介護のプロだけが知っている! 介護でもらえる「お金」と「保障」がすらすらわかるノート





介護に関するお金とサービスを解説した書籍である。この種の書籍は介護保険など制度の説明が中心になる傾向があるが、本書は悪質商法など高齢者の生活全般に目配りしている。消費者感覚がある。
河北美紀『介護のプロだけが知っている! 介護でもらえる「お金」と「保障」がすらすらわかるノート』(実…

本が好き! 1級
書評数:3170 件
得票数:15365 票
歴史小説、SF、漫画が好き。『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』はマンションだまし売り被害を消費者契約法(不利益事実の不告知)で解決したノンフィクション。





介護に関するお金とサービスを解説した書籍である。この種の書籍は介護保険など制度の説明が中心になる傾向があるが、本書は悪質商法など高齢者の生活全般に目配りしている。消費者感覚がある。
河北美紀『介護のプロだけが知っている! 介護でもらえる「お金」と「保障」がすらすらわかるノート』(実…





21世紀が昭和時代よりも食品偽装や欠陥住宅が酷いとすることには疑問がある。昭和の頃は明らかにならず、消費者が泣き寝入りしたことも多かっただろう。偽装が発覚するようになったことは一つの進歩と評価できる。
中島啓勝『ておくれの現代社会論』(ミネルヴァ書房、2024年)は現代社会を論じた書籍である。政治・経…





家や土地から住んでいる人の性格を語る書籍。著者は土地家屋調査士であり、測量や境界確認のお願いで色々な家に訪問する。とはいえ、著者もガンガン訪問するタイプではなく、コミュニケーションは苦手という。
平田真義『住んでる人の性格は家と土地が教えてくれる』(自由国民社、2023年)は家や土地から住んでい…





秋日(あきび)は秋の季語である。季節の名前を出さないで季節感を表現することが趣という感覚からすると、秋という言葉が入った季語は意外であるが、一つの言葉に豊富な意味を込める俳句の精神は秋日にもある。
岸本葉子『毎日の暮らしが深くなる季語と俳句』(笠間書院、2024年)は俳句に使われる季語の解説書であ…





タイトルに「タイパ」とあるため、勉強を短時間で済ませようという邪道の臭いがするが、その種の生臭の逆の真っ当な勉強法を紹介する。「学問に王道なし」の正しさを実感する書籍である。
菊池洋匡『小5までに身につけないとヤバい! 小学生のタイパUP勉強法』(実務教育出版、2024年)は…





発達障害と診断されたミノルを描いた小説と解説から構成される小説である。ミノルが浮いていることは確かであるが、その説明には発達障害のイメージと相違する違和感を覚えた。ここに物語の大きな仕掛けがあった。
横道誠著、村中直人解説『海球小説 次世代の発達障害論』(ミネルヴァ書房、2024年)は発達障害と診断…




ちいかわ達は食べ物の上に乗っかることが多い。現実ならば不潔であり、食べ物を粗末にする行為になるが、ちいかわ族ならば可愛い。巨大タコさんウインナーは私も食べてみたい。
ナガノ『ちいかわ なんか小さくてかわいいやつ』は、なんか小さくてかわいいキャラクターの日常を描く漫画…




『静かなるドン』の最終回から一〇年後が描かれる。振り込め詐欺の半グレを叩き潰すところから始まる。ヤクザは反社会的存在であるが、反グレを叩き潰すことにはカタルシスがある。竜宝が鳴門と出会った過去に遡る。
新田たつお『静かなるドン ― もうひとつの最終章 ―』は100巻以上の大長編漫画の続編である。『静か…





表題作「わたしはわたしで」はコロナ禍の日本が舞台である。コロナ禍で勤務先が倒産して貧困に苦しむ人は多い。読後感は良くないが、小説を書くということは血を吐くような行為ということが理解できる。
東山彰良『わたしはわたしで』(書肆侃侃房、2023年)は短編小説集。冒頭の「I Love You D…




