夫の脳梗塞から一六年 「あきらめない」をやり通す





闘病記は重たいものにないがちであるが、仕事の話があることで生活を実感する。仕事への情熱が込められた筆致が、読者に勇気と希望を与える。闘病記の枠を超え、家族の絆と研究者の誇り、人間の可能性を描き出した。
北原かな子『夫の脳梗塞から一六年 「あきらめない」をやり通す 家族ならではのリハビリの記録』(ミネル…

本が好き! 1級
書評数:3170 件
得票数:15365 票
歴史小説、SF、漫画が好き。『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』はマンションだまし売り被害を消費者契約法(不利益事実の不告知)で解決したノンフィクション。





闘病記は重たいものにないがちであるが、仕事の話があることで生活を実感する。仕事への情熱が込められた筆致が、読者に勇気と希望を与える。闘病記の枠を超え、家族の絆と研究者の誇り、人間の可能性を描き出した。
北原かな子『夫の脳梗塞から一六年 「あきらめない」をやり通す 家族ならではのリハビリの記録』(ミネル…





謎と驚きが詰まったロードノベル。読むほどに心を揺さぶられ、予想を裏切られる。主人公は現代日本の女性・祭実理科。実理科は思い人の啓太と音信不通になり、料理研究家の母親を亡くしたばかりである。
西尾潤『フラワー・チャイルド』(KADOKAWA、2024年)は謎と驚きが詰まったロードノベル。読む…





保護司に新たな視点を提供する。保護司は、犯罪や非行からの更生を支援する役割を担う存在である。本書は保護司を多角的に捉え直し、歴史から各地の実践活動、さらには国際的な動向まで視野を広げた意欲作。
今福章二編著『文化としての保護司制度 立ち直りに寄り添う「利他」のこころ』(ミネルヴァ書房、2024…





音楽界の偉大なアイコン達の魅力と影を同時に描き出し、伝説の裏にある現実を知るきっかけを提供する。舞台裏のストレスや葛藤にも触れ、ビートルズとローリング・ストーンズの成功の影にある苦悩を描き出している。
ジョン・ミクミライアン著、梅﨑透訳『ビートルズ vs. ストーンズ』(ミネルヴァ書房、2024年)は…





著者は大学院修了後に技術者として25年以上勤務した。資産を倍増させて5000万円ということは投資の元となる貯金も多かったと想像できる。地に足のついた投資である。「億り人」と称する人達の胡散臭さはない。
松田二朗『臆病なサラリーマンが見つけた! 5年で資産を倍にする「ずぼら長期投資」』(朝日新聞出版、2…





消費中毒に陥った現代の飽食社会を批判する経済書である。飽食や過剰消費は人々の心身に悪影響を及ぼす。飽食に支配されないライフスタイルへの転換が未来を築くために重要であると示唆している。
神門善久『食料危機の経済学』(ミネルヴァ書房、2024年)は消費中毒に陥った現代の飽食社会を批判する…





伝兵衛は侵略的なロシア人と対照的な性格をしている。伝兵衛が町人であることが彼我の違いに大きく影響している。伝兵衛は町人であるために国家を背負わない民間感覚がある。
夏之始『伝兵衛』(ブックコム、2024年)はロシアに入国した最初の日本人とされる大阪の町人・伝兵衛を…





これから投資を始めようとする中高年層をメインターゲットとする。投資への関心が高まっているが、長期分散を王道とする見解が強い。本書はその真逆のスタンスである点で、実に挑戦的な内容となっている。
紫垣英昭『豊かな定年後のために50代でも間に合う!株デイトレード入門』(秀和システム、2024年)は…





コーヒー好きの著者がカフェインの害に苦しみ、デカフェに取り組むノンフィクションである。カフェインの健康被害を明らかにし、デカフェという選択肢を提示する。
いさわゆうこ『コーヒー好きのためのカフェインとデカフェの本 デカフェにする?』(みんなのフードポリシ…





