェーン店が好き。いつもと違うメニューを選ぶこともあれば同じものを繰り返すこともある。ステレオタイプ…




リニア建設には反対運動が起きているが、事業者自身にもデメリットがある。それなのに経営陣がリニア建設に邁進することは不思議である。鉄道建設を優先する国鉄の体質が残っているのだろうか。
前田忠志『「会社の数字」がみるみるわかる! 決算書のトリセツ』(実務教育出版、2021年)は決算書の…




企業人として環境問題に取り組む場合の悪しき傾向として消費者への責任転嫁がある。この問題は売り手と買い手のどちらの責任が重いかという問題と重なる。日本は買い手に責任を負わせ、売り手の事業者に甘い。
松尾雄介著、日本気候リーダーズ・パートナーシップ(JCLP)協力『脱炭素経営入門 気候変動時代の競争…




春秋時代の小国「鄭」の貴族を描く歴史小説。子産がタイトルであるが、その父親・子国からの二代の物語である。春秋時代が毎年のように戦争をしていることに驚かされる。非生産的である。
宮城谷昌光『子産 上下巻』(講談社文庫、2003年)は春秋時代の小国「鄭」の貴族を描く歴史小説。子産…




清河八郎は腹黒い策士と評判が悪い。しかし、幕府に弾圧され、妻を獄中で亡くしている経験がある。幕府への恨みは本物である。むしろ早い段階から倒幕を唱えた点は先見性がある。
新撰組は清河八郎の献策で誕生した浪士組が出発点である。八郎は幕府の金で浪士組を作り、尊皇攘夷を目的と…




多くの人々に対してはコミュ症になる。コミュニケーションを強要されると失神してしまうほどである。しかし、特定の人々に対しては高いコミュ力を発揮する。コミュ症は直すべき欠点ではなく、トレードオフの価値。
桐谷のば『俺、限定コミュ症なんでっ。』(LINEコミックス)は限定コミュ症の男子高校生を主人公とした…

調布市は外環道についての情報公開請求者の個人情報を繰り返し漏洩した。情報漏洩の被害者は2021年12月27日付で「「個人情報漏えい」についての申入書」を長友貴樹調布市長に出した。
調布市は外環道についての情報公開請求者の個人情報を繰り返し漏洩した。情報漏洩の被害者は2021年12…




「その程度の可能性の話を友達の君らに黙っておく事が一護クンへの義理を通したと言えるかい」との名台詞がある。現実に起きる可能性が低いことでも前もって説明しておかなければ不誠実である。
久保帯人『BLEACH―ブリーチ― 61』には「その程度の可能性の話を友達の君らに黙っておく事が一護…