下級貴族は朝廷の形骸化により、民間で活動するようになった。逆に朝廷に残った上級貴族は実用的な存在ではなくなり、所謂お公家さんとなっていった。現代の民間感覚と役所の乖離につながる。
繁田信一『下級貴族たちの王朝時代 『新猿楽記』に見るさまざまな生き方』(新典社、2018年)は『新猿…




鎌倉女学院創立百周年記念事業の鎌倉学セミナーの成果である。NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』の復習になる。源実朝には「出でていなば主なき宿となりぬとも軒端の梅よ春を忘るな」の和歌がある。
安西篤子監修『中世の鎌倉を語る』(平凡社、2004年)は鎌倉女学院創立百周年記念事業の鎌倉学セミナー…




当初は女子二人に男子一人の三角関係で始まったが、次第に町田さわ子と神林しおりの二人が中心になる。神林は、いい加減な町田に突っ込む役どころであった。『バーナード嬢曰く。7』では神林が照れるシーンが多い。
施川ユウキ『バーナード嬢曰く。』はギャグテイストの強い読書漫画。略称は「ド嬢」。最初は名言漫画であっ…




ムーミン一家の生活が変わる。しかし、贅沢や飽食は幸せにならず、逆に生活が窮屈になる。最初から下らないと言うスナフキンは一貫性があり、清々しい。他人に振り回される生活は幸せにならない。
トーベ・ヤンソン、ラルス・ヤンソン著、富原 真弓訳『黄金のしっぽ ムーミン・コミックス1巻』はムーミ…

元の日本遠征はフビライが指示したものであることが確かであるが、皇帝自身が進めた事業ではなかった。征東行省などの役所を作り、その役所に担当させた。お役所仕事は一所懸命の武士に敵わない。
宮脇淳子『世界史のなかの蒙古襲来 モンゴルから見た高麗と日本』(扶桑社、2019年)は元寇についての…




「銭には名前が書いてある」との言葉がある(143頁)。だまし売りなど不正な方法で獲得した金銭を使っても幸せにならない。公正な商売をしたいという商人の心意気が語られる。
浅田次郎『大名倒産 下』(文藝春秋、2019年)には「銭には名前が書いてある」との言葉がある(143…




小さな政府か大きな政府かの対立軸だけでは語れない。日本の官僚は経済の発展や地域の活性化などの名目では介入したがる。しかし、消費者保護や労働者保護は消極的である。天野の思想とはベクトルが真逆に感じる。
池尾愛子『天野為之』(ミネルヴァ書房、2023年)は近代日本の経済学者である天野為之の研究書である。…




私の方に気持ちを寄せて鳴いているという三芳野の田の面の雁をいつお忘れようか、忘れないと歌った。雁について歌っているが、私のことを頼りにしている娘さんを忘れないとの意味を込めている。
『伊勢物語』は在原業平がモデルとされる物語である。第十段「たのむの雁」は武蔵国入間の郡みよし野(三芳…




幕末の大名家を舞台とした時代小説。真面目な信房は何とかして立て直そうとする。しかし、大名というビジネスモデルが破綻しているならば速やかに倒産した方が良いのではないかとも考えられる。
浅田次郎『大名倒産』(文藝春秋、2019年)は幕末の大名家を舞台とした時代小説。『大名倒産 上』(文…




白河等の鴨川の東側の発展が水害被害を拡大させた面がある。白河法皇は賀茂川の水、双六の賽の目、山法師を天下三不如意としたが、鴨川の水害は白河法皇による白河の開発も原因であった。
北村優季『平安京の災害史』(吉川弘文館、2012年)は平安京を災害史の面から論じる歴史書である。NH…




受領の不正には詐欺もある。不当な税の徴収には虚偽説明によって本来は税の払わなくて良いところから税を徴収することもあった。ルールを権力者が独占し、市民に知らせないと権力者の都合の良い運用がなされてしまう
繁田信一『王朝貴族の悪だくみ 清少納言、危機一髪』(柏書房、2007年)は平安時代の貴族の悪事を描い…