帯には「心震わす清新な医療時代小説」とあるが、商品開発の充実感を描くビジネス小説の側面もある。生理が穢れとして語ることも憚れていた時代に生理用品を提供することはペインポイントの解決になる。
滝沢志郎『月花美人』(KADOKAWA、2024年)は江戸時代の架空の藩・菜澄藩を舞台に女性の不便を…





制度と制度の「すき間」に排除される問題を取り上げた書籍である。差別や排除の構造を明らかにし、すき間に陥った人々の声を拾い上げ、誰も取りこぼされない社会の実現に向けた議論を展開する。
村上靖彦『すき間の哲学 世界から存在しないことにされた人たちを掬う』(ミネルヴァ書房、2024年)は…

女性弁理士を主人公とした推理小説。インク開発研究者の誘拐・殺人事件が中心で、特許出願や公害訴訟の話も出てくる。組織行動が馴染まない企業の研究開発者と企業組織の微妙な関係もうかがえてリアリティがある。
川嶋秋月『黒きインキの黙示録 弁理士探偵 羽生絹』(Parade Books、2024年)は女性弁理…





がん告知の報告から始まる。告知からの生活と30年間の結婚生活の回想が交互に語られる。現在進行形の生活は黒字、回想は紫の文字で印字されている。エンデ『はてしない物語』のような手の込んだ作りである。
城アラキ『妻への十悔』(ブックマン社、2024年)は2010年に亡くなった妻・淳子さんとの思い出と後…





日経平均8万円とは強気の予想である。もっとも、これは長期的な視点であり、直近の下落も予想している。投資に関心を持つ者にとって近い将来の最大の不安定要素は「もしトラ」である。
菅下清廣『2024-2025 資産はこの「黄金株」で殖やしなさい! 日経平均は8万円を目指す』(実務…





オリンピックの歴史を語り、未来を展望する書籍である。パリ五輪を目前に控えたタイムリーな刊行であるが、第一回アテネ大会から2022年の北京冬季五輪まで近代オリンピックの全大会を網羅した力作である。
大熊廣明監修、稲葉茂勝著『古代・近代・現代のオリンピック 知られざる歴史と未来への社会遺産』(ミネル…





子どもが自らの手で試行錯誤し、発見する喜びを通じて学びを深めることに重きを置く。実際の遊びを通じて子どもが得る経験は、創造力や問題解決能力、表現力など、将来に渡って役立つスキルを養うものになる。
菅原陵子『4・5・6歳 小学校の勉強がスイスイできる子になるおうち ゆるモンテッソーリのあそびと言葉…





物語は続きが気になるところで終わる。本書はファンタジーの枠を超えた社会的メッセージを含む。この壮大な物語の中で、現実世界との共鳴を感じながら、勇者らの奮闘や怒りや絶望に心が動かされる。
一戸雄基『アーカー大陸:楔』(2024年)は架空の大陸アーカー大陸を舞台とした壮大なファンタジー小説…





各々の章は教材や模擬試験など各々の塾に特化した内容になっている。受験教育のプロという存在は考えられるが、本書のような書籍を執筆するためには塾の教育内容にも精通しなければならない。
ユウシン『SAPIX、日能研、四谷大塚、早稲田アカデミー 中学受験4大塾でがんばるわが子の合格サポー…





タイトルの生々流転は生まれ変わりを繰り返す意味である。姿を変えて生き続けるという文脈でも使われるが、むしろ諸行無常と重なる印象が強い。理不尽な世の無常の典型は冤罪である。本書も冤罪に度々言及する。
小林道憲『生成流転の哲学 人生と世界を考える』(ミネルヴァ書房、2024年)は物理学や考古学、歴史、…





生きづらさの対抗策は「まわりに流されず、自分のやりたいことを見つけ、それをただ無目的に楽しみ続ける」である。高級レストランで食事した写真をSNSでアップするよりも、自分が食べたいものを食べて楽しむ。
小川和『日常的な延命 「死にたい」から考える』(ナナルイ、2024年)は現代日本社会に蔓延する「死